西京極 紫の館

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龍馬暗殺者伝  加野厚志/著  集英社

2009年09月19日 00時41分32秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
風雲急を告げる幕末の長州藩。周防灘の漁師のせがれ直人は、父と巨大なホホジロ鮫を狩り、倒幕の吉兆として士分を許される。久坂玄瑞と交わり、尊皇攘夷の流れに加わっていく。高杉晋作を追いつめ、そして坂本龍馬、大村益次郎を斬殺。幕末最強の刺客、長州の切り札となった彼は、回天の動乱を一途に駈けぬける!新政府で栄達した者たちが歴史の闇に葬った神代直人。その苛烈な生涯に肉迫した異色長編。

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
   感動度 ☆☆☆☆★
   実用度 ☆☆☆★★
  読み易さ ☆☆☆☆★

【西京極の読後感想】
恥ずかしながら神代直人という人物の存在を知りませんでした。ですが、この小説のおかげでまた一人、歴史の影に殉じた人物を知ることができました。この神代直人という人物、共感したり、好きになった相手しか斬れないという自己矛盾に満ちた性格がたまらなく魅力的。僕の好きな滅びの美学がある作品です。読み終えた後に何とも云えない余韻が残ります。北野武の監督で映画化して欲しい。きっとキタノブルーにマッチした切ない男の映画になると思う。


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