”スローライフ滋賀” 

近江鉄道“上下分離”へ 滋賀県・市町の管理団体が初総会

 

 2024年度からの導入へ準備が本格化する。赤字経営が続く「近江鉄道」について、鉄道設備の維持・管理を県や沿線市町が担う「上下分離方式」への移行に向け、12月27日、初めての総会が開かれた。



 滋賀県の他、東近江市や彦根市など近江鉄道の沿線10の市町で構成する「一般社団法人 近江鉄道線管理機構」。来年1月中旬の設立に向け、12月27日、初めての総会が東近江市役所で開かれ、社員である知事、沿線市町の市町長、同管理機構代表理事である東近江市副市長、理事の東近江市、彦根市、近江八幡市、甲賀市、日野町、県の担当部長級職員、監事の愛荘、豊郷町の監査委員らが出席。三日月大造知事は挨拶で「いよいよこの日を迎えた。同時に『さぁ、これからだ』という気持ち」と意気込みを語った。


 議案としては、事務所の所在や目的、決議などを定めた定款や、2022年度事業計画と予算、規則と規定など5件が提案され、原案通り承認された。
 管理機構の構成は、滋賀県と沿線5市5町で、代表理事は東近江市副市長が務める。事務所は運行を担う近江鉄道との連携を密にするため近江鉄道本社(彦根市)敷地内に置く。業務は2023年4月に開始。
 近江鉄道から線路や車両、駅舎などの無償譲渡を受け、滋賀県と10市町が折半して補助する予算を修繕費と管理費に充てる。市町分の持ち出しは、駅数や営業距離、利用者数で案分し、東近江市が最も多い約4割を分担する。
 1994年以降、28年連続で鉄道事業が赤字となっている近江鉄道。2024年度からは、滋賀県や沿線市町が鉄道設備を維持・管理する「上下分離方式」への移行が決まっている。


 再構築に向け、本格的に動き出した準備。三日月知事は、「きょうが“出発点”」とした。滋賀県と市町の「近江鉄道線管理機構」は来年、4月に業務を開始し、12月ごろに実施計画を国に提出する予定。


 総会ではこのほか、滋賀県産材を活用した木製看板3枚(管理機構社名、太郎坊宮前駅名、鳥居本駅名)が農林中央金庫から寄贈された。

<びわ湖放送、滋賀報知新聞より>
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