落書き帳

皇室評論家って、つまらない奴ばかり
専門家? ホントに?

お世継ぎ問題と男系男子の不条理さ

2024-06-08 23:28:37 | 皇室の話(3)
前回、このブログを始めた契機が平成16年5月の人格否定発言であると述べた。

今改めて、このことを取りあげるべきかは悩んだところであるのだが、当時、皇太子殿下におかれても、相当な覚悟で発言されたことであると思うし、皇室の環境に潜む大きな問題をしる手がかりが、そこにあると思うのである。

それは、以下のようなご発言であった。

平成16年5月10日 皇太子殿下記者会見(デンマーク・ポルトガル・スペインご訪問に際し)
-----引用開始(下線は筆者)-----
問2 今回,皇太子妃殿下のご訪問については,ぎりぎりまで検討されましたが,最終的には見送られました。殿下お一方でご訪問されることに至った経緯,結果についての殿下,妃殿下のお気持ちをお聞かせください。妃殿下の現在のご様子,ご回復の見通しについても改めて伺えればと思います。

皇太子殿下
今回の外国訪問については,私も雅子も是非二人で各国を訪問できればと考えておりましたけれども,雅子の健康の回復が十分ではなく,お医者様とも相談して,私が単独で行くこととなりました。

雅子には各国からのご招待に対し,深く感謝し,体調の回復に努めてきたにもかかわらず,結局,ご招待をお受けすることができなかったことを心底残念に思っています。殊に雅子には,外交官としての仕事を断念して皇室に入り,国際親善を皇族として,大変な,重要な役目と思いながらも,外国訪問をなかなか許されなかったことに大変苦悩しておりました。今回は,体調が十分ではなく,皇太子妃としてご結婚式に出席できる貴重な機会を失ってしまうことを,本人も大変残念がっております。私も本当に残念で,出発に当たって,後ろ髪を引かれる思いです。私たちには,ヨーロッパの王室の方々から,いつも温かく接していただいており,フレデリック,フェリペ両皇太子殿下とは,限られた機会の中ではありますけれども,楽しい思い出が多くあるため,今回のことはとても残念に思っているようです。

雅子の長野県での静養のための滞在は,幸い多くの方々のご協力を得て,静かな中で過ごすことができました。この場をお借りして,協力してくださった皆さんに雅子と共に心からお礼を申し上げます。雅子からも皆さんにくれぐれもよろしくと申しておりました。

長野県での滞在は,とても有益なものではあったと思いますが,まだ,雅子には依然として体調に波がある状態です。誕生日の会見の折にもお話しましたが,雅子にはこの10年,自分を一生懸命,皇室の環境に適応させようと思いつつ努力してきましたが,私が見るところ,そのことで疲れ切ってしまっているように見えます。それまでの雅子のキャリアや,そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です。

最近は公務を休ませていただき,以前,公務と育児を両立させようとして苦労していたころには子供にしてあげられなかったようなことを,最近はしてあげることに,そういったことを励みに日々を過ごしております。そういう意味で,少しずつ自信を取り戻しつつあるようにも見えますけれども,公務復帰に当たって必要な本来の充実した気力と体力を取り戻すためには,今後,いろいろな方策や工夫が必要であると思われ,公務復帰までには,当初考えられていたよりは多く時間が掛かるかもしれません。早く本来の元気な自分自身を取り戻すことができるよう,周囲の理解も得ながら,私としてもでき得る限りの協力とサポートをしていきたいと思っています。今後,医師の意見によって,公務復帰に向けては足慣らしのために,静かな形でのプライベートな外出の機会を作っていくことも必要であるかと考えています。引き続き,静かな環境を保たれることを心から希望いたします。

問4 殿下,大変,ちょっと失礼な質問になってしまうかもしれませんが,先ほどお答えになった時にですね,妃殿下のキャリアや人格を否定するような動きがあるとおっしゃいましたが,差し支えない範囲でどのようなことを念頭に置かれたお話なのか質問させていただきたいのですが。

皇太子殿下
そうですね,細かいことはちょっと控えたいと思うんですけれど,外国訪問もできなかったということなども含めてですね,そのことで雅子もそうですけれど,私もとても悩んだということ,そのことを一言お伝えしようと思います。
-----引用終了-----

「誕生日会見の折にもお話しましたが」とあるので、その時の会見でのご発言を見ると、以下の箇所がある。

平成16年2月19日 皇太子殿下記者会見(皇太子殿下お誕生日に際し)
-----引用開始(下線は筆者)-----
問2 皇太子妃殿下は現在ご静養中ですが,皇族方が長期間公務を休まれるのは異例のことです。殿下は一連の経過をどう受け止められ,原因はどこにあるとお考えですか。夫としてどのように妃殿下を支えていらっしゃるのか,解決策としてご夫妻でお考えのことや望まれていることをお聞かせください。両陛下とはどのようなお話をされましたでしょうか。

