大相撲九州場所(福岡国際センター)13日目の11月22日、近江八幡市出身の西序の口12枚目、「号の子(ごうのうみ)」(20)=本名斉藤瞬佑、武隈部屋=が「序ノ口優勝」した。
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序二段の霧乃華(荒汐部屋)との対戦。立ち合いから押し込むと、右上手を引いて危なげなく寄り切り、7戦全勝とした。昨年の九州場所は幕下まで番付を上げていただけに「ほっとはしたけど、優勝したという実感はない」と複雑な表情だった。
埼玉栄高で高校横綱に輝き、昨年1月の初場所で初土俵を踏んだ。今年の初場所で左膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負い手術。先場所途中で復帰し、全7番の相撲を取り切るのは6場所ぶりだった。
左膝にはサポーターが欠かせないが「膝はまだ万全じゃないけど動いてくれている。常に前に出る相撲で早く上の番付に戻りたい」と意欲的だった。
「うれしい。ほっとした」滋賀県内関係者
近江八幡市出身の「豪ノ湖」が序ノ口優勝し、滋賀県内の関係者から喜びの声が上がった。
小学6年から中学卒業まで、長浜相撲クラブ(長浜市)に電車で通って練習を重ねた。指導したクラブの田中敦司代表は「うれしい。ほっとした」。優勝が決まると、すぐに「良かったな」とLINEを送った。今も場所ごとに連絡を取り合い、今場所は初日に「頑張ります」と言っていたという。
当時は負けたときの悔しがり方が尋常でなく「この子はちょっと違うな」と思っていたという。「彼の力からしたら、こんなものじゃない。本人もまだ喜べる段階じゃないかもしれないが、順調に再スタートを切れて良かった」と喜んだ。
中学が同じで、同クラブに一緒に通った1学年下の大学生、斎藤匡弥さんは、休場が続いて気になっていた。「今場所に懸けていたんだろうなと思って見ていた。ようやく結果が出た」。練習の行き帰りにいろんな話をした思い出があり、「当時から高校生相手にいい相撲を取るほど強くて、本当に優しい。相撲にすごく熱心な人」とたたえた。
<記事・写真:中日新聞より>