つれズレ愚抄

つれ：「閉幕したパラリンピックから思い起こすに、厚労省さんが精神障害者の雇用を義務づけるって話があったよねぇ」

ズレ：「それ自体は大いに結構ながら、その分年寄りの肩叩きや若者への皺寄せが増える辺りの順序をどう考えてるかが相変わらずはっきりしねぇやな」

つれ：「高齢者にもっと働けったって、就職口まで世話してくれる訳じゃないもんねぇ」

ズレ：「高齢社会白書によると既にほぼ４人に１人は６５歳以上だそうで、元気な方にはお齢に関わらず働いていただくのが世のため人のためと分かってたって自営でなけりゃ手に余程の職でもない限りまず採用されないのが現実だしよ」

つれ：「” 高齢者が意欲と能力に応じ労働市場や社会活動に参加できる社会の実現が必要”と宣うならそんな評論より先にその処方箋を示して欲しいもんだょ」

ズレ：「厄介事は政治に任せてお手並み拝見が官僚無責任主義の真骨頂なら、省庁幹部を根こそぎ政治家に転職させるしかなさそうだぜ」

つれ：「政治家を省庁幹部に就職させる脱官僚は、更に政治不信を招く逆効果に終わったようだしねぇ・・」

 

 

つれ：「よもやそのジレンマで郵政担当相がお亡くなりになった訳じゃあるまいけれど、山間部とかで利用の少ない郵便局は隔日営業等々での経費節減を検討するんだってさ」

ズレ：「僻地のサービスを低下させないってのが民営化の条件だった筈だぜ」

つれ：「利潤確保の背に腹は代えられない民間企業とすれば、全国一律サービス縛りの中で隔日だろうと閉鎖しないだけ有り難いと思えってのが本音かもねぇ」

ズレ：「何に付けほとぼりが冷める頃には弱い所に皺が寄るのが物の理で、時の勢いや綺麗事を真に受けると結局はどこかが泣きを見るってこったな」

つれ：「ＴＰＰや増税転嫁も同じ構図になるのかねぇ」

ズレ：「舵取りの民主党さんからして政権交代熱が冷めるや随所に皺が寄りまくりなんだから、それを選んだ国民が大なり小なり泣きを見るのは不可避と思っとかないとよ」

つれ：「といって次の選挙は欺されないようにと身構えてても、与野党ともに皺だらけじゃそのほとぼりが冷めるまで選挙が延ばされたりやしないかぃ・・」

 

