つれズレ愚抄

つれ：「北朝鮮共産党大会が３６年ぶりのココロは、要するに三代目の委員長襲名披露ってことなのかねぇ」

 
ズレ：「単にダミ声の長広舌を唸るだけなら、国民が食うや食わずの中でああも大仰な舞台を設えることもないだろうよ」

 
つれ：「そういう内情を隠すためか厳戒態勢で外国メディアに神経を尖らすあたりは、さしずめ警察の介入を警戒する極道の盃事みたいだよねぇ」

 
ズレ：「核武装をひけらかしつつ大粛清を自慢する一方で破門した筈の幹部にまた金バッジを与えたりと生殺与奪の権勢を誇示するなんざ、今度の親分さんは累代を上回る武闘派っぽいやな」

 
つれ：「或いは逆に以前なら秘匿してた暗部まで晒して権威付けしないことには統制が利かなくなってるてぇ可能性もありゃしないかぃ」

 
ズレ：「いずれにせよ功を急いて実力行使を繰り返すようだと、先代名跡の重圧から闇雲に事を構えて自滅の道を辿った武田勝頼公の二の舞ってこともあるかもなぁ」

 
つれ：「あちらの先代は信玄公のように３年死を秘せとは遺言なさらなかったようだしねぇ・・」

 

つれ：「またもやセンテンススプリングさんに首根っこを押さえられたせいか、都知事さんは強弁から一転して公用車使用を断念したようだねぇ」

ズレ：「海外視察でのファーストクラスにはまだ拘ってる辺りから察するに、本音とすりゃ未練タラタラっぽいやな」

つれ：「国際政治学者の肩書もお持ちなだけに、パナマ文書の風向きも読んでルールに則ってると言い張るのは得策じゃないと転向なさったのかもよ」

ズレ：「タックスヘイブンは国際法規の空白に乗じた格好らしいけど、ルールに則る弊害ってことなら震災義捐金を受け取ると生活保護が打ち切られるとかの方が深刻だぜ」

つれ：「義捐金で焼け太りする訳じゃなし、生活を再建する義捐金と生活を維持する生活保護が並び立たないってなぁ法制本来の目的を違えてる感じだよねぇ」

ズレ：「権力者の専横を封じるべき法治主義も制度疲労してくると、為政者の怠慢放埒や思いやりの無さを糊塗する隠れ蓑に変り果てるようだわな」

つれ：「消費増税の餓鬼に身ぐるみ剥ぎ取られた上に法治主義の建前地獄で困窮を放置されるんじゃ、パナマがヘブンなら日本はさしずめタックス・ヘルてなもんかぃ・・」

つれ：「リオ五輪は財政難から聖火リレーを辞退する自治体が続出してるそうだよ」

 
ズレ：「東京五輪の頃には本邦も同じ轍を踏んでないとは限らねぇぜ」

 
つれ：「ブラジルの大統領さんと同様に、アベノミクス失政の景気低迷で時の首相が弾劾されるとでも言う気かね」

 
ズレ：「震災支援をボランティアに頼り切ってるようじゃ、既に国力が相当弱体化してる証左なんじゃねぇのか」

 
つれ：「GW終了と同時にボランティアが激減して現地が難渋してるなんて聞こえてくるに、おカミの制度的な無策ぶりや如何にてぇ気にはなるけどさ」

 
ズレ：「震度７連発なんて想定を超えた事態も起きるとなればそれ以上の惨禍も有り得る理屈で、今は何よりそういう災害への対応力を示すのが一番の国威発揚っぽいぜ」

 
つれ：「少なくとも聖火リレーの心配よりは災害支援リレーを組織化する方が急務だろうねぇ・・」

 

