つれズレ愚抄

つれ：「バスやトラックの運転手さんには睡眠不足のチェックも義務付けられるんだってさ」

 
ズレ：「趣旨は大いにもっともながら、実際の運用は難しいんじゃねぇか」

 
つれ：「アルコールなら手軽なチェッカーも出回ってるものの、寡聞にして睡眠不足判定器なんてなぁ存じ上げないよねぇ」

 
ズレ：「自己申告に頼らざるを得ないとなると、乗る方も乗らせる方も相変わらず無理が続きそうだわな」

 
つれ：「双方に休業補償がセットになってりゃいざ知らず、根性論で無理するのも日本人の勤勉性のうちだからねぇ」

 
ズレ：「やたらと規制を設けるのもお役人の勤勉性の所以だろうけど、権威を振りかざして実効性のないルールを押し付けるのは単なる責任逃れも同然だぜ」

 
つれ：「一旦作った規制を緩和するのに権威を振り回すのも、お役人の勤勉性の所以なのかねぇ・・」

つれ：「ようやく野党が審議サボタージュから復帰したものの、その条件だった参考人招致は相変わらずお粗末だったねぇ」

 
ズレ：「犬も喰わない喧嘩みたいに難癖付けてるだけじゃ、当の官僚にも鼻で嗤われちまうわな」

 
つれ：「おそらくは先生方より忙しそうなエリート官僚ともなれば、細かいことまで一々覚えちゃいられないだろうしねぇ」

 
ズレ：「当時は格別世間の耳目を集める大問題じゃないからには地方の木っ端役人なんぞ中央官僚の眼中には入らず、リップサービスで首相案件くらいのことを口に出しても言った先から忘れてるんじゃねぇか」