つれ：「いよいよ大阪維新の会が国政進出に名乗りを上げたねぇ」

ズレ：「橋下南州公の威光に縋るべく国会議員も合流して、今や正に騎虎の勢いだわな」

つれ：「雄藩自民は宿老離反で藩主が大政奉還・民主幕府は公方の座を巡ってお家騒動必至となれば、メディアで築いた大衆人気を錦の御旗に勝つ前から既に官軍ってことかぃ」

ズレ：「とはいえ経験の少ない烏合の衆なのは民主党以上、二の舞は避けると言いつつ三の舞にならないとは限らないぜ」

つれ：「とはいえ明治維新だって中心メンバーに国政経験があった訳じゃなし、その斬新さがかえって幸いする面もありそうだよ」

ズレ：「明治の新政府は古来の朝廷政治を敷衍して成り立ったことを思えば、維新の会も官僚政治をどう取り込むかが試金石ってこった」

つれ：「となると民主党さんみたいに勢いだけの脱官僚なんて浮かれた見切り発車さえしなけりゃ見込みがあるかねぇ」

ズレ：「となると橋下公が征官論でも声高に唱え出した日には政難の役にもなるんじゃねぇか・・」

つれ：「今年は早いうちに大雨が降り切っちまったってことか、関東の水瓶が軒並み干上がってるそうだよ」

ズレ：「ここ暫くお江戸は渇水騒ぎがなくて喉元を過ぎてたけど、猛暑に雨が降らなきゃ人口ひしめく首都圏の水需要が逼迫するのは避け難いやな」

つれ：「毎年渇水が続いてりゃ民主党さんも熱さを忘れた迂闊なダム凍結の勇み足で躓くこともなかったかもねぇ」

ズレ：「日本が淡水に恵まれてるったって所詮は気ままな雪や台風の天水を頼んでる限りそれを溜めとく容れ物は欠かせやしねぇぜ」

つれ：「森林や緑地の天然ダムが減少するならむしろさらなる人工ダムが必要だってのかぃ」

ズレ：「少なくともダム不要論を唱えるなら、その分の水を確保する淡水化プラント設置とかと抱き合わせでなけりゃ建設的な議論にはならないってことよ」

つれ：「とにかく建設は罷りならんて意地だけで結局は不毛な議論だったもんねぇ・・」

 

 

つれ：「２０３０年に原発を０にすると家庭の光熱費は２倍になるてな試算が示されたんだねぇ」

ズレ：「明日をも知れぬ人の身でそんな先のご託宣は、当たるも八卦当たらぬも八卦の占いくらいに聞き流しとくようだろうよ」

つれ：「原発反対派は原発維持のタメにする議論だと受け付けないだろうしねぇ」

ズレ：「その反対派だって電気に頼ってこそデモも打てるんで、まず電気のない暮らしに耐える覚悟がなけりゃ幾ら声高に原発廃絶を唱えても空念仏に終わるのが関の山でぃ」

つれ：「小水力発電の地産地消とかの地道な取り組みも進んでるとはいえ、余程の技術革新がないと代替エネルギーも難しいかもねぇ」

ズレ：「理想に先走って政策は胡乱だった民主党政策の一つとして、下野の暁には脱原発も一旦反故にして貰った方がいいんじゃねぇか」

つれ：「大震災絡みの災厄はことごとくカ●と共に去りぬとなりゃいいんだけどねぇ・・」

 

つれ：「不参加に傾いてたＷＢＣが一転参加となって三連覇が期待されるねぇ」

ズレ：「すったもんだの経緯や準備不足が不安材料ながら、野球ファンとすりゃサムライJAPANのご活躍をお祈りするばかりでぃ」

つれ：「興行色丸出しの舞台裏やらを見せられると興が醒めるようでも、やっぱり日の丸が天辺に翻るてなぁ単純にいい気分だからねぇ」

ズレ：「日本でスポーツてぇと未だにアマチュアリズムからの美談仕立てが主流だけど、プロが参稼する以上はビジネスとして清濁併せ楽しむのが正しい鑑賞姿勢ってもんよ」

つれ：「倫敦五輪のメダル数こそ史上最多となる一方で日本の金メダルが激減したのもその辺に起因するのかねぇ」

ズレ：「所詮カネかと揶揄されようと元手を掛けなきゃ二進も三進も行かない現実がある以上、どんなスポーツだろうとまずはビジネスとして成り立たなけりゃ凡そ世界の頂点には立てやしねぇぜ」

つれ：「するってぇと日本の政治が振るわないのは政治家がプロとして成り立ってないってことかぃ」

ズレ：「まずはカネのかからない政治でなく正しくカネをかける政治を目指すくらいでなきゃ凡そ金メダルの目はないんじゃねぇか・・」

 