皇太子殿下
雅子には,昨年12月以来公務を休むこととなり,国民の皆さんにはご心配をいただいております。皆さんから寄せられた多くのお見舞いやご厚意に,心から感謝をいたします。雅子には,結婚により,それまでとは全く異なる環境に入りました。新しい生活の中で,外からは分らないのですが,東宮御所での生活の成り立ちに伴う様々な苦労があったと思います。そのような環境に自分を適応させようと努力していましたし,また,公務にも努めてきました。

もちろん,天皇皇后両陛下が一番重いお立場にあられるわけですが,皇太子妃という特別な立場から来るプレッシャーも,とても大きなものだったと思います。私から見ても,雅子は本当に良くやってきていると思います。そのような中で,一昨年のニュージーランド,オーストラリア訪問の前の記者会見の折にも触れましたけれども,世継ぎ問題についても様々な形で大きなプレッシャーが掛かっていました。幸い子供が生まれて,それからは2か月で公務に復帰しましたが,公務と育児の両立,それからメディアからの子供をめぐる様々な要望にこたえようと努力していた中で疲労が蓄積していったのではないかと思います。

子供が生まれてからは,公務を少し軽減しましたが,疲れが蓄積していても,外では見せずに頑張っており私も心配でした。世継ぎ問題のプレッシャーも,また掛かってきたことも大きかったと思います。帯状疱疹を未然に防ぐことができなかったことはとても残念ですが,帯状疱疹という病気になってそれまで溜まっていた疲れが出ているように思います。今はともかく,全てを忘れてゆっくり休んで欲しい気持ちです。そうですけれどもなかなか思うようにいかないのが現状であります。雅子がゆっくり休めるよう宮内庁はもとより,マスコミの皆さんにもご協力いただければ幸いです。

雅子が公務に復帰するのにはまだしばらく時間が掛かるかも知れませんが,私としては側にいて,励まして,相談に乗って,体調が良くなるようにしてあげられればと思っています。また,皇太子妃というこの立場を健康で果たすことが必要なわけですから,そういった意味からも今後の公務の内容や在り方も検討する必要があると思います。世継ぎ問題については,その重要性を十分認識していますので,周囲からプレッシャーが掛かることなく,静かに過ごせることを望んでおります。さらにもう少し自由に外に出たり,いろいろなことができるようになると良いと思います。

両陛下には,雅子の病気についてお見舞いいただくなど,いろいろご心配をいただき有り難く思っております。
-----引用終了-----


「一昨年のニュージーランド,オーストラリア訪問の前の記者会見の折にも触れましたけれども」とあるので、その時の会見でのご発言を見ると、以下の箇所がある。

平成14年12月5日 皇太子同妃両殿下記者会見(ニュージーランド・オーストラリアご訪問に際し)
-----引用開始(下線は筆者)-----
問1 両殿下にお尋ねします。約8年ぶりの両殿下そろっての外国親善訪問になりますが,どのような感慨をお持ちでしょうか。また,両殿下ご自身の外国親善訪問の意味や在り方についてどのようにお考えでしょうか。今後の外国訪問の中で,どのように「自分らしさ」を出していこうと考えていらっしゃいますか。

皇太子妃殿下
ご質問にありましたように,今回公式の訪問としては8年ぶりということになりまして,ニュージーランドとオーストラリアを訪問させていただくことができることになり,大変うれしくまた楽しみにしております。中東の諸国を訪問いたしました折のことは今でもとても懐かしく本当にいい経験をさせていただいて,その時の思い出は今でも皇太子さまとよく話題にしたりしておりますけれども,その後8年間ということで,そのうち最近の2年間は私の妊娠そして出産,子育てということで最近の2年は過ぎておりますけれども,それ以前の6年間,正直を申しまして私にとりまして,結婚以前の生活では私の育ってくる過程,そしてまた結婚前の生活の上でも,外国に参りますことが,頻繁にございまして,そういったことが私の生活の一部となっておりましたことから,6年間の間,外国訪問をすることがなかなか難しいという状況は,正直申しまして私自身その状況に適応することになかなか大きな努力が要ったということがございます。今回,昨年子供の愛子が誕生いたしまして,今年,関係者の尽力によりまして,ニュージーランドとオーストラリアという2か国を訪問させていただくことができることになりましたことを本当に有り難いことと思っております。

両陛下が,1970年代に両国をご訪問になっていらして,その折のお話を両陛下からいろいろ伺わせていただきましたり,御所に上がらせていただきました折に,両陛下お忙しい中,ご訪問の折のお写真のアルバムなどをご用意くださっていろいろお教えいただいたり,温かいお心遣いを頂いておりますことを心から感謝申し上げております。

両国ともとても人柄の温かい,おおらかで温かい国民性の国と伺っておりますので,たくさんの方と触れ合って,そして,両国の方々に対しての理解を深めて,実り多い滞在をすることができましたらと思っております。

<関連質問>
問 妃殿下にお尋ねしますけれども,先ほど1問目のお答えの中で,ご結婚以前の生活は外国に頻繁に行かれていて生活の一部になっていたと申し上げられましたが,ご結婚してから,なかなかそういう機会に恵まれず,大きな努力があったというふうにおっしゃいましたけれども,その時のお気持ちですね。努力があったこととか,自分なりに気持ちの整理などされた部分もあると思いますけれども,その辺をもう少しお聞かせ願いたいと思います。

