現在、僕はスタジオで新しい作品に取り組んでいます。単純にCDを作る…というものではなく、映像をメインに、新しいウォッチャーを獲得する為の試みです。CDは寧ろその副産物と言っても良いです。
それが文化庁さんのプロジェクトと合致するので参加する事にしました。その文化庁さんと、そのプロジェクト「文化芸術活動の継続支援事業」に関して、ずっと遣り取りしてます。支援金が頂けるかどうかの瀬戸際が続いています。かれこれ1ヵ月半。そろそろ、審査に通った方ってのもチラホラ出て来て、ちゃんと払う気は有るんだな…という事は理解しています。
ただ、申請する上で、
①経費がどの種類に該当するか分かりづらい
②経費の種類を、あちらが発行したエクセルデータでプルダウンから選ぶ…なんて聞いてない
③ライブが存分に出来ない中、物販が同様に制限されてるのに、そこをNGにする意味が分からない。まぁ、そこを甘んじて受け入れたとして、「これ物販用の費用ですよね?物販は補助金の対象外です。」と、そこにえらく拘るのは何故?
④ミュージシャンのギャラを賃金で計上すると、実績報告時に労働契約書等が必要…何のこっちゃ!そんなんした事ないわ(笑)
…と、普段、音楽と向き合う事しかしていないミュージシャンにとっては、謎な事だらけで、書類の不備という事でやり直しの連続。
他にも言いたい事は山ほど有るけど、「私は馬鹿なので、一から教えて下さい。」と控えめな態度でメール返信(笑)
あ、そのメールもそのまま返信したら、メールの下の方に「送信専用」と書いてあって、一々違うメルアドに送り返す必要が有ったらしく、先方に届いてなかったらしくて、知らずに1ヵ月ほど棒に振りました。どうも、我々下々の者は馬鹿らしく、お上にはメールも届きにくいらしいです(笑) 友人には電話した方が早いから、とアドバイス貰いました。サイトには繋がりにくいから電話するな…と書いてますけどね。
このプロジェクト、「一応、我が国もアーティストを大切にしてますよー、ドイツ並みに!」…ってアピールなんだと思うし、努力次第で大きな金額が動くので、やる価値は有ると思います。
でも、本気でアーティストを救う気なら、アーティストがもっと参加しやすいアプライの仕方を考えるべきだと思います。アーティストには専属の財務担当が居るわけでなく、また、そういった個人事業主が対象となってる筈です。僕自身、長年、経費帳付けて青色申告してますが、ちんぷんかんぷんです。
公明党の議員さんが、YouTubeで「我が党が頑張りました!」とこのプロジェクトに関して胸張ってたのを観ましたが、アーティストを大切にしてるというなら、もっとその辺の思い遣りも持って頂きたい。
僕が申請して、頂いたお金は全てミュージシャンのギャラであったり、スタジオ使用料やスタッフへのギャラであったり、僕自身のギャラは規約上申請出来ず、ノーギャラで働かざるを得ません。しかし、動画やアルバム制作で、自分のお金にはならなくても作品は遺るので、それだけがモチベーションとなって自分を突き動かしています。
今年は給付金を頂き、何とか凌ぐことは出来そうです。問題は来年です。仕事自体が大幅に減ってしまった現在の状況から、元に戻るのは凄くゆっくりなペースだと想像出来ます。なので、今のうちに来年、自分に財をもたらす「売り物」を準備しておく必要が有ると考えて、行動に移しました。
しかし、僕が唯一不満に思うのは、ライブが制限されている中、物販も制限され、その収入減はダブルパンチでミュージシャンに襲い掛かっています。「活動継続の支援」というなら、その活動に物販は何故入らないのでしょうか。時にライブ収入以上になる事だって有る訳で、「継続」の意味を正しく読み解けば、「来年を如何に乗り切るか?」という事が言えると思います。何故、ライブ演奏にのみこだわるのか。大切なのは、収入源の確保であり、自力で来年も生き残る事だと思うのですが。
多分、お上にはCDの販売経路が分かってないのでしょうね。今や、ショップなんかでは殆ど売れなくて、ライブ物販がメインだって事実を。
また、出る出ないか分からない補助金の為に、大きなプロジェクトをやる事に躊躇しているミュージシャンも数多く見受けられます。でも、お上は「経費を正しく計上しろ。」と仰せになる。正しく計上して、予算とプロジェクトが確定して、もし補助金が下りなければ、そのミュージシャンは首を括るしかありません。
その場合、「継続支援」という言葉の意味はいったい何処に行ってしまうのでしょうか。
イベントの企画段階で審査して、Goサインを出したら、絶対支援するという形を取れば良いのに、期間的に全てがチグハグで、「支援金が出ない事も想定して」動かざるを得ないのが現状です。
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