つれ：「オートレース発祥の船橋が閉鎖になった一方で、川口は周辺環境に配慮したナイターレースが人気を博してるんだってさ」

 
ズレ：「一見枯渇してるようでも諦めず、工夫を凝らしてニーズを汲み上げりゃ起死回生の途はあるてぇ美談のようだわな」

 
つれ：「ホンダさんの大型オフロードバイクが想定を遥かに上回るバカ売れってのもそのノリかぃ」

 
ズレ：「一時の売れ行き不振でメーカーの方はあっさりオワコンにしたものの、ユーザーの方には新型を待ち望むニーズが密かに脈打ってたってこったな」

 
つれ：「金と時間に余裕ができたリターンライダーが青春を回生するにはちょうどお手頃な買い物かもねぇ」

 
ズレ：「事ほど左様にキメ細かく人々の欲求を掘り起こしてきゃ、日本経済も十分に回生の余地はあるんじゃねぇか」

 
つれ：「この際だからミツビシさん辺りからはせせこましい燃費なんぞ度外視した小気味のいいスポーツカーなんぞを出して貰いたいねぇ・・」

 

つれ：「いよいよトランプ大統領の登場がかなり現実味を帯びてきたみたいだよ」

ズレ：「選挙民に諸々不満の火種がくすぶるほどに威勢のいい物言いの御仁がウケに入るのが民主政治のお約束だからなぁ」

つれ：「国粋主義的発言が一般大衆に支持されてるようで、よもやヒトラーさんのように民主的に独裁者になったりはしないだろうねぇ」

ズレ：「原爆投下を決めたトルーマン大統領をガッツがあると称えるお国柄だけに、弱腰と叩かれるのを嫌うあまりに強面がエスカレートする懸念はありそうだぜ」

つれ：「米軍駐留費全額を現地国に負担させるなんてのも、後付けで世界侵略を達成するのと同然だしねぇ」

ズレ：「図らずもそれが恭しく駐留していただいてるのか渋々駐留させてやってるのかの試金石になる以上、日本政府にも毅然としたところを見せて貰いてぇやな」

つれ：「誰が大統領でも日米同盟を強化するてぇ安部総理早々の秋波から察するに、消費増税分もそっくり米軍に上納しようてぇハラはとうに決まってるんじゃないのかぃ」

ズレ：「そんな弱腰でも首相の座は安泰なくらい、日本国民の不満レベルにはまだ相当のゆとりがあるってこった・・」

つれ：「東京五輪の前景気ってことか、花の巴里でジャポニズム２０１８てぇ博覧会を開くんだってさ」

 
ズレ：「五輪だけでもお荷物になりそうな昨今、前景気ってより痩せ馬の先走りになりゃしねぇか」

 
つれ：「数か月に亘って日本文化を喧伝すりゃ相応のセールスにも繋がるだろうに」

 
ズレ：「いわゆるクールジャパンと総称されるジャンルは既に海外でも需要は定着してるようで、この時期におカミがテコ入れする費用対効果はいかがなもんかてぇことよ」

 
つれ：「その頃までに東日本や熊本地震の傷が癒えないようなら、確かにもっと注力すべきことはありそうだよねぇ」

 
ズレ：「保育士給与を２％上げるの第二子以降扶養手当加算を倍増するのってのもいかにも逐次投入の焼け石に水っぽいし、そんな総花的な肝煎りを続けてるだけじゃ文化はクールでも社会はいよいよコールドゲームに追い込まれちまうぜ」

 
つれ：「今やエースのアベノミクスはノーコンの四球押し出しで抑えが利かず、クロダバズーカ打砲も湿りっ放しで快音はからきし聞こえてこないからねぇ・・」

 

つれ：「確実視されてた豪州の潜水艦受注は、土壇場でフランスさんに油揚げを攫われたんだねぇ」

 
ズレ：「むしろ軍事機密が流出せずに済んで結果オーライてな負け惜しみも聞こえてくるけどよ」

 
つれ：「やっぱり日本の生きる道は小型ドローンがゴルフ場でケータリングするみたいな民生技術かねぇ」

 
ズレ：「楽天さんにその気はなくとも、運用技法を練磨してきゃ大型ドローンに勝るとも劣らない立派な軍事技術にもなりそうだぜ」

 
つれ：「X線衛星の連続失敗とか大物はダメージも大きいし、小さいことからコツコツと積み上げてこそのお家芸ってもんかぃ」

 
ズレ：「迂闊に正面装備市場に殴り込んでも先進商売敵の返り討ちに遭うだけとなりゃ、下町ロケットよろしく転用可能な技術に職人芸を注ぎ込んでそうと気取られないように軍事産業中枢の実効支配を狙ったらどうでぇ」

