バスケットボールB2の「滋賀レイクス」は、5月11日と12日に大津市で行われた「プレーオフ」の準決勝で、「山形ワイヴァンズ」に2連勝し、1シーズンでのB1復帰を決めた。
レイクスのB1復帰を応援しようと、大津市の滋賀ダイハツアリーナには過去最多の4600人あまりが集まり、会場は立ち見席も含めて満席となった。入り口には試合開始の2時間以上前から大勢のファンが駆けつけ、入場を待つ長い列ができていた。
栗東市から夫婦で訪れた60代の女性は、「5月11日の試合を見て、今日も絶対に勝てると信じて応援に来ました。復帰を決めて欲しい」と話していた。
野洲市から家族で訪れた小学6年生の男の子は、頭に「必勝」と書かれたチームカラーの青色のはちまきを巻いて、「勝ってB1に復帰してもらえるように応援します。ゴー、レイクス!」と話していた。
「プレーオフ」は、トーナメントの戦いで、B1に参加できるライセンスを交付されている上位2チームが、B1に昇格することになっている。レイクスは東地区3位の山形ワイヴァンズをホームに迎えて準決勝2試合を戦い、5月11日は91対86で、12日は97対74で連勝した。この結果、レイクスの1シーズンでのB1復帰が決まった。
レイクスは、去年、チーム発足以来初めてB2に降格し、最短の1シーズンでのB1復帰を目標にしていた。
試合が終了した瞬間、会場にいた観客たちは一斉に立ち上がり、「B1復帰」と書かれた紙を頭の上に掲げ、喜びを表現していた。また、中には涙を流すファンの姿も見られた。
試合後に開かれたセレモニーでは、滋賀レイクスのダビー・ゴメスヘッドコーチが「今シーズンは色々なことがあったが、転んでもその度に立ち上がり続けたからこそ、B1に戻ることができたと思っている。滋賀とレイクスを愛しています」と話した。
また、キャプテンの柏倉哲平選手は「アウェーの試合をチームカラーの青に染めるファンのみなさんを見て、“絶対に1年でB1に戻る”という強い気持ちを持って今シーズンに臨んだ。B1に復帰できたのは僕たちから離れずに熱く応援してくれたみなさんのおかげです」と観客に感謝の気持ちを伝えていた。
母親と観戦に訪れた大津市の20代の女性は「今シーズンは毎週のように応援に通い続け、選手たちと一丸となって戦っているような気持ちだった。復帰が決まったときは涙が出ました」と話していた。
また、10代の娘2人と訪れた母親は「10年以上、レイクスを応援してきたので、復帰してくれて最高の気持ちです。試合後の選手たちの言葉から、強い気持ちを持って戦ってきたことや、ファンを思ってくれていることが伝わってきて、胸がいっぱいになりました。レイクス、本当におめでとう」と話していた。
試合後の記者会見でダビー・ゴメスヘッドコーチは「去年、B2への降格が決まったときは人生で最悪の気分だったが、今日は復帰が決まり最高の気持ちだ。プロの世界で勝つのはとても難しいことだが、家族のようにお互いに助け合いながら戦ってきたことで成し遂げられたと思う」と復帰の喜びを語った。
また、キャプテンの柏倉哲平選手については「けがをしていて万全の状態ではなかったが、きょうは全力を出してくれた。柏倉選手は素晴らしい人間性を持った偉大なキャプテンだった」と話した。
その柏倉選手は、「今シーズンは何度も試練があり、求める結果は簡単にはついてこなかったが、チームメイトとともに我慢強くやりきって昇格を決めることができ、とてもうれしい。今まで調子が悪かった選手もきょうは力を爆発させていたのは、日頃からやるべきことをやり続けた結果だと思う」と話した。
そして、試合の勝因を聞かれると「相手はスリーポイントシュートの割合が高いチームなので、プレッシャーをかけて簡単に打たせないチームディフェンスができたことが大きいと思っている」と話していた。
<記事・写真: NHK大津より>