皇太子妃殿下
そうでございますね。また子供が生まれましてからいろいろ状況も変わっておりますので,その前のことをはっきりと思い出すのもなかなか難しい面もあるのですけれども,やはり国民の皆さんの期待というものが,いろいろな形での期待があって,その中には子供という期待もございましたし,他方,仕事の面で外国訪問なども国際親善ということでの期待というものもございまして,そういう中で,今自分は何に重点を置いてというか,何が一番大事なんだろうかということは,随分考えることが必要だったように思います。

結婚後,いろいろな機会に恵まれて,国内各地を訪問することができまして,それは,私のそれまでの生活の中では,なかなか国内の各県をまわったりということは,それまでは余り経験―もちろん私的な旅行で観光地のような所をいろいろ訪れるという機会はもちろん何度もございましたけれども―いろいろな地方へ行って,その地方の特有の文化ですとか,食事ですとか,施設,いろいろなものを見せていただいたり,そういう中で,国内のことについていろいろな事の理解を深めることができたということはとても大きく,私にとっても財産になったと思っております。

そして,もちろんこちらにおりましても外国からのお客様をお迎えしたりとか,また,両陛下がお迎えになる外国のお客様とお会いしたりという形では,もちろん,外国の方とのつながりというものは続けてきたわけではございますけれども,今回久しぶりに公式に訪問させていただくということで,それから,申し忘れましたけれども,公式の訪問以外には,ジョルダンのフセイン国王が亡くなられた折のご葬儀と,それからベルギーの皇太子殿下がご成婚なられた時には,そちらに伺わせていただくことができましたことも大変有り難かったと思っております。
-----引用終了-----


平成16年5月10日の皇太子殿下のご発言だけに注目するとやや分かりにくいが、平成14年12月5日の皇太子妃殿下のご発言に着目すると、一番根本にあるのはお世継ぎ問題のように感じられる。

「6年間の間,外国訪問をすることがなかなか難しいという状況は,正直申しまして私自身その状況に適応することになかなか大きな努力が要ったということがございます。今回,昨年子供の愛子が誕生いたしまして,今年,関係者の尽力によりまして,ニュージーランドとオーストラリアという2か国を訪問させていただくことができることになりました」という箇所を見ると、お世継ぎ問題を最優先するべしといったプレッシャーが6年続き、平成13年12月1日に愛子内親王殿下がご誕生になって、平成14年12月にやっと外国御訪問が認められたという背景があったようである。

そして、平成16年2月19日の皇太子殿下のご発言に着目すると、「世継ぎ問題のプレッシャーも,また掛かってきたことも大きかったと思います」とある。これは、生まれてきたのが内親王(女子)だったので、結局、お世継ぎ問題は解決されていませんよ、お世継ぎ問題をクリアするべしといったプレッシャがーかかってきたということなのだろう。

そして、ついに、限界の更に限界を超え、平成16年5月10日の皇太子殿下のご発言となったのだろう。


なお、平成16年5月10日のご発言のあと、当時の天皇陛下より「私としても初めて聞く内容で大変驚き,「動き」という重い言葉を伴った発言であったため,国民への説明を求めました」(天皇陛下(当時)の文書回答)という事態となり、平成16年6月8日に「皇太子殿下外国ご訪問前の記者会見内容に関してのご説明(6月8日)」が示されることとなった。


この御説明は、今後の未来志向という観点での説明になっており、何が問題だったのかということは、分からないようになってしまった。

「個々の動きを批判するつもりはなく,」というのは、誰がプレッシャーをかけたのかといった、特定個人の問題ではないという認識ということなのだろう。
というのも、お世継ぎ問題というものは、制度の問題であるからだ。

ただ、特定個人の問題という側面に重点を置いて取りあげられることとなり、それは本意ではないということで軌道修正をするうちに、根本にある制度の問題、お世継ぎ問題、そこから生ずるプレッシャーの問題というものが、世の中から忘れられてしまったように思われる。


皇位が世襲によるものである以上、皇室にとってお世継ぎの問題が非常に重要なものであり、その責任が皇太子同妃両殿下に集中するというのもやむを得ないことなのかもしれない。

ただ、そこに男系男子ということが加わると、そのプレッシャーは不条理としか言いようがなくなる。

子を授かることが難しい場合に、更に、男子でなければならないとなれば、一体どうすればいいというのか。

生まれてきた子が女子だった場合の周りの見る目。
女子ではお世継ぎを生んだことにはならないという冷たい目。
命の選別、否定、その背後にある、根拠不明の不条理な制度。

このあたりは、筆者には、想像しようとしても、想像の限界を超えているのかもしれない。
女性ならば、この問題の深刻さは、よく分かるのだろう。


皇室において、お世継ぎ問題は避けられない問題であるとしても、男系男子は、その苦しみを不条理なものにしてしまう。
果たして、それに見合うだけの価値が、男系男子にあるのか。