つれ：「都が下見するや急転直下国が契約合意たぁ、尖閣買い上げ劇は狐につままれたような結末だねぇ」

ズレ：「どこが買おうと意味はないてぇ中国さんの牽制も加わるに及んで、三角綱引きを避けるべく決着を急いだのかもなぁ」

つれ：「都が引っ張り出した途端にそれなら国がと横車を押すてぇか引くてぇかしてるから、中国さんが横槍を突き入れる隙も大きくなったんじゃないかぃ」

ズレ：「日本がナメられきってる時節柄、上陸調査から拒否したり札束で頬を張るようにケリをつけたりって国の態度がいかにも姑息に映るのは否めねぇやな」

つれ：「船だまりがあると上陸され易くなるとかの理屈だけはごもっともながら、とにかく寸土たりとも現状を変えたくないてぇ逃げ腰ぶりは目を覆うばかりだしねぇ」

ズレ：「ビミョーなパワーバランスを維持するには２０億円を注ぎ込んでもこのままヤギを放牧しとくのが得策てぇ判断なんだろうけどよ」

つれ：「船や飛行機の消息がたびたび途絶えるのがバミューダなら、どうも尖閣じゃ国の沽券がしばしば途絶えるみたいだねぇ・・」

つれ：「問責決議で政界の関心事は総選挙に雪崩を打ってるようだけど、それより差し迫った財政破綻の方が関心を示すべき大事だろうに」

ズレ：「特例公債法案の見通しが立たなくなって交付税やら補助金やらの執行差し止めってことは民間企業で言やぁ不渡り出したも同然だからなぁ」

つれ：「不渡りなら即銀行取引停止となるところを、公金が入らなくなる地銀の資金ショートを避けるべく逆に日銀が巨額オペに踏み出すってのはエラい違いだけどねぇ」

ズレ：「禁じ手の財務省証券で当座は凌げる筈とタカを括ってるのか、国を経営すべき代議士諸侯が事業再建より社長の椅子争いに興じてるのもエラい違いだぜ」

つれ：「与野党Ｗ党首選の帰趨がはっきりするまで国民の耐乏生活は棚晒しにされそうだねぇ」

ズレ：「資金繰りに窮すれば顧客が眼中にないのは倒産企業同様で、こんな時にまた大規模災害にでも見舞われた日にゃいよいよ目も当てられないんじゃねぇか」

つれ：「山河破れて国もなしなんてことにならないような政治活動を待望しても虚しいばかりかぃ・・」

 

 

つれ：「防災の日を前にして南海トラフ巨大地震の想像を絶する被害予測は国中の防災関係各位を揺さぶったみたいだねぇ」

ズレ：「最悪で死者３２万人と言われても、国民個人レベルじゃそこに自分が含まれるてぇ実感までは湧いてないんじゃねぇか」

つれ：「どうしたって発生確率は極めて低いって方に縋りたくなるしさ」

ズレ：「実際にはそれ以上の天災だって起こるかもしれないし、現に２００万とも３００万とも言われる死者を出した大東亜戦争みたいな災厄が起こらないとも限らないしよ」

つれ：「結局一人一人の命運は神様の思し召し次第ってことかねぇ」

ズレ：「大枚の公金はたいて防波堤を高くしたってそれを超える津波がくりゃそれまでなんだし、常日頃から一朝事あらば自分はかく逃げるべしてぇイメトレを重ねとくしか対策はなさそうだわな」

つれ：「人事を尽くして待つのが天命なら、想像を尽くして待つのが災害ってことかぃ・・」

 

ズレ「思わせぶりなタイトルや予告編の印象からしてかのスタンリー・キューブリック監督の名作”２００１年宇宙の旅”的な衒学的なストーリーかと思いきや、かのエイリアンを生み出した巨匠リドリー・スコット監督の新作ってよりもかのリドリー・スコット監督が生み出した新エイリアンシリーズの第１作てな風情だわな。
　デザインもギーガー系を踏襲してるから雰囲気はエイリアンそのまんま、ストーリーも大枠ではエイリアン１を踏襲してるから、劇場で初めてエイリアンを観て度肝を抜かれた記憶のあるご同輩なら今度はそうきたかぃとむしろ存外コメディチックにも鑑賞できそうだぜ。
　映画の影響で外国人を示す日本の一般的な表記がエーリアンからフォリナーに改められたりプレデターが登場するや並み居る肉体系俳優を押し退けて不動の敵役に納まったり第１作から３０余年を経て前日譚が登場したりで、こうなるとプロメテウスが人類に火をもたらした如くエイリアンは映画界にドル箱をもたらしたとの謎掛けかとタイトルまで笑えてくるようでぇ」