野の花だより

日々のささやかなこと*好きな音楽*のんびりと

夢の樹

2011年02月04日 | あしあと
二十代の頃、何度も聴いていて、
最近、ふと、あの歌詞、いいよなぁ~と、また歌っていた歌があって、
今日、がっちゃんと出掛けたブックオフで
再会したのです。
びっくりしました。
岡村孝子さんの初期の頃の歌、「夢の樹」です。


車で流して、久しぶりに聴き、歌っていたら、泣けてきました。
それは、この歌には深い思い出があるから。


とても苦しい時期のさなかに
いつもいつも聴いていました。
そして、その頃、とても親しく、お世話になっていたOさんにも聴いていただいた歌。
Oさんは、お医者様をなさっている方で、大好きな合唱をされている時に脳卒中で倒れられて
そのリハビリをされている頃に出会いました。
Oさんは、手や足がご不自由になられたほか、目もご不自由になられ、
本を読めなくなったのが残念と話して下さってました。
ある時、気分転換にしてもらえたらと、本の朗読をテープに録音してプレゼントしたのですが、
合わせて、いくつかの歌も録音してプレゼントしました。


Oさんが、
あの歌、いいですね‥
だれが歌っていますか?
そう、あの子はこんないい歌を歌うんですか‥。
と、話されたこと、今も覚えています。


♪岡村孝子さん「夢の樹」より抜粋


泣きたいよね 泣きたいよね 男だって女だって
立ち止まる時には
からみついた心の糸ほどくような優しいうた
あなたにも届け


今この胸に打ち寄せる波の終りはどこだろう
いつか出会うと繰り返し 船は沖へとすべり出す


泣きたいよね 泣きたいよね 行く所も帰る場所も
遠すぎる時には
感じたいね ほんとうのうた あなたのため 私のため
生きている限り



あの頃のOさんも私も
「プラスのことだけ、口にしようね」と約束をして
いつも心が温かくなるようなこと、笑い顔になるようなことを「努めて」「選んで」話していたと思う。
「男だって女だって泣きたいよね泣きたいよね」そんな、立ち止まる時にいたし
「行く所も帰る場所も遠すぎる」と感じている時にいたけれど、
でも、決して、くじけてはいなくて
心の糸をほどくような優しい歌、ほんとうの歌を
いつも、口にし、心にし、分かち合おう、励まし合おうとしている時に
あの頃の私たちはいたんだな。


今日の涙は、
Oさんのいろんな思いが、今になって、より心のひだに伝わる涙であったし
こんな体験をしたのも活かしたいから、勉強して、精神科医になりたいと話していらした、そんなOさんの今を祈る涙でもありました。

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