男系男子を守るために、その不条理な苦しみを受け入れてくださいと言えるのか。


この問題については、今も公表されている記者会見の記録を見るだけでも、これだけ明らかであるというのに、結局、この国の政治家、権力者たちは、まともに向き合おうとしない。

議論をすることを避け、無言のまま男系男子の維持を図り、無言のまま苦しみを背負わせ続けるのである。
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振り返り

2024-06-07 22:46:15 | 筆者のつぶやき
このブログは、平成16年8月24日の記事から始まったのだが、同年5月の人格否定発言を契機としている。

その後の皇太子御一家へのバッシングはすさまじく、狂気の時代であったと言えるだろう。

洋食レストランで食事をされるだけでの批判など、今では想像できないのではないだろうか。


このブログにおける、そういった狂気の時代の記事については、

令和になり、ずいぶんと平穏になってきたところであるので、

あまりいつまでも載せておくのもどうかと思い、

保留状態にしてあったのだが、

あれから何が変わって、何が変わっていないのか。


振り返ってみることも有意義ではないかと思うようになり、

いくつか復活させようと思う。


無用な波風を立てることとならないように、慎重に選びつつ。






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佳子さまの服装に文句をつける奴ら

2024-06-06 21:23:47 | 皇室の話(3)
令和6年6月6日、女性自身より、「佳子さま “2990円ニット”ご着用に専門家が指摘する「皇室が軽視される」懸念」」と題する記事が配信されている。

先日の佳子内親王殿下のギリシャ御訪問に関してのものであるが、文句のつけ方にしても、全くナンセンスなのではないか。

記念式典では着物姿もお見せいただけたところであるし、それで十分なのではないのだろうか。
 “2990円ニット”とあって、本当に2990円なのかどうかは筆者には分からないが、ずっと華やかで可愛らしいファッションであり、現地メディアでの評判もよかったらしいので、文句をつける必要がどこにあるのだろうか。

記事のタイトルにある専門家というのは、静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次氏のことのようだが、そもそも小田部氏はファッションの専門家ではないであろう。

小田部氏のコメントとして、以下の内容が記載されている。
-----引用開始-----
相手国の国民に軽薄な印象を与えないためにも、お召し物選びや一連の所作には、慎重なご姿勢で臨まれるほうが望ましいことのように思います。また、皇室の格調や尊厳に対しても、日本国民の間に失望の念や軽視する感情を広げるようなことにもつながりかねず、ソフトさばかりを追い求めることは避けるべきでしょう
-----引用終了-----

これは、一般論として述べているのだろうか。

仮に、今回のギリシャ御訪問の評判があまりよくないという結果があって、その原因は何かという検証を行う場合に、こういう切り口があるのかもしれない。

しかしながら、今回のギリシャ御訪問は成功なのであって、また、筆者のような素人の観察眼からしてみても、「お召し物選びや一連の所作」が練りに練ったものであることは良くわかる。

小田部氏の言っているのは的外れの指摘だし、全くお呼びでないコメントというしかないであろう。

こういう文句をいろいろいう人が出てくると、文句を言われないようにしようという方向性となって、それ故に、女性皇族のファッションというのは、ダサくなる傾向にあるのかもしれない。

佳子内親王殿下には、こんな声に負けて欲しくない。
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北原みのり氏の記事はよいね

2024-06-06 21:16:12 | 皇室の話(3)
令和6年6月6日、AERAdot.より、「「愛子天皇」「女性天皇」を支持する国民の声は雅子さまの30年を知る私たちの実感だと思う 北原みのり」と題する記事が配信された。

昨日、北原氏の2年前の記事を紹介したばかりだが、やはりよい記事だなぁと思う。

皇室関係の記事は、どこかの誰かに配慮した、あるいは、媚びた記事のように思われるものが多いのだが、北原氏の記事は、自らの感性のままに表現をしており、いわば魂の声なのであろう。
筆者と北原氏とでは、立場も考え方も異なるが、納得できる箇所も多い。

-----引用開始-----
イギリスのポップなマグカップ感に比べ、日本の皇室の重たさの根にある男尊女卑。「これは性差別ではない、伝統だ」という人は多いが、性差別とはそもそもそのように言われ、肯定されてきたものである。
-----引用終了-----

これは、本当にその通りだと思う。
男系男子ということにつき、「これは性差別ではない、伝統だ」という論者にしても、その伝統の意味合いを性差別抜きにして説明できる者はいない。

なかには、女性は男性皇族と結婚して皇族になれるが、男性は女性皇族と結婚しても皇族になれないのだから、むしろ男性排除の原理なのであり、女性差別ではなく男性差別なんだといったような、ヘンテコな主張を展開する者までいる。

男系男子というのは、結局、公的な立場は男性が担うべきものであって、それ故に、その資格を伝承できるのは男性だという発想が根本にあるのではないか。

これを正面から認めてしまうと論争で勝てる見込みがないものだから、表面上は、これまで男系で続いてきたのだから男系であるべきといった空疎な論理を展開し、その実、守ろうとしているのは、公的な立場は男性が担うべきという発想なのではないか。

