つれズレ愚抄

つれ：「諸々難産の末、ＷＢＣは山本ジャパンで目出度く船出したねぇ」

ズレ：「否応なく高まる３連覇の期待に応えるのは容易じゃないどろうけど、結果は別として世界の舞台で日本の野球を育むべく大いに気を吐いて貰いてぇやな」

つれ：「監督の人選が最後まで現役に固執したように、暫く現場から離れてた監督を戴くのを不安視する声もあるみたいだよ」

ズレ：「プレーするのはあくまでも現役の選手なんだし、現場にいなくたって監督に必要な勝負勘は三つ子の魂百までてなもんでぃ」

つれ：「むしろ惜敗した北京五輪のコーチとして日本野球とは違う国際大会の空気を直に吸ってるのが心強いくらいかぃ」

ズレ：「万世一系の島国の性でどうしたって合従連衡を繰り返してきた大陸国家とは感覚にズレがあるから、その辺を肌で感じてるってなぁ世界と渡り合う上で必須のアイテムともいえらぁな」

つれ：「尖閣交渉チームも監督から選手までそういうプレーヤーを揃えたいもんだねぇ・・」

 

 

つれ：「資源小国日本でも今をときめくシェールオイルの採掘に成功したそうだよ」

ズレ：「全く無いてぇか商業ベースが成り立つほどにはないてぇ例に漏れず、秋田以外には有望な地層が見当たらないんじゃエネルギー源としてはそう多くは期待できそうもないぜ」

つれ：「むしろ環境汚染にも配慮した高度な採掘技術を蓄積できる効果が大きいと評価されてるみたいだねぇ」

ズレ：「日本近海で商業化まで見込まれるメタンハイドレードの採取や海外へのシェール採掘技術売り込みに繋がるなら大層な技術資源になりそうだわな」

つれ：「先端技術・環境汚染・海外売り込みの三題噺となると、原子力技術の行く末が頭をよぎるよねぇ」

ズレ：「いかに民生が尻込みしようと、軍事で核が最終兵器である限り原子力技術も日本の核心的資源として保持しない訳にゃいくめぇよ」

つれ：「資源の少なさもさりながら、目先の票に阿って不評の志は少なくなる一方の政治小国ぶりも行く末が心配だょ・・」

 

 

つれ：「一時は親王不在で女系天皇誕生かとも騒がれた皇室典範改正は結局法案化を断念したんだねぇ」

ズレ：「ひとまず検討経緯を論点整理するだけで先送りするようだわな」

つれ：「話が女性宮家や内親王の方に偏ってるけど、本題は皇位継承をどうするかだからねぇ」

ズレ：「賢きあたりの跡目を下々が云々するのは余りに畏れ多いから、その時の皇室のご判断にお任せするってことでもいいんじゃねぇか」

つれ：「それはかえって法治主義に基づく天皇制を危うくするんじゃないかぃ」

ズレ：「明治の元を辿れば自律的な天皇家の家訓が皇室典範で、敗戦後も護持し奉るべくＧＨＱの顔色を窺いつつ法治でカモフラージュした按配なんだから、そろそろ元に戻したってよさそうなもんでぃ」

つれ：「一時は二大政党大連立で大政翼賛誕生かとも騒がれたくらいだしねぇ・・」

 

つれ：「門外漢には分かり難い業績が多い中、以前からノーベル賞確実と目されてた山中先生の受賞で世間はお祭り騒ぎだねぇ」

ズレ：「難しい理屈は抜きにして効果や発展性は素人目にも明らかだったんだから、当初に今くらい大騒ぎしてもいいくらいでぃ」

つれ：「やっぱりノーベル賞とかの権威づけがないとマスコミも手放しで賞賛する訳にはいかないんじゃないかぃ」

ズレ：「技術立国日本を支えるうえでも、有用な技術はいち早く大々的にアピールしてこその報道なんじゃねぇか」

つれ：「芸能報道なら火のないうちからもうもうと煙を立てて大々的にアピールしてるしねぇ」

ズレ：「社会の木鐸てぇ大義名分の下、何事もまずケチをつけてナンボてぇ姿勢がネットでの誹謗中傷を助長してる面があるとすりゃ、むしろ何事もまずヨイショから始めちゃどうでぇ」

つれ：「お座敷同様、社会にも太鼓持ちが必要かもねぇ・・」

つれ：「大滝秀治先生のご逝去でまた味わい深い名演の役者さんが減っちまったねぇ」

ズレ：「人に天寿がある以上、幾ら惜しかろうといつか別れがくるのはやむを得ねぇやな」

つれ：「その寂しさをレスリングの吉田選手が国民栄誉賞に輝くてな目出度さで埋め合わせてくようかねぇ」

ズレ：「歳々年々人不同で、去る者あれば来たる者ありってことよ」

つれ：「昔は首相の交代劇にもそんな感慨深さが漂ったもんだけど、近頃はむしろそれが目出度いくらいだよねぇ」

ズレ：「政治家の粒が小さくなり過ぎて、多少の違いはあろうとどこを切っても金太郎飴みたいな具合だからなぁ」

つれ：「味わい深い善政で国民栄誉賞を差し上げたくなるような先生に是非ともご登場いただきたいもんだねぇ・・」

つれ：「維新の会は早くも大阪の本丸と江戸の家老衆とでお家騒動勃発の気配じゃないかぃ」

ズレ：「三人寄れば派閥が出来るのが政界の習いなんだし、急速に膨らめば割れるのも急速ってことよ」

つれ：「やっぱり国政政党の代表が大阪市長のままってなぁ無理があるのかねぇ」

ズレ：「変幻自在の橋下公のことだからいざ総選挙となればすかさず国政に転じるかもしれないし国会議員団の構成も様変わりするだろうしで、今は選挙後に本格化する主筋争いに備えた小手調べってとこさな」

