【紹介文】
「あたしは今夜また由紀ちゃんを殺しました。由紀ちゃんを殺したのはこれで二度目です」奇妙な遺書を残して自殺を企てた夢遊病の女性。金田一耕助が夜半遭遇した彼女は、自分が二度殺したという妹の呪いによって、腋の下におぞましい人面瘡があらわれたというのだ……。妖異譚に科学的な解決と深層心理の解明を加えた表題作に、本格ミステリーのバイブルといわれている「蜃気楼島の情熱」ほか三編を収録。
【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
ドラマ性 ☆☆☆★★
独創性 ☆☆☆★★
読み易さ ☆☆☆☆☆
【西京極の読後感想】
横溝の金田一モノは長編、短編あわせてもあらかたは読んでいるのですが、この単行本に収録されている5作のうち4作は未読だった事と、期間限定の杉本一文復刻版カバーデザインだった事で買いました。読み終わってみて判った事ですが、この5作、伝言ゲームの様にそれぞれが特定のワードでつながっている。死姦>義眼>男を操る女>遺書…単なる僕の思い込みかもしれないが、もし編集者が意図した選定だったとしたらなかなか芸が細かい。犯罪捜査に関する情報が一般的にも知られている現代ではやや杜撰に感じるトリックや筋立ても、横溝作品では許せてしまう。以下は収録作の寸評。
睡れる花嫁:横溝の中でも異常性、変態性でも群を抜く一作。この手の事件は現代の方が多く起こっている気がする。
湖泥:都会では浮き上がる変態性が田舎では深く沈澱し濃縮されていくというのがタイトルの意味だと思った。
蜃気楼島の情熱:メロドラマ的な要素の強い事件。トリックが残酷で、悲劇的なラスト。これも横溝ミステリーの魅力。
蝙蝠と蛞蝓:5作の中で唯一既読作品。主人公が金田一を知らないという前提での筋立てなのでどことなく滑稽である。昔から好きだった短編。
人面瘡:扱っているテーマが人面瘡というキワモノではあるが、それはあくまでおまけ要素。中味はこれまた純愛家族ドラマ。
おまけ:表紙の赤痣の男性、どことなく大森南朋に似てるような…w
「あたしは今夜また由紀ちゃんを殺しました。由紀ちゃんを殺したのはこれで二度目です」奇妙な遺書を残して自殺を企てた夢遊病の女性。金田一耕助が夜半遭遇した彼女は、自分が二度殺したという妹の呪いによって、腋の下におぞましい人面瘡があらわれたというのだ……。妖異譚に科学的な解決と深層心理の解明を加えた表題作に、本格ミステリーのバイブルといわれている「蜃気楼島の情熱」ほか三編を収録。
【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
ドラマ性 ☆☆☆★★
独創性 ☆☆☆★★
読み易さ ☆☆☆☆☆
【西京極の読後感想】
横溝の金田一モノは長編、短編あわせてもあらかたは読んでいるのですが、この単行本に収録されている5作のうち4作は未読だった事と、期間限定の杉本一文復刻版カバーデザインだった事で買いました。読み終わってみて判った事ですが、この5作、伝言ゲームの様にそれぞれが特定のワードでつながっている。死姦>義眼>男を操る女>遺書…単なる僕の思い込みかもしれないが、もし編集者が意図した選定だったとしたらなかなか芸が細かい。犯罪捜査に関する情報が一般的にも知られている現代ではやや杜撰に感じるトリックや筋立ても、横溝作品では許せてしまう。以下は収録作の寸評。
睡れる花嫁:横溝の中でも異常性、変態性でも群を抜く一作。この手の事件は現代の方が多く起こっている気がする。
湖泥:都会では浮き上がる変態性が田舎では深く沈澱し濃縮されていくというのがタイトルの意味だと思った。
蜃気楼島の情熱:メロドラマ的な要素の強い事件。トリックが残酷で、悲劇的なラスト。これも横溝ミステリーの魅力。
蝙蝠と蛞蝓:5作の中で唯一既読作品。主人公が金田一を知らないという前提での筋立てなのでどことなく滑稽である。昔から好きだった短編。
人面瘡:扱っているテーマが人面瘡というキワモノではあるが、それはあくまでおまけ要素。中味はこれまた純愛家族ドラマ。
おまけ:表紙の赤痣の男性、どことなく大森南朋に似てるような…w
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