筆者としては、「男系」、すなわち、天皇としての資質は、男親からのみ子に継承できるものであり、女親からは子に継承できないという考え方というのは、126代が積み重なったが故に生まれた幻想、オカルトであると思う。

ただ、天皇としての役割が、男性向きであるか、女性向きであるかについては、現代、及び、将来の国、社会の在り方を見据え、議論の価値はあると思う。
このような議論は、皇室の御公務の在り方にも通ずるものであり、皇室にとっても有益なはずだ。

ただ、そういう議論をしようという者は、政府にも政治家にもいないのだろう。
情けないことだ。
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「愛子天皇」を見たい(北原みのり氏の記事を読んで)

2024-06-05 22:24:54 | 皇室の話(3)
メディアにおける皇室関係の記事はいい加減なものが多く、読んでいるとつい批判したくなり、その結果、心がすさんだような感じになってしまうのだが、素晴らしい記事も存在する。

少し前の記事ではあるのだが、令和4年12月7日、AERAdot.配信の「「愛子天皇」を見たいムードがこの国にはある 大変な運命の下に生まれた女性から目が離せない」と題する北原みのり氏の記事がある。

北原氏は独自の視点で皇室についても読み応えのある記事を書いてきた方であるが、今回の記事は、愛子内親王殿下の存在感を非常に上手く表現しており、筆者は非常に共感できた。

-----引用開始-----
どうかこのまますくすくとご自身の道を歩いていただきたい。できれば天皇になってほしい。いや、ご本人がなりたくないならならなくていい、幸せに生きてほしい。「生きのびてくれて、ありがとう」という気持ちになったのだ。
-----引用終了-----

-----引用開始-----
愛子内親王。日本の近現代史上初めて、時代の流れによっては、「天皇」という地位に最も近い場所に立つ女性。成年記者会見の言葉からは、愛子内親王にとって皇室は重荷ではなく家業のように受け継ぐもの、というような意思を感じたものだが、20代を今後どのように過ごされていくのだろう。
-----引用終了-----

なかなかぐっとくる文章が次々と出てくる。

酷い記事を読んで疲れてしまった方には、一読をお勧めしたい。
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つまらない揶揄

2024-06-05 22:01:24 | 皇室の話(3)
令和6年6月5日、現代ビジネス配信の「「皿婆」「政治介入」との批判が…コロナ感染の美智子さまがまったく休まらないワケ」と題する記事がある。

その中に、以下の記載がある。
-----引用開始-----
「美智子様が衆院議長に『(皇位継承に関する議論を)よろしく進めてくださいね』とおっしゃったという週刊新潮の記事について、5月23日の定例会見で宮内庁の西村泰彦長官は力強く否定しました。事実なら大問題とはいえ、あそこまで躍起だったのは美智子様ご本人の意向もあったと考えられます」(皇室担当記者)

「皿婆」と揶揄する人も

これまでも美智子様は、国民からの「見え方」をことのほか気にされてきたという。
「昨年秋ごろから、よくお召しになっているお帽子が小皿のように見えるため、ネット上では美智子様を『皿婆』と揶揄する人が増えており、ご本人の耳にも入っているそうです。今回は政治介入とも取られかねないからこそ、宮内庁も素早く対応したのでしょう」(同前)
-----引用終了-----

お心が休まらないというのは、お気の毒なことだ。

上記のうち、衆議院議長へのお声がけの話については、仮に、そういうお声がけがあったとして、筆者にはあまり気にならない。
ただ、そういう事実がないにも関わらず、実際にあったかのように記事に書かれるというのは、それ自体が御本人にとっては、気味悪く、不快な話であろう。
真実でないことをいろいろ書かれるという辛さは、有名人でなければ実感しにくいことであるが、皇室のことを考える際には、そういう辛さに思いを巡らしてみることも大事だと思う。

「皿婆」については、筆者は河西秀哉氏の記事で知ることとなった。

 河西秀哉氏の逆効果記事
 歴史に刻まれる「皿婆」

時期は、やはり昨年の秋、10月である。
このころから、「皿婆」という表現を用いる者が、ネット上で増えたのであろうか。

ただ、筆者は、ネットニュースを見ることはあるが、「皿婆」という表現を見かけたことは、ほとんど記憶にない。
お帽子について、「小皿帽」という表現は、上皇后陛下のファッションを憧れの対象として紹介する記事で用いられることがあるようだ。
筆者から見ても、確かに珍しいけれども、素敵なお帽子だと思うので、どうか、あまり気になさらないで欲しいと思う。
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八幡和郎氏の記事を切っ掛けに確認(皇嗣殿下の摂政待遇と暗い未来)

2024-06-04 21:48:49 | 皇室の話(3)
令和6年6月3日、プレジデントオンライン配信の「愛子さま、佳子さまの「将来の年収」を左右する…「女性皇族は結婚後も皇族残留案」の抜群のメリット」と題する記事がある。

