勝五十六の日本戦略論

この危機を機に、少しずつ、日本戦略論と今回の政府の対応の遅れを海外から見た視点で、書いていく予定です

コロナウイルスとの闘い 「戦争」ではなく「共生」を、NHKの記事より

2020-04-26 18:13:06 | 日記
このインタビュー記事は、今回のコロナウイルス との戦いだけでなく、国の大戦略を考える上での参考にもなる。 今の安倍政権の御用学者や専門家には全く、戦略がなく、その場任せだ。

以下がNHKの記事の一部

コロナウイルスとの闘い 「戦争」ではなく「共生」を
長崎大学 山本太郎教授

戦争にもたとえられてきた、ウイルスとの闘い。猛威を振るう新型コロナウイルスは、世界中の政治や経済を混乱に陥れています。私たちは、この脅威とどう向き合えばよいのでしょうか。現場での経験を通して、“戦争”ではなく「ウイルスとは共生が必要」と語る専門家がいます。医師として、感染症が流行する世界各地の最前線で活動してきた長崎大学教授の山本太郎さんです。
(ニュースウオッチ9 和久田麻由子 西山泰史)
これほどまでの「世界的大流行」をどう見るか
和久田
すごく率直に伺いたいんですが、私自身はこんな事態になるって思ってもみなかったんですね。今回、新型コロナウイルスが、世界でここまで大流行しているこの状況をどうご覧になっていますか。
山本教授
ある種の感染症のパンデミックが起こる可能性というのは、ずっと言われていて、危機感はありました。2009年には、メキシコから始まった新型のインフルエンザもありました。けれども、実際に起きてみると、その危機感を超えたさまざまな問題が出てきているというのが今の状況です。普通は起きないことに関して、ずっと強い緊張感を持ち続けられるわけでもないんですよね。もしかすると、私を含めた専門家が、一般の人が危機感を持てるように発信するべきだったのかもしれないという反省もあります。

和久田
日本でも日に日に感染者が増えていますが、日本での感染拡大のフェーズは、いまどの辺りにあると見ていますか?


山本教授
すでに根絶(ができる)というフェーズは超えていると思います。いまは、流行の速度を遅らせることが最も重要なフェーズに入っています。流行の速度を遅らせるということは、すごく大切な意味があって、1つは、社会インフラの破綻を防ぐということです。2つめは、流行のピークを遅らせることによって、ワクチンの開発や治療薬の開発を進められるということです。いま我々ができることは、自分が感染しないこと。そして、人に感染させないこと。人っておそらく、人とのコミュニケーションが最も楽しいことなんですけど、最も楽しくて、人らしい部分を犠牲にしてでも、流行の速度を遅くしようと決めて、実践しているわけです。1つの万能薬のような解決策はなくて、小さなことの積み重ねでしか、もうパンデミックとは向き合えないと思います。
人類と「感染症」との歴史は

山本さんは、医師として25年にわたって、アフリカやアジア、中南米など、50を超える国々でエイズの対策や研究に取り組んできました。その一方で、感染症と人類の関わりについても研究してきた第一人者です。その山本さんに聞いてみたかったのが…。

和久田
歴史上、人類って数々の感染症に直面してきて、そのたびに薬やワクチンを開発してきましたよね。ウイルスには人類はもう打ち勝ったと思ってしまっていたんですけれども、そうではなかったということですか。

山本教授
1970年代の後半ぐらいに、人類が感染症を征服したという考え方が実はあったのだけれども、現状を見るとそうではなかった。そもそも、人間が自然の一部である以上、こうしたウイルス感染というのは必ず起こってくるものです。人間に感染するコロナウイルスは4つあるんですけれども、そのコロナウイルスは風邪の症状を起こすだけで重篤な症状を起こすことはほとんどありません。かつて、そうしたコロナウイルスはパンデミックを起こし、人社会が免疫を獲得することによって、いまのような状況になってきていると思うんですね。ただし、そうは言いつつも、過去の20年間を見てみると、SARS、MERS、そして今回の新型コロナウイルスのように3回も出てきているんですね。これは、少し度を超えた頻度です。
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