どこ吹く風

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モノの値段

2007年10月07日 08時54分38秒 | 黄龍・九寨溝
 モノの値段って一体何でしょう。
資本主義経済では需要と供給によって決められて、社会主義経済では価値によって決まる。この場合の価値とは労働投下量である、なんて事を考えても始まらない。中国だからという訳ではありません、どこの国でも同じです特に観光地では。
改めてお聞きします、モノの値段って一体何でしょう。これはとても難しい質問であり悩ましい問題です。自分自身の価値観で判断し納得するという表面的な理屈では通せないところが問題なのです。私はコレを20元で買ったしかし他人は15元で手に入れたので納得できないというのが実際の気持ちです。

 観光地で起きる内心穏やかならぬ心地にさせるのがオミヤゲ品の価格である。他人と比較しなければ納得しているのに、自分より安い金額で手に入れたとなるとオモシロク無い、ニンゲンだからしょうがないけどオモシロクナイのは面白く無い。
アキラメが悪いヨと言われる前に自分の心を笑って誤魔化しましょう。

 かつては純朴であったであろうチベット族の皆さんも改革開放の波を被り一皮もふた皮も剥けました。彼ら・彼女等にあくまでも純朴さを求めるのは観光客のエゴというものです。チベットのみなさんがかつて純朴であったかどうかも疑わしいですけど。売り子の皆さんはけっこう強いです、幼く見えてもそう見えるだけで年を尋ねると30前と言う、15・6歳にしか見えなかった。その子は別の売り子が5元でいいというのをダメ10元だと訂正してきた、単に年が上だからか責任が上なのか、お蔭で5元ソンした。
5元は50円足らずでしかないが2食分の食事代金に匹敵するとなると大きい金額になる。私もそういう生活になっていたので値切り交渉はやった、この値切りも買い物同様楽しい観光風景のひとコマであるのは皆さんも分かるでしょう。

 九塞溝で買ったオミヤゲは、おもちゃのマニ車、経文が掘られた腕輪、布地、孫の為のチベット民族風のベストそれにお箸でしす。お箸はヤクの角製と言うていた、客が触って箱がひしゃげているので5元でいいといわれて買うことにしたが、10元と訂正させられたシロモノです。元値は25元のものでした。布はカシミヤと言うがマガイモノでしょう、でもオミヤゲにはいいものです、壁にかけたり汚い場所隠しに使える。中国製品特に食べ物の安全性に問題ありと騒がれているご時世なので喜ばれました。布は重いけど20元(300円ちょっと)には見えません。

 高いとか安いとかの規準は何でしょうか。スーパーやデパートで価格表示されていれば安心してその金額を支払う生活に慣れている。ではその価格は正しいのか、隣のスーパーでは違う値段が表示されている、ものの価格とは難しい問題です、本当に。我がニッポンでさえこうなのだから、観光地のオミヤゲ価格はあって無きが如しです。5倍10倍の価格差は当たり前です、自分で納得する以外に無いでしょう。
価格差で面白いことが西安でありました。このことは後日書きます。

 九塞溝のオミヤゲは良かった、価格の安い民芸品だけにしたのが良かった。1品で10~20元だからシッパイしてもたいした事は無い。これで誤魔化す私のウデもたいしたものです。(笑)
 
写真はオミヤゲ品屋さんです。この笑顔の下にはしたたかな商売っ気が隠れています。でも笑顔には負けます。