何だっていうんだぁ??
どうしてプリシラばっかりこんな目に遭うんだぁ!!
「不公平」・・・って言葉は、神様が作ったに違いない・・・
神様・・・一度でいいから、プリシラと「人生」について語らないか・・・??
電話が壊れちゃったんだよ・・・ソファーから落しちゃって・・・バラバラになっちゃたんだよ・・・
プリシラ家の電話はとてもシンプルで機能なんてものは何一つ付いてない・・・
留守電???・・・んなもの、必要あるかぁ~~
プリシラは常に夢を探してさすらっている旅人じゃ~~
留守電なんかに、いちいち用件を吹き込むんじゃな~い!!プリシラを探すんじゃな~い!!
でも・・・電話は壊れると・・・困る
だから・・・前々から目をつけていた・・・オシャレな電話を買いに行こうとした・・・勿論・・・機能は何も付いていない・・・
大また開きの早足は健康に良いという・・・健康に良くなくても・・・プリシラは元々大また開きの早足だっ!!
オシャレな電話に向かって・・・突き進む・・・一心不乱に突き進む・・・プリちゃん、カックイイ~~
と・・・そんなプリシラの頭に・・・何か当たった・・・
「ジジジジジジ・・・」
う、うわぁ~~
夏の風物詩セミだ!!
プリシラ・・・苦手である・・・触れない・・・だって気持ち悪いんだもん
凄い勢いで、プリシラの頭にぶつかってきた・・・思わず「うわぁ~」って小さく声出ちゃったもん・・・
そして、セミ・・・プリシラの頭にぶつかって・・・ポトン・・・と右の肩の辺りに・・落ちた・・・セミの奴・・・しっかりプリシラに摑まったんだ・・・
「どうしたらいいんだよぉ~」
タイミングが良いのか悪いのか・・・信号待ちになった・・・
セミはプリシラの肩にいる・・・「ジジジジジ・・・」と小さく叫んでいる
「暗いし・・・誰も気付くわけないよな・・・」
気持ち悪さと、誰かに気付かれたら…の恥ずかしさと・・・
やがて・・・肩乗りセミを従えたまま・・・信号が青になった・・・
歩くしかない・・・歩くのだが右の腕だけ・・・動かせない・・・
「ジジジジジ・・・」時折、静かに叫んでいる・・・
この世の中に・・・肩にセミを乗せたまま・・・東京の大都会を歩いている・・・人間が、プリシラ以外にいるのかぁ~い??
不自然に右肩が上がっていて左腕しか振ってない・・・顔面蒼白の女を・・・本日見かけたのなら・・・間違いなく・・・その女が『プリシラ』だっ!!
カモォ~~ン
そして・・・道路を渡りきる頃・・・・
「ジジジジジジジジ・・・・・」と・・・プリシラの耳元でここぞとばかりに吠えたかと思うと闇夜の中に消えていった・・・セミよ・・・お前は何か訴えたかったのか??
プリシラの周りで歩いていた人たちは・・・さぞかしビックリしたであろう・・・
プリシラの後ろで歩いていた人なんて・・・何が起きたのかさえ・・・解らずにビックリしたであろう・・・何でもないんだよ・・・ただ・・・
プリシラの肩から、セミが飛び立っただけさ・・・オイラを残して、飛び立ってしまったのさ・・・
セミが去った後・・・独り寂しく・・・オシャレな電話を買いに・・・大また開きで・・・突き進んだのさ・・・
オシャレな電話は・・・品切れ中・・・だった・・・
プリシラの辞書には・・・辞書の1ページめには・・・「不公平」という文字が…………ある。。。
ワインラックカッチャッタ!