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額田王祭 献詠歌の特選・入選決まる 市神神社(東近江市)

 「額田王祭」がこのほど、「市神神社」(東近江市八日市本町15-4)で開かれ、神社の関係者や献詠歌(短歌)の特選・入選者ら約25人が参列した。

 同祭は、天智天皇7年(668年)5月5日の蒲生野遊猟を記念して毎年行われているもので、このとき、宮廷歌人の額田王(ぬかたのおおきみ)が有名な相聞歌「あかねさす紫野行き標野(しめの)行き野守は見ずや君が袖ふる」を詠んだ。
 献詠歌は、滋賀県内外80首の応募のうちから特選3首、入選8首が選ばれ、当日は選歌の披露と表彰、歌人で選者の畑谷隆子さんの講評が行われた。

なお、特選と入選の献詠歌は次の通り。敬称略
 【特選】
 ▽「小さき手に人差し指をつつまれて命のぬくもり伝えあう朝」 北村富子(彦根市)
 ▽「紫野標野はなべて水張田に丘をのぼりてよすがを探す」 根本秀行(大津市)
 ▽「薇(ぜんまい)も蕨(わらび)も濡れた地方紙にくるまれ届く蒲生野の幸」 濱岡学(宇治市)

 【入選】
 ▽「田打ち終えトラクター行く舗装路に泥こぼされて日向に匂う」 田中とき(浜松市)
 ▽「琵琶湖へと流るる川をかすめゆき二羽の燕は天へ飛翔す」 西村愛美(岡崎市)
 ▽「市神の杜に鎮もる師の歌碑に残る思慕あり春の陽炎」 柴田弥蔵(長浜市)
 ▽「車椅子を夫(つま)に押さるる雪野山『妹背の里』は桜に満ちて」 大野恵子(東近江市)
 ▽「あくびするように大きく開きたるチューリップより蝶の飛びたつ」 河口香(東近江市)
 ▽「道端の草生に目立つイヌフグリ紺をちりばめ露にひかりて」 東山啓子(長浜市)
 ▽風ゆるみ畑に飛べる白蝶をともない行かな春の花見に」 磯山武士(長浜市)
 ▽ 額田王の歌碑のたちたる市営を寄りそい歩む老夫婦見ゆ」 山岡静枝(東近江市)

<滋賀報知新聞より>
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