また八幡和郎氏である。

記事中、以下の記載がある。
-----引用開始-----
■「女性宮家」は小室家騒動で立ち消え
 野田佳彦内閣(2011年9月~2012年1月)のときに、女性宮家という案が話題になった。眞子さま・佳子さま・愛子さまらを当主にした宮家を創設して、夫や子も皇族にしようというものだった。
 当時、「彼女たちがもし、疑問がある男性と結婚したいと言ったら困る」と私たちが指摘したら、推進派の人たちは、「皇室の女性たちは常識があるし、宮内庁にも調査能力があるから心配する必要はない」と言った。
 ところが、眞子さまと小室圭氏の婚約予定が公表されたあと、小室家のスキャンダルが出た。皇族の良識も宮内庁の調査能力も幻だった。もし、野田内閣が続いて、女性宮家が実現していたら小室圭氏はいまごろ「殿下」になっていただろう。
 そこで風向きが変わり、女性宮家案は力を失い、女性皇族のみが皇室に残る「単独残留案」にシフトしたのだから、野田元首相が女性皇族の結婚相手を皇族にしたがるのは、反省がない無責任な態度だ。
-----引用終了-----

まず指摘しておきたいのは、女性宮家案が力を失い立ち消えになったのは、時系列的に、小室家騒動とは関係がないということである。

野田佳彦内閣の時の女性宮家案というのは、平成24年(2012年)10月5日、内閣官房により取りまとめられた「皇室制度に関する有識者ヒアリングを踏まえた論点整理」のことを指しているはずであるが、これが力を失い立ち消えになったのは、同年12月26日より安倍晋三内閣となり、安倍内閣が女性宮家案を白紙にすることとしたからである。

例えば、平成24年12月31日の産経新聞に掲載された安倍総理へのインタビューの中で「全く白紙から検討していきたい」と述べたことは、この問題に関心のある者であれば、誰でも知っているであろう。

眞子内親王殿下の御婚約内定は、平成29年9月3日であるが、それよりもずっと前のことであり、女性宮家案をつぶしたのは安倍さんである

それにしても、「もし、野田内閣が続いて、女性宮家が実現していたら小室圭氏はいまごろ「殿下」になっていただろう。」という言い方は、酷いものだ。
眞子内親王殿下は皇室を出ることを前提にした上での小室圭氏の結婚だったのであり、皇室に迎えることを前提にしていたわけではなかった。

例としては逆方向の例であり、また、そもそも「複雑性PTSD」になってしまうほど傷つかれた方について、こういう形で取り上げるのは、人の道に反するのではないかと思う。

このような具合で、あまり細々と読み込むのもどうかと思い始めていたところ、以下の記載が気になった。
-----引用開始-----
ただし、常陸宮・三笠宮・高円宮各宮家の当主には3050万円なのを、従来の皇太子殿下の費用とほぼ同額ということで、秋篠宮皇嗣殿下には3倍の9150万円が支払われるようにした。
-----引用終了-----

天皇御一家と皇太子御一家は、全部合わせて内廷費(3億2千4百万円)となっており、その内訳は良く分からないというのが実態である。
少なくとも、皇太子殿下の分はいくらであるといった話は聞いたことがない。

それなのに、「従来の皇太子殿下の費用とほぼ同額ということで、秋篠宮皇嗣殿下には3倍の9150万円」などと書いてある。

そこで、「秋篠宮皇嗣殿下には3倍の9150万円」となった根拠を確認すると、平成29年4月21日付け天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議最終報告の18ページに、以下のように記載されている。

-----引用開始(下線は筆者)-----
3 皇室経済法上の経費区分
文仁親王殿下を皇太子としない場合、皇室経済法上の位置付けは、御家族を含め、引き続き内廷外皇族であり、皇族費の対象となる。
ただし、この場合であっても、皇位継承順位第一位というお立場の重要性や御活動の拡大等に鑑み、皇族費の額を増額することが必要である。具体的には、皇室経済法において、摂政たる皇族に対する皇族費の支給について、その在任中は定額の3倍に相当する額の金額とする旨が規定されていることも参考とし、これに相当する程度に増額することが適当である。
-----引用開始-----

なんと、皇太子と同額というのではなく、摂政と同額という話だったのである。
これは、八幡氏の記事がいい加減だという話とは別に、かなり衝撃的である。

まず、これは明らかにもらい過ぎである。
摂政とは、「天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないとき」に置かれるもの(皇室典範第16条第2項)で、国事行為はすべて摂政が代行することになる。
そのような重要な役割を果たすことになるからこそ、「定額の三倍に相当する額」(皇室経済法第6条第4項)となっているのである。

皇室典範
第十六条 天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。
② 天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。

皇室経済法
第六条
④ 摂政たる皇族に対しては、その在任中は、定額の三倍に相当する額の金額とする。


しかしながら、現在の天皇陛下がお元気であり、自らお務めを果たしておられるのであって、皇嗣殿下が代行する場面はほとんどないのではないか。
天皇陛下が外国御訪問をなさる際に臨時代行を務めるぐらいであろう。
それにも関わらず、常時代行者としての摂政と同額というのはおかしい

