新聞を読んでいたカミさんが急に笑い出しました、アハハハと。
何がそんなにおかしい?
「女は存在で、男は現象なんだって・・・面白いわ」
生物学者の福岡伸一氏の書いている連載コラムの結びの言葉でした。
といってもこれは氏の言葉ではなく、免疫学者の故多田富雄氏の言葉。
はっきりと覚えてはいませんが、「生命の意味論」の中ではなかったでしょうか。
生命の原型は、生物学的にいうと女(雌)なのだそうです。
ご存知のように、女の性染色体はXが2本で、男のそれはX,Yが1本ずつ。
ところが、X一本だけでYが無くても、女として生存することができる。
Xはサイズも大きく遺伝子の数も多く、Yはサイズも貧弱で遺伝子の数も少ない。
その貧弱なYに精巣決定因子という遺伝子があって、受精後8週間目に働き出す。
その働きで、それまで女性器として形成されていた部分を、ムリヤリに男性器に作り変える。
というようなことからして、女は存在、男は現象、という言葉を思いついたのでしょうね。
イブはアダムのあばら骨から作られた、というわけではなかったようです。
むしろ、アダムこそイブの喉ぼとけから作られたのかもしれません。
それはともかく、生命には自己を創出してゆく働きがあるようです。
それが多田氏のスーパーシステム説で、自分でルールを作って自分で活かしてゆく。
といっても、最適解を求めているわけでなく、目的もなくかなりあいまいなもの。
生命をオーケストラに喩えると、そこに指揮者がいるわけではないといいます。
遺伝子ひとつづつに役割はあっても、それを統合する役割をどこかで持っているわけではない。
言ってみれば、関係性の総体が生命というものを形作っている。
となれば、いつの日か、第3の性なるものが創発してくるかもしれません。
染色体Zを持つ生命体?
理解できない事件が起きるたび、すでに存在しているようにも思いますが・・・。