”スローライフ滋賀” 

滋賀ー岐阜県境の方言分布、地形が影響 杉崎好洋さんが調査報告書出版(名古屋)

 アマチュア方言研究家の杉崎好洋さん(名古屋市南区)が岐阜、滋賀県境付近の地域で、東西の方言がどのように入り交じっているかを調べた報告書「東西日本境界地帯の方言」を自費出版した。

 滋賀県境地域で高齢者らから丹念に聞き取りを実施。滋賀県方面に向かって峠や山を越えるたびに、岐阜県大垣市周辺で使われる「大垣方言」の影響が徐々に弱まっていくことを明らかにしている。

 杉崎さんは大垣市出身。名古屋市の大学に進学した際、同じ東海地方でも大垣市と名古屋市では方言が違うことに興味を持ち、20代半ばから独学で方言研究を始めた。
 50代となった2012年からは、日本の東西の方言の境界地帯とされる岐阜、滋賀県境地域の方言調査に取りかかった。
大垣市から彦根市にかけての旧中山道沿いの地域を中心に36地点、45人の高齢者らと面談。各地点で使われている単語、文法、尊敬表現を聴取した。

 今年9月に出版した報告書では、大垣方言が、滋賀県方面にどのように波及しているかの視点でまとめた。
方言分布は、大垣市から岐阜県関ケ原町の今須(います)峠までが「大垣方言」、今須峠から県境までは関ケ原町今須周辺で使われる「今須方言」、県境から米原市のかぶと山までは長浜市周辺で使われる「湖北方言」、かぶと山以西は彦根市周辺で使われる「湖東方言」に大別できるとしている。


 今須峠、県境、かぶと山の3地点が主な境目となり、西に行くほど大垣方言との共通性が段階的に希薄になるとも分析。
 滋賀県内でも岐阜県に近い地域で使われる湖北方言は、大垣方言同様にアクセントが東京に近いほか、大垣、湖北とも来る」の尊敬表現に「ござる」「みえる」を使うなど一致点が多い。

 一方、滋賀県内でも岐阜県から少し離れた地域で使われる湖東方言」は関西のアクセントで、大垣方言と共通する単語が減るとしている。


 調査開始から11年がかりでの報告書完成に、杉崎さんは「方言の分布は地形の影響を色濃く受けることが分かった。方言研究はパズルを解くようなワクワク感があって楽しかった」と語った。

 報告書はB5判、258ページ。3630円で長浜市大宮町の文泉堂やアマゾンなどのネット通販で販売している。

<中日新聞より>

 滋賀県は内陸県で地理的にも歴史的にも京都(関西)、福井(北陸)、岐阜(東海)の影響を受け、滋賀県の方言もこれらが混じっている。
今回の調査は岐阜方面だが京都、福井方面も調べれば更に面白いだろう。(ブログ筆者)

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