皇嗣殿下について、皇太子と同様の扱いということはこれまでにも念頭にあったが、実は摂政待遇であったというのは、今の状況を理解する上で、把握しておくべきであろう。

それにしても、摂政というのは、その時の天皇が役目を果たせない時に置かれるものである。
天皇陛下に本当に敬意を抱いているのであれば、もちろん摂政そのものではないしにても、摂政待遇の存在を設けるというのはできないはずである。

つくづく、安倍系保守というのは信用ならない。

され、ここからは筆者の妄想であるが、皇嗣殿下が摂政待遇とするという発想は、皇位継承の本命を皇嗣殿下の系統にあるという発想に通じるのではないか。

そして、これは、嫌な話ではあるのだが、近い未来、天皇陛下に譲位を迫る動きが生じるかもしれない。

天皇陛下と皇嗣殿下の年齢差は5年9ヶ月であり、皇位継承について、天皇陛下、皇嗣殿下、悠仁親王殿下という流れを考えた場合、皇嗣殿下があまり高齢になってからの即位は都合が悪いという話は、いずれ必ず出てくる。

この問題については、以前、
「次の皇位継承の問題」
「次の皇位継承の問題2(悠仁親王殿下のお立場)」
という記事を書いたが、これは皇嗣殿下の即位をスキップするという案である。

しかしながら、別の方策として、天皇陛下に譲位を迫り、皇嗣殿下の即位、悠仁親王殿下の立太子という方策を考える者が出てきたとして、不思議はない。

何せ、上皇陛下の譲位という実例は既にあるので、ハードルはそれほど高くはなく、何より、「今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない。」ということと、まさに合致するのである。

愛子内親王殿下の立太子を実現しない限り、このような方向に向かわざるを得ないこととなろう。
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美智子さまのお声がけ報道について

2024-06-03 21:25:06 | 皇室の話(3)
週刊新潮にて、宮内庁関係者が明かした話として、「額賀議長は就任後、上皇ご夫妻に謁見する機会があり、その際に上皇后さまから『(皇位継承に関する議論を)よろしく進めてくださいね』というご趣旨のお声がけを賜っているのです」ということが報じられ、意外と反響があるようである。

このお声がけ自体については、宮内庁長官によって否定されているので、お声がけがあったことを前提にした議論はあまり意味はないであろう。

それにしても、筆者は、そもそもの最初から、このお声がけ自体の何が問題なのか、理解できなかった。

平成時代より、当時の天皇皇后両陛下が、将来の皇位継承についてご心配になっていたということは誰もが知っていることである。

例えば、平成21年11月6日の天皇皇后両陛下の記者会見にて、以下のようにお答えになっている。

-----引用開始(下線は筆者)-----
問2 両陛下にお伺いします。両陛下はこの20年,常に国民と皇室の将来を案じてこられたと思いますが,皇室についてはこの先,皇族方の数が非常に少なくなり,皇位の安定的継承が難しくなる可能性があるのが現状です。昨年末の天皇陛下のご不例の際,羽毛田信吾宮内庁長官はご心痛の原因の一つとして「私的な所見」と断った上で「皇統を始めとする諸々の問題」と発言し,皇室の将来を憂慮される天皇陛下の一面を明らかにしました。両陛下は皇室の現状,将来をどのようにお考えでしょうか。皇太子ご夫妻,秋篠宮ご夫妻を始めとする次世代の方々に期待することも交えながらお聞かせください。

天皇陛下
皇位の継承という点で,皇室の現状については,質問のとおりだと思います。皇位継承の制度にかかわることについては,国会の論議にゆだねるべきであると思いますが,将来の皇室の在り方については,皇太子とそれを支える秋篠宮の考えが尊重されることが重要と思います。二人は長年私と共に過ごしており,私を支えてくれました。天皇の在り方についても十分考えを深めてきていることと期待しています。

皇后陛下
皇位の安定継承という点に関しては,私も現状は質問のとおりだと思います。それについて陛下のお答えに私として付け加えるものは,何もありません。

幸せなことに,東宮も秋篠宮も孫として昭和天皇のおそばで過ごす機会を度々に頂き,また成人となってからは,陛下をお助けする中でそのお考えに触れ,日々のお過ごしようをつぶさに拝見し,それぞれの立場への自覚を深めてきたことと思います。これからも二人がお互いを尊重しつつ,補い合って道を歩み,家族も心を合わせてそれを支えていってくれることを信じ,皇室の将来を,これからの世代の人々の手にゆだねたいと思います。
-----引用終了-----

皇位継承について上皇后陛下が問題意識をお持ちであるなら、額賀衆議院議長に『(皇位継承に関する議論を)よろしく進めてくださいね』とお声がけになったとしても、筆者には当たり前のことであるようにしか思えない。

もちろん、具体的な方策について言及されたのであれば、国政に関与しないお立場との関係で問題が生じるかもしれないが、国政に関与云々という話は、ご発言によって影響されてしまう側の未熟さによって生じるものであり、筆者としてはむしろ、お考えがあるのならお示し願いたいという立場である。

