狸  森  日  記

                 ムジナnoモリnoクラシカタ

有為転変

2008-06-05 00:19:05 | ひとりごと



「有為転変は世の習い」といった使い方をする「有為転変」
辞書を引いてみたら

仏語。この世の中の事物一切は因縁によって仮に存在しているもので
常に移り変わっていくはかないものであるということ・・とありました。


近所に、10年ほど前に、あるリフォーム会社が社屋を建てて営業を
始めました。ココに来る前には別な場所で営業されていたものと思い
ますが、遠目にも、可成り業績を上げているように見えていました。


近くのスーパーやタバコ屋、郵便局などに行くときは必ずその社屋の
前を通るのですが、2,3日前に、カミサンが「アソコの何とか言う
会社、張り紙がしてあったよ」と言うのです。


張り紙だけでは意味が分からないので、その時は、聞き流していました
4日、スーパーに出掛ける用事が出来て、気になっていたその社屋の
前を通りましたら、カミサンの言うとおり「張り紙」がしてありました
詳細には記憶して来ませんでしたが「会社更生法を適用した・・」
管財人は「誰の誰兵衛」と書いてありました。



倒産したのですね。僕の旧事務所前の駐車場に何台か車を駐めてあり
ましたので、従業員の人達が車の乗り降りをするのを時々見かけて
いました。それが、この状況に急変していたとは・・・
まさに「有為転変の世の中」だという事を実感した次第です。


前を通る度に大きな犬に吠えられて、僕としては良い印象は持って
いませんでしたが、同じように会社を経営して来た者として、寂し
い気がしました。誰一人として、倒産させるつもりで仕事をしている
訳ではなく、何れは大きな会社にしたい・・・そういう志を持って
望んでいたはずです。


事務所入り口ではなく、住居入り口に未だ残っていた、黒御影石の
表札が虚しく目に写りました。


構造計算を偽装した姉歯氏の事件以来、建築の確認申請業務が大幅に
遅れ、その結果、小さな建設会社は工事に着工できず、倒産の憂き目に
あった・・という話は良く耳にします。一人の人間の身勝手な行いが、
全く無関係な人達を苦況に陥れ、その家族までが巻き込まれ、生活苦
を強いられています。こういうのって、悲しいですね。


写真は「姫檜扇」の赤色の花です。今年は、赤はこの花だけが
咲きました。もう少ししたら採種して、来年はもう少し増やしたい
ですね。