 
つれ：「表立って銃は作らない代わりに癌のように浸潤しようたって、ご注進メディアが花盛りじゃ早期発見早期撃退されそうだけどさ・・」

 

つれ：「都知事バッシングには橋下居士も参戦して一層賑わってるみたいだよ」

 
ズレ：「週末に別荘の風呂で足を伸ばそうとそれを公用車で送迎しようと、企業の大将なら全く騒ぎにはなるめぇに」

 
つれ：「それが都民の血税を費やしてとなれば、自ずから話も違ってくるんじゃないかぃ」

 
ズレ：「それにしたって微々たる額で、そんなに税金を惜しむなら早いとこ東京五輪ボイコットのムーブメントを起こしゃ莫大な節税になるのによ」

 
つれ：「そっちには経済波及効果てぇ大きな余禄があるだろうにさ」

 
ズレ：「誘致の頃のバラ色の夢も今は昔でそのアテが外れて膨大な負債を抱えかねないし、それを言うなら公用車の運行や別荘の光熱費の積み重ねだって小知事が閑居して不善を為すよりゃよほど小さくとも確実な経済波及効果はあろうてもんでぃ」

 
つれ：「１００円と９８円の違いには眦を決するものの、０が多く付くほどに算盤を弾けなくなるのが庶民の悲しさってことかぃ・・」

 

つれ：「センテンススプリングさんは飛ぶ鳥落とす勢いなら、シジュウカラは鳴き声の単語で文章を作ってるそうだよ」

 
ズレ：「未だ人間が実証できてないってだけで、凡そ生きとし生けるものには須らく意思疎通の手段が備わってると考える方が正解なのかもしれねぇぜ」

 
つれ：「万物の霊長意識の刷り込みが強過ぎて、人間以外の生物をナメきってるってのかぃ」

 
ズレ：「文明社会を築いたのは人間だけったってその人間は悪性新生物や微生物に軽くヒネられちまうし、社会ってことなら蟻や蜂の方が秩序立った社会性でよほど繁栄してるんじゃねぇか」

 
つれ：「聖書やら論語やらが依然として有難味を失わないのは、いくら文明が発展しても人間自体は全く進歩してない所以だろうしねぇ」

 
ズレ：「何千年と掛けてもそういう古典を体得できないほど頭は始終カラっぽだってのに、のぼせ上って地球の主みたいな勘違いで好き放題してきたツケが今の国際紛争や環境破壊に回ってるとも言えらぁな」

 
つれ：「バベルの塔が神の怒りに触れた折に、言葉を乱すんでなく鳥の鳴き声に変えて貰やぁ良かったのかねぇ・・」

 

 
ズレ：「華麗なる大逆転なんて活劇めいた邦題からすると痛快に陰謀や欺瞞を暴く喜劇仕立てのような印象を受けるものの、説明台詞部分にはコメディタッチのくすぐりこそ鏤めてはいても大筋としてはThe Big Shortてぇシンプルな原題にマッチしたストレートなドキュメンタリーだわな。
サブプライムローン自体の仕組みはもう一つ呑み込めないながらも一度欲望が転がり出すとさらなる欲求を産み出して限界まで膨らんだところで破裂するてぇ図式は本邦の不動産バブルの例から得心の行くところで、喉元過ぎれば性懲りもなくまた繰り返すバブルのタネは尽きまじなんだろうよ。
全編に亘ってハードロックが鳴り響くのは主人公の一人のキャラ表現の所以かと聞き流していたのが最後のトドメにLed ZeppelinのWhen the Levee Breaksを持って来られるとこれほどストーリーと楽曲がビシッとハマるのはかつて記憶になく、向後はヘヴィーなリフが耳に入る都度バブルを思い起こそうてぇほどに刷り込まれちまったぃ」