この点、週刊新潮の記事は、ネット上の記事を読むと、政府案を支持しているような印象で、紙面の記事を読むと「皇位継承」という本来取り組むべき課題に取り組むべきとしているような印象で、いずれであるかがよく分からなかった。

令和6年6月1日配信のデイリー新潮の記事「「よろしく進めてくださいね」 美智子さまが皇位継承議論で異例の“お声がけ”の理由とは」には以下の記載がある。

-----引用開始(下線は筆者)-----
「上皇后さまがこうしたお気持ちを吐露なさるのも無理はありません。何しろ皇室は、かれこれ18年にわたって“足止め”を余儀なくされていたのです」

 小泉純一郎政権下の2004年末、将来的な皇族数の減少に備え、「皇室典範に関する有識者会議」が設置された。その後、

「翌秋には『女性・女系(母系)天皇を認める』『皇位継承順位は男女を問わず第1子を優先』という内容の報告書が作成されました。当時の皇室では若い世代の皇族方はいずれも女性で、“男系維持”は風前のともしびだった。反対の声もありながら皇統断絶だけは何としても避けねばならず、ぎりぎりの選択だったわけです」(同)

 06年1月には小泉首相から有識者会議のメンバーらに「(同年)3月には皇室典範改正に関する法案を出す」との方針が示されたという。が、それも2月に突如、紀子妃のご懐妊が判明したことで雲散霧消してしまう。
-----引用終了-----

この記事では明確に示されていないし、誰も明確に口にしないようであるが、18年にわたる足止めの最大の要因は、平成18年2月7日、「突如、紀子妃のご懐妊が判明したこと 」なのである。

このご懐妊は、これまで進んでいた議論を皇室サイドからぶった切るという効果を生じるものであったのだから、筆者は、皇室より、「今回の懐妊には影響を受けずに議論を進めて欲しい」という一言があるものだと思っていた。

もちろん、その一言があったとして、ぶった切りの効果は生じたであろう。
しかし、その一言を出すのが、筋というものではなかったのだろうか。

これで結局、皇室尊重派としては、よく分からなくなってしまった。

いったい、どうお考えなのだろうか。
皇室のお考えに沿いたいと思っていたけれども、そもそものお考えがよく分からない。

今振り返ると、ご懐妊、ご誕生により、皇室も、いろいろ迷ってしまったということなのだろうか。

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男系男子の維持は無理

2024-06-01 22:13:13 | 皇室の話(3)
男系男子を維持することにつき、現在の皇室の範囲内で維持ができないのであれば、外にも広げようということで、旧宮家の男系男子の子孫を養子にするという案が出てきている。

昭和22年10月に皇籍を離脱した旧宮家の方々は、11宮家51方ということなので、それなりに多くの方がおられるように見えるので、たぶん大丈夫だろうという発想になっているようだ。

ただ、昭和22年10月の時点で11宮家51方という規模になっていたのは、旧制度下における一夫多妻制があればこそである。
・・・というところまでは多くの人が認識しているであろう。

ただ、旧宮家における一夫多妻制というのは、なかななえぐいのだ。

旧宮家の系図資料は様々なものがあるが、分かりやすいものの一つとして、令和2年5月18日付け東京新聞の百地章氏のインタビュー記事「<代替わり考 皇位の安定継承>(2) 旧宮家男子の皇籍取得を」がある。

このインタビュー記事に系図が載っているが「邦家親王」から、久邇宮家のほか、山階宮家、伏見宮家、北白川宮家、閑院宮家、東伏見宮家が生じており、子だくさんぶりがすごい。

なんでこんなことが可能になったのか。
Wikiで見ることができるのだが、邦家親王は、
配偶者が、
 鷹司景子(妃)
 藤木寿子(女房)
 上野寿野(女房)
 鳥居小路信子(女房)
 中村杣(女房)
 古山千恵(女房)
 近藤加寿尾(女房)
 堀内信子(女房)
 木村世牟子(女房)
 伊丹吉子(女房)

そして、子女が、
 山階宮晃親王
 聖護院宮嘉言親王
 譲仁入道親王
 久邇宮朝彦親王
 伏見宮貞教親王
 小松宮彰仁親王
 北白川宮能久親王
 華頂宮博経親王
 北白川宮智成親王
 伏見宮貞愛親王
 清棲家教
 閑院宮載仁親王
 東伏見宮依仁親王
 恒子女王
 順子女王
 久我誓円
 和子女王
 碌子女王
 文秀女王
 則子女王
 村雲日栄
 貴子女王
 他

となっている。

一夫多妻制とか、側室制度といった言葉は知っていたが、まさかここまでとは。

全員が邦家親王のようではなかったとしても、昭和22年10月の時点で11宮家51方という規模であったのは、一夫多妻制、側室制度をえぐいぐらい最大限活用した方々がいたからこそなのである。

そして、現在は、もちろん旧宮家の方々にしても、一夫一婦制なので、こんなことはもうできない。

であれば、皇室における男系男子が一夫一婦制の下で厳しくなったからといって、旧宮家に広げれば大丈夫だろうというのは、対応策として非常に筋が悪いということは、明らかであろう。
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