プリシラ物語

☆☆☆

キラ子物語5

2020-01-31 12:34:38 | Weblog
午後から雨はあがった
この島の雨は梅雨と台風以外なら直ぐ止む

相変わらず、この店のあの女性は私に気づかない
人間にとって野良猫なんてその辺に生えている草と一緒なのだ
この女性は諦めよう

海辺へ行って打ち上げられた魚を待とう

「アラ アナタ ネコチャン」
下手な日本語が聞こえた
振り返ると、小麦色した肌の切れ長の目をした美人が立っている
「ネコチャン ナニシテル」
その下手な日本語は不愉快だったが手にスーパーの袋を持っているのを私は見逃さなかった
ひょんなチャンスかもしれない

「にゃん」
媚びているわけではない
ネコ語で「腹減った 何かくれ」と言ったのだ
果たしてこの小麦色した肌の切れ長の目をした美人に通じたのか、それが勝負なのだが。
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