つれ：「原発稼働は反対から承認・文楽補助も廃絶から継続と、ラガーとして鳴らしたお殿様だけにガツンとカマすと見せてスルッと駆け抜ける眩惑プレーもお手のもんのようだからねぇ」

ズレ：「江戸派の旗印には橋下独裁の印象を拭うてぇ名分も掲げられてるとはいえ、なまじな造反はかえって所詮藩主の顔色次第てぇ実態を天下に知らしめすだけにもなりかねないぜ」

つれ：「鼎の軽重を問う梟雄とも目されるだけに、天下盗りが成れば統べられるばかりの江戸の民草としてはくれぐれも殿が乱心あそばさないようにとお祈りしとくしかなさそうだねぇ・・」

 

 

つれ：「以前耳にした本邦謹製のスピーチジャマーが栄えあるイグ・ノーベル賞に輝いたんだってさ」

ズレ：「数学でもＡＢＣ予想とやらの難問を日本の研究者が解いたらしいって話だぜ」

つれ：「寺子屋教育以来伝統の知的レベルの高さが日本の命綱だけに、この手の話には救われる思いだょ」

ズレ：「親はなくても子は育つように、教育制度がとやかく言われても伸びるべき才能は伸びてるようだわな」

つれ：「とはいえ衣食足りて礼節を知るのと同様、知的活動には生活水準の確保が必須の土壌なんじゃないかぃ」

ズレ：「向後の日本はまた貧しい時代に突入するとなると、藩校や旧制高校みたいに傾斜配分したエリート養成システムが必要になるかもなぁ」

つれ：「今のうちから義務教育はまたお寺にくっつけとくようかねぇ・・」

 

 

つれ：「かつて幻と言われ天然記念物にもなったカモシカが、近頃は街場にも姿を現すくらい増えてるみたいだよ」

ズレ：「カモが付かないシカの方は増え過ぎて各地で食害が深刻になってるようだわな」

つれ：「他にも猿だの熊だの猪だのが人里を蹂躙して、以前より野生動物と人間社会の垣根が低くなった感じだよねぇ」

ズレ：「それぞれにいろいろな要因はあれど、総じて自然とのバランスが崩れてるサインとして受け止めるようだろうよ」

つれ：「人間様の生活に障りが出るに及んじゃ、そんな大雑把な括りで手を拱いてる訳にもいくまいに」

ズレ：「地域によって事情も違うとなれば、画一的な駆逐保護や補助の制度でなく地域の判断で柔軟な対応がとれるような制度の見直しや経費の手当てが必要なんじゃねぇか」

つれ：「それで思い起こすに、補助金を全廃して地方の裁量に任せるてな民主党さんのかつての重点政策こそ今や全く姿の見えない幻の妄言記念物になってるんじゃないかぃ・・」

 

つれ：「台風シーズンの最中、改造内閣にも大型で猛烈な勢いのマキコ台風が発生したねぇ」

ズレ：「自他ともに民主党最後の内閣となるのが明らかな沈滞ムードを払拭するには、それくらいのエネルギーが必要ってこった」

つれ：「とはいえ尖閣がビミョーな時期に父君以来中国贔屓の田中先生入閣ってのもまたビミョーじゃないかぃ」

ズレ：「教科書検定で中国さんの顔色を忖度するのに長けた文科省のトップなら軋轢も生じまいてぇココロなんじゃねぇか」

つれ：「折角の希有の馬力は拉致問題解決とかで最大限に発揮してもらいたいようだけどさ」

ズレ：「潰れる会社が社員の身の振り方に腐心するように、沈みゆく船と命運を共にする閣僚には極力後に傷が残らない面々を人選したのが最後の良心なんだろうよ」

つれ：「どぜう総理有終の謎はチーム力最大限と掛けてダメージ最小限と解くたぁお見逸れいたしましただょ・・」

つれ「ベースのミュージカルとは多少ストーリーは異なるそうだけど冒頭からノリのいいロックが続いてトム・クルーズ御大を筆頭に大御所俳優陣までノリノリだし、流れる楽曲は今聴くともうクラシックともいえるほどお馴染みのヒットナンバーばかりだから、ロックンロールからハードロックを経て細分化したその後のロックとファンの年齢層は幅広くともロックエイジならどなたも理屈抜きで楽しめるんじゃないかぃ。
物語の背景は８０年代でそれ以前に比べればかなり緩解したとはいえまだロックが反社会的と白眼視される風潮も残ってはいたけど、その後はどんなジャンルであれ音楽自体を排斥の対象とするようなムーブメントは窺えないって辺りからも往時のロック文化が社会に与えた影響の大きさが分かろうてもんかもねぇ。
或いは逆に言えばロックよりもさらに刺激的な文物が蔓延してるってことかもしれず、かつてのロックに注ぎ込まれた若者のエネルギーが景気低迷の鬱積やテロ対テロ戦争の軋轢から不穏な方向に走らないようにと祈るばかりだょ」