私の一番大好きな作者の遺稿。
まだ読み終わっていないのですが、太平洋戦争を題材にしていることもあってタイムリーかと。
船戸与一さん、今年春に癌で亡くなってしまった。
この9巻目を2月に出版してくれた早々に亡くなってしまった。
これが全9巻大長編の完結ということで、やりきったということなんでしょうか。
でも、船戸さんの主人公は大概目的をやりとげられずに何かに翻弄されて死んでゆくパターンなんですけども。
船戸さんは、冒険小説とかハードボイルドとかのジャンルにおいて、題材のリアリティさはピカイチだと思います。
この作品はノンフィクションっぽいストーリーですけども、かの戦争について新聞や教科書には書かれていない
ような、いわゆる表の話よりも裏面や側面が克明に描かれているようです。
ちなみに、
今日15日は終戦記念日ということですが、これは日本側からみた終戦のひとつの区切りで、欧米的には11日が
終戦日のようですね。翌年の2月に通化事変が起きているので、関係者によっては、戦争はまだしばらく続いていたことになるのでは。
無知な私に、物事は多面的に見ると面白いな、見ないといけないなと、感じさせてくれた作家さんでした。