2024年度から公設民営の「上下分離方式」を導入して全線存続する近江鉄道をめぐり、「近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会」(会長=三日月大造滋賀県知事)が3月29日、東近江市役所で開催され、2022年度の事業計画と予算が承認された。 ↑写真:滋賀報知新聞より 上下分離方式は、自治体が駅舎や車両、線路などの施設を保有・管理し、鉄道事業者が運行に専念するもの。 近江鉄道線の場合、滋賀県と沿線10市町が「下」の施設を保有・管理し、近江鉄道が「上」の鉄道運行などを担う。 新年度計画では、滋賀県と沿線10市町で構成する鉄道施設管理団体「(仮称)一般社団法人近江鉄道線管理機構」の12月設立を決めた。理事会を県と6市町で構成し、代表理事は沿線の駅数などで費用負担が最も多い東近江市。事務所は彦根市内に置く。 また、新年度から県と沿線市町の負担金が整備修繕などで大幅に増え、滋賀県が3億3千万円、沿線市町は計3億4千万円を負担する。この他、主な事業は、安全運転を確保するため線路の枕木のコンクリート化と道床交換、定期券購入のキャッシュレス決済導入など。 更に協議会の冒頭で、近江鉄道の飯田則昭社長から、列車脱線事故2件の謝罪と再発防止策の説明があった。 それによると、昨年12月27日に岡道踏切道脱線事故(彦根市)は、踏切道にて自動車の通行で圧雪された雪に車輪が乗り上げたとみている。試運転のため乗客はいなかった。 今年2月7日、多賀線高宮構内(同)で発生した脱線事故は、駅手前のカーブを走行中、1両目と2両目の一部の車輪が脱輪。乗客約100人が乗車していたが、けが人はなかった。原因は、枕木とレールを固定する金具の不良と推定している。 再発防止策として線路の枕木のコンクリート化を行う。さらに親会社の西武鉄道からの支援チームが、点検の手法を再検証している。 この他の議論では、平尾道雄米原市長が施設への投資・修繕について自治体の負担が「青天井にならないか」と懸念した。 これについて協議会後の会見で、会長の三日月滋賀県知事は「安定的に費用を工面できる体制をつくる」と述べ、副会長の小椋正清東近江市長は「枠組みをつくり、予測できないことはケースバイケースで対応する」とした。 <滋賀報知新聞より>
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