どこ吹く風

旅のことを主に書く。

おミヤゲの品

2007年10月29日 09時14分18秒 | 西安留遊
 碑林博物館近くの書画の店が並んでいる通りがある、掛軸を買いたい人がいたのでその辺りの見物を兼ねて一緒に出かけた。南門の近くにある書画骨董街はやはり独特の雰囲気がある。店に入って如何にも書とか画を知っているような顔で眺めたり、店先から覗いたりしながら歩いていた。実は私はその方面の眼は持ち合わせていないのでただ眺めていただけです。

 突然同行の女性が何か声をあげたのでそちらを見ると青年が足早に去って行く。バッグを開けられたとのこと、チャックが半分開いている。バッグを後ろ側にして籠小物を見ていたらジ~っという音がしたので振り向くと男がバッグに手を掛けていたそうだ。油断も隙も見せてはならない、一瞬の気の緩みで盗難の憂き目に合うことになる、特に観光地では気をつけねばならない。普段はバッグを前に抱えているが俯いて品物を見ようとしてバッグを後ろに回したところを狙われたようだ。未遂でよかった。

 無事手元に残った財布を握り、気に入った掛軸を買うために粘り強く交渉して価格も折り合いがつけて手に入れた。別の店に行こうと声を掛けたが余程気に入ったのだろう。傍の者が去ろうとするのを見ると店側もまけてくれるきっかけになるので側面援助の効果もある。本日の街周りの目的が済んだ、日本円で5・6千円の品だったけど”なんでも鑑定団”に出したら「センエン~」というところか。旅の記念品として自分の家で飾る分には申し分の無い軸であるし価格も妥当でしょう。

 通りで売っている甘く味付けした梨や蒸し菓子の味見をしながらブラブラ歩く。書画骨董街なので”安いヨ”と呼びかけられてもオミヤゲにするには高いしその方面に興味も眼も無い。通りのど真ん中に天井からも柱にも小物をいっぱい並べている屋台風のオミヤゲ販売所がある。1平米にも満たない店(?)で路上に並べるよりはキレイで見た目も良い。
そこにネックレスにも腕輪にもなるモノがあった。色付きのビーズやプラスチックに糸を通しただけだが4~5cmごとに磁石が配列されていてその磁石もカットされ飾りの一部をなしている。

 全長90cmほどの紐状なので腕に巻くと磁石同士がくっ付くし、首に巻いて適当なところで留め金無しで長さ調整ができるスグレモノだ。習いたての中国語で「多少銭?」とか「很貴」とか掛け合っている。最初の言い値は40数元だったようだ、それを21元まで下げさせて精一杯と感じたところで買っていた。皆で20本は買っただろう。若い子向けにはいいオミヤゲになる。値段も300円ちょっとなので手ごろだろう。

 別の日に北門の市場へも行った。そこは衣料品関係の店が多いので孫の衣類を買った。また1元で三輪車の荷台に乗り市場見物をした、こういう事は外国で無ければできないことと同行した先日の女性は言う。裏通りにミヤゲ品店が並んでいるので何か適当なミヤゲを探していると先日と同じネックレス兼腕輪がある。私は先日買わなかったので買うことにした、その方ももっと欲しいと変わったデザインを物色している。
「多少銭?」
”三塊銭”と店のご主人
「?・・?」まだまだ中国語に鳴れていない、モノの値段さえ聞けないとガッカリしながらもう一度聞くと、やはり三塊銭という。

先日21元だったモノがたったの3元と言う、私の聞きマチガイではなかった。彼女等も値段を聞いてビックリしていた。私も10個買った。帰り道に話したのは、先日1個21元で買った人にこの店の値段を教えるべきかどうかだった。

 恐るべし中国人の商法。モノには値段がありません。
その店の価格に驚いて値引きやサービスさせるのを忘れて言い値で買ってしまった。帰り道その事を悔やみそして笑った。
ミヤゲ品屋で値引きの言葉をひと言も言わなかったのは初めてです。(笑)
それほどビックリした価格差でした。