西京極 紫の館

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エス  鈴木光司/著  角川書店

2013年06月08日 12時44分47秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
映像制作会社に勤める安藤孝則は、ネット上で生中継されたある動画の解析を依頼される。それは、中年男の首吊り自殺の模様を収めた不気味な映像だった。孝則はその真偽を確かめるため分析を始めるが、やがて動画の中の男が、画面の中で少しずつ不気味に変化していることに気づく。同じ頃、恋人で高校教師の丸山茜は、孝則の家で何かに導かれるようにその動画を観てしまうのだった。今“リング”にまつわる新たな恐怖が始まる。

【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆★★★
  独創性 ☆☆☆☆★
 読み易さ ☆☆☆☆★

【西京極の読後感想】
鈴木光司の小説はいずれも設定は面白いが、オチが荒唐無稽過ぎてイマイチ…というのが多い。例外なのが『リング』と『らせん』で、シリーズ3部作のラスト『ループ』はやはりトンデモ小説になっていた記憶がある。今作『エス』は『らせん』の続編、シリーズのエピローグ的位置づけである。オチは突然ある人が登場してトリック解説して終わらせる(例えれば名探偵コナンの毛利探偵が眠らされて以降の展開みたいなものか?)ちょっと反則気味な手法だったが、主人公2人(孝則と茜)の出生にまつわる謎をサイコサスペンス的展開で読ませるところは楽しめた。ちなみにこの小説、昨年公開され大ヒットした『貞子3D』の原作という触れ込みでしたが、主要登場人物の名前が同じなだけで、全然別モノですね。そりゃ使えないわな、この小説ホラーじゃないもの(苦笑)映画会社から映画原作として執筆オファーしたのだとしたら、出来上がった内容を知って頭を抱えたんじゃないかなぁ~(大苦笑)

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