 
つれ：「当時から大きな課題だった愛媛県サイドとすりゃ、すわ神風かと強く記憶に残るのは当然だよねぇ」

 
ズレ：「野党にだって天下の秀逸はいらっしゃるなら、水掛論的な揚げ足取りでなくもそっと理知的な議論で攻め立てたらどうでぇ」

 
つれ：「事業仕分けの頃からそれが出来るくらいなら、今でも民主党政権が続いてたかもよ・・」

つれ：「トランプさんの平和賞ノリからてっきり板門店かと思いきや、米朝会談はシンガポールに決まったんだねぇ」

 
ズレ：「トランプ発言を逆読みすりゃ、下交渉の具合がその場で祝典モードに入れるような状況じゃなくなったってことじゃねぇか」

 
つれ：「雲行きが怪しい中での板門店じゃ、その場でヒットマン襲撃モードに入りかねないとビビッてるってのかぃ」

 
ズレ：「なんぼ何でもそんな手荒な歓迎はあるまいけれど、南北融和でアウェイ感が漂う朝鮮半島よりは英語圏のマレー半島突端の方がホーム感覚で安心なんだろうよ」

 
つれ：「本交渉は望み薄ってんで、北に拘束されてた米国籍お三方の解放で早くも大いに成果を吹聴してるのかねぇ」

 
ズレ：「下手を打つと確実視されてた朝鮮戦争終結はもとより、そもそもの非核化からポシャっちまうかもしれねぇぜ」

 
つれ：「そんな時に日本の拉致解決まで期待するたぁ、見当違いも甚だしいてなもんだよねぇ・・」

つれ：「時節柄注目された日中韓サミットは事務連絡以上の目ぼしい成果はなかったみたいだねぇ」

ズレ：「安倍さん的にはホスト国として他生でも存在感をアピールできただけで重畳ってとこさな」

つれ：「非核化は既定路線をなぞるだけで拉致解決は相変わらずの他力本願じゃ、三代目に直で言ってこんかぃとオチョくられるのも無理ないよねぇ」

ズレ：「内外共に手詰まり状態なんだから、いっそのことそれならお言葉に甘えてとばかりに単身北にカチ込むくらいのパフォーマンスに打って出たらどうでぇ」

つれ：「米朝会談への関心が高まってる最中にそんな動きをしたって、植木等先生のお呼びじゃないになるのが関の山だょ」

ズレ：「天は自ら助くる者を助くってもんで、敢えてこの時期に行動してこそ世界がアッと驚くアベシンゾーにならぁな」

つれ：「それで事が上手く運ばなくても、ガチョーンでオチが付くならいいけどさ・・」

つれ：「三代目が習皇帝の許に飛んだのは、トランプさんのイラン核合意破棄を睨んで師事を仰いだのかねぇ」

ズレ：「朝韓融和イベントの盛況を羨んでこっちにもまた顔を出せと呼びつけただけなんじゃねぇか」

つれ：「それで乗り鉄の三代目が列車を仕立てる間も惜しんで飛行機で馳せ参じたのかねぇ」

ズレ：「当然イラン合意の当事国として三代目の背後から存在感を顕す示威効果も狙ってるんだろうけどよ」

つれ：「欧州はイランさんとの合意を維持したがってるんだから、わざわざ中国さんがアメリカさんに釘を刺す意味はなさそうだけどさ」

ズレ：「イスラエルさんの顔を立ててトランプ親分がユダヤ資本の支持を固めるんなら、習皇帝としても華僑の元締を以て任じるからにはそれを牽制しない訳にはいくめぇに」

つれ：「あれほど世界を騒がせた三代目も既に使いっ走たぁ、核は放棄と言うだけで力が失せるようだねぇ・・」

つれ：「セクハラ撲滅の嵐はノーベル文学賞まで吹き飛ばしたんだってさ」

ズレ：「大昔から当たり前のように存在したことが今になってそこまで大問題になるてなぁ、それ自体が文学のテーマっぽいやな」

つれ：「大半は女性が被害者なんだから、それだけ女性が自己主張できる世の中になったんじゃないかぃ」

ズレ：「或いはもう黙っちゃいられないってくらい、格差社会プレッシャーの反動からセクハラの度合いが増してるのかもしれねぇぜ」

つれ：「バブル華やかなりし頃なら、むしろ巧みにセクハラを手玉に取ってオイシイ目を見る達者な女御もいらっしゃったのにねぇ」

ズレ：「職場のメンタル対策も一向に追い付かないストレスだらけの当世じゃ、自ずから許容できるセクハラのレベルも下がるだろうしよ」

つれ：「する方もされる方もセクハラの沙汰はストレス次第てぇ構図かねぇ・・」

つれ：「三代目とは手打ちムードになったせいか、今度はイランさんの核開発への風当たりが強くなってるねぇ」

 
ズレ：「世界の中心が欧米である限り、極東より近い中東の核に神経を尖らせるのは当然だろうよ」

 
つれ：「詳しい事情は分からないものの、イランさんは三代目の花火ほどあからさまな核武装を進めてるようには見えないけどねぇ」

 
ズレ：「核保有国も自ら削減に努めてるならいざ知らず、核クラブの権勢を保つために核新参国を弾圧してるようにも映るわな」

 
つれ：「周辺大国の荒波に揉まれてるフィリピンのドゥテルテ大統領が三代目をヨイショしてるのも、横暴な大国を右往左往させる手際に感銘すればこそだろうねぇ」

 
ズレ：「未だに経済大国の幻影に安閑としてる日本もとうに三方の大国に翻弄される一小国なんだから、９条改憲の禅問答なんぞよりトランプさんの言質を盾に核武装に乗り出すくらいの手練手管を繰り出したらどうでぇ」

 
つれ：「差し当たっては核除染土のフレコンパックをあちこちに飛ばせるような風船爆弾でも準備しとくかぃ・・」

つれ：「イチロー選手の異例な待遇は実質的には引退ってことなんだろうねぇ」

 
ズレ：「来シーズンの編成によっちゃ現役復帰もあるみたいだぜ」

 
つれ：「そうまでしてイチロー選手への敬意を表する球団の厚遇は多とするものの、日本復帰の目がなくなるのは残念だよねぇ」

 
ズレ：「今シーズンはもう出場機会がないとはいえ即復帰できるトレーニングは続けるそうだから、どこであろうとまたフィールドで活躍するお姿を拝見したいもんよ」

 
つれ：「そうなりゃますますイチロー選手のレジェンドぶりに磨きが掛かるねぇ」

 
ズレ：「願わくは球界だけでなく、日本の政界にもそんなレジェンドが現れて欲しいもんだわな」

 
つれ：「時の首相を思い返すだに、ここ久しく現役復帰は御免蒙る方々ばかりだからねぇ・・」

つれ：「三国会談だのTPP勧誘だのと、安倍さんも存在を示すべく色々と画策してるようだねぇ」

ズレ：「毒を以て毒を制すが如く、内憂の手詰まりを外患で逸らすのが権勢の常道ってこった」

つれ：「国内じゃモリカケ騒動は七十五日としても、金看板だったアベノミクスはすっかり鳴りを潜めてるからねぇ」

ズレ：「期限を撤廃してもなお２％物価上昇のお題目を撤回しないのが、せめてもの悪あがきなんだろうけどよ」

つれ：「安倍さんが一押ししたバズーカは口切の一発だけで、その後は水鉄砲ほどの威力もない尻すぼみだよねぇ」

ズレ：「そもそもそんなに容易く人為的に物価をコントロールできるなら不景気だってたちどころに解決できる理屈で、そんな身の程知らずより人知の及ぶ談合解禁でもした方がよほど景気回復の役に立とうてぇもんでぃ」

つれ：「うっかり神の見えざる手に触れるたぁ、安倍さんも政権復帰に浮かれてバベルの塔みたいに舞い上がってたのかもねぇ・・」

つれ：「銘器で名高いギブソン破産てぇニュースには、往年のギター小僧諸兄も驚いたんじゃないかぃ」

ズレ：「余分な事業は放棄して本業の楽器製作は継続するそうだから、ギブソンファンにはむしろ朗報かもしれねぇぜ」

つれ：「一時は多角化の営業拡大がしきりに持て囃されたけど、失敗例も少なくはないみたいだよねぇ」

ズレ：「自ずから分てぇもんを弁えなけりゃ、高転びに転びけるのは人も企業も同じってこった」

つれ：「今を時めくジャニタレビックネームの不祥事も、酒に呑まれて分を忘れた所以かねぇ」

ズレ：「プロダクションサイドが華々しく謝罪イベントを開くのは人気商売の本分としても、それを必要以上に大きく扱うのはメディアの方が分を忘れてやしねぇか」

つれ：「本分の地道なニュースからウケ狙いのワイドショーへ多角化を図ったばかりに、どの局も金太郎飴で視聴者のTV離れが進んでるのかもねぇ・・」