夏の甲子園での第104回全国高校野球選手権大会で、滋賀代表の「近江」は8月20日、準決勝で山口代表の「下関国際」と対戦し、2−8で敗れた。
準優勝した2001年以来21年ぶりとなる決勝進出は果たせず、2年続けての4強となった。
↑写真:中日新聞より
準々決勝まで512球を投げた山田陽翔(はると)主将(3年)が先発。
1回に適時打を浴びて先制を許すと、3回には暴投で1点を失った。直後の攻撃で津田基選手(3年)がチーム最初の安打で出塁し、清谷大輔選手(2年)の右中間への適時3塁打で1点差に。山田主将の3塁ベースに当たる適時2塁打で追い付いた。
山田主将は走者を背負いながら、粘りの投球。併殺や三振で切り抜けた。6回に四球を続けて出し、適時2塁打を浴びて2点を勝ち越される。7回にも犠飛で失点し、星野世那投手(3年)に交代した。打線は4回以降、満塁の場面もあったが、後が続かなかった。
選手の努力素晴らしい
近江・多賀章仁監督
山田主将の状態が良くなく、終盤の勝負を覚悟した。4、5回の投球を見て持ち直すと思ったが、6回の2失点で、疲れがたまっていると感じた。今日の敗北より、4強まで勝ち上がった全員に感謝したい。彼らの努力は素晴らしかった。
四球の多さ負けに直結
近江・山田陽翔主将
序盤から流れに乗れなかったが、力を入れる場面で三振を取れた。四球が多いことが負けに直結した。近江で日本一になろうと入学し、楽しく充実した2年半だった。仲間と一緒に笑って終わりたかった。支えてくれた仲間に感謝したい。
送りバント難しかった
下関国際・坂原秀尚監督
大阪桐蔭に勝った後、選手の目つきがさらに変わった。成長に驚いている。山田主将は魂でボールを投げてきて、打者を打ち取る能力がある選手。走者を出しても変化球で空振りを取られ、なかなか送りバントをさせてくれなかった。
しぶとく食らいついた
下関国際・仲井慎投手
決勝に進めてうれしい。ピンチでも絶対に点をやらないという気持ちで投げた。山田君は球が速く、変化球もいい投手。バットを短く持ち、しぶとく食らいついていこうと臨んだ。全国制覇が目標。絶対に勝って優勝したい。
地元はねぎらいと来年に期待の声
近江高野球部の先輩や地元彦根市の人らは、決勝進出に一歩届かなかったナインをねぎらい、来年の活躍を期待した。
「近江」の地元・彦根城では、ゆるキャラ「ひこにゃん」が「祝 近江高校 ベスト4おめでとう!」と書いたパネルで観光客にナインの活躍をアピールし、健闘をたたえた。
<中日新聞より>