
「ヘ~イ、あのイカした女の年はいくつなんだい??」

・・・ってプリシラが何歳だっていいじゃんかぁ~

プリシラと仲の良い、「業者の営業、妻子持ちT」がヒソヒソと色んな人に聞かれて困っているらしい・・・そりゃ~困るさ・・・奴ですら・・・プリシラの実年齢を知らないさ・・・ま、プリシラと妻子持ちTの姉弟の絆は年齢ごときで壊れはしないんだけど・・・


「えっ??プリシラさん、去年、29歳の誕生日って言ってませんでしたっけ??」
な~んて事もあるさ!!
この間の十数年ぶりの友人達にも・・・
「何歳になりましたっけ??」
って聞かれたから・・・「45だよ」・・・ってサラリと答えたんだ!!
「

・・・って・・・・あったりめ~だっちゅ~のっ!!

見えなくて当然だっちゅ~のっ!!45歳のわけね~ちゅ~のっ!!
「おいおい、プリシラさんの軽いジョークだよ」
って非常に記憶力の良いプリシラの実年齢を知っているナイスガイのK君がフォローしてくれたから、良かったものの・・・もう少しで、若作りをした45歳のプリシラさん、として記憶されちまうところだったぜっ!!何で、信じるんだよ・・・もっとプリシラを知ろうとしてくれよ・・・
まぁまぁ・・・そのくらいの事でめげるプリシラではございませんよ!!
しかしね・・・しかしね・・・世にも奇妙な出来事が・・・

昨日は久々にスポーツジムに行った・・・。
プリシラがジムに入会した日・・・もう一人の入会者がいた。
入会日が一緒というだけで、何だか親近感が沸く・・。・・多分、その人もそう思ったに違いない
その日、初のウォーキングを隣同士でやる事になった・・・。
「ねぇ、貴方、なんでジムに来たの?太ってないじゃない」
・・・っていきなり言われた・・・
「いやぁ~痩せたいとかじゃなくて健康の為に・・・」
って言う間もなく・・・
「私は、58歳なんだけどね、ヒールが履きたいのよ、ハイヒール!!」
「ハイヒールですかぁ~」とため息の様に吐いたプリシラは凄まれてビビる心を押さえながら坦々とウォーキングに励むだけだった・・・。
その後も何度かそのオバちゃんと顔を合わせる事となったが・・・出来るだけ近づかない様に心がけていた・・・
ところがどっこい・・・昨日・・・また会っちまった・・・
オバちゃんはプリシラの顔を見つけると・・・ニコニコしながら近寄ってきて
「久しぶりじゃな~い、今日一緒に帰りましょう」
って・・・「時間が合うようでしたら・・・」と言ったプリシラの最強の苦笑いには気付かないでいたに違いない・・・。
オバちゃんの事はすっかり忘れて鍛えに励んでいた・・・だからであろう・・・
帰りがオバちゃんと一緒になってしまった・・・そして偶然にもオバちゃんの家とプリシラの家がとても近く・・・駅も隣同士であったりした・・・
そして・・・世にも奇妙な出来事が帰りの電車の中で起きてしまった・・・

「プリシラさんて、私より年上って感じがするの、凄く落ち着いているし・・・
今度から姉御って呼んでいいかしら」
・・・って

少しの間、プリシラ何をしたらいいか分らずにいた・・・「そんな姉御だなんて滅相もないです、身分不相応です」と小さく反抗したプリシラの言葉はオバちゃんの耳には届かなかったのであろう・・・
プリシラが一つ前の駅で下車だったのだが・・・
「姉貴、お疲れ様です!!」って叫んでいたもの・・・
間違えてるっちゅ~のっ!!「姉貴」じゃなく「姉御」って言ったちゅ~のっ!!
自分の言葉に責任持てっちゅ~のっ!!プリシラを還暦扱いするなっちゅ~のっ!!これでもプリシラはまだ・・・歳で・・・あ・・・何でもない・・・
何も言う気はない・・・ただ・・・もうあのオバちゃんは二度と・・・プリシラの事を「姉御」と呼ぶ事が出来ない・・・だって、一緒に帰る事が二度とないから・・・そうプリシラは心に誓ったのであった・・・。


