”スローライフ滋賀” 

大粒の涙流し「もうおなかいっぱい」 競泳・五輪2冠の大橋悠依が最後のレース終える

 競泳女子個人メドレーで東京五輪2冠の「大橋悠依」(イトマン東進)が14日、佐賀県で行われた国民スポーツ大会の成年女子200メートル個人メドレーを2位で終え、現役を退いた。「夢のような競泳人生だった」と語った。

 笑顔と涙で選手生活を終えた。競泳成年女子200メートル個人メドレーで2位となり、表彰台に上がった大橋悠依選手。「勝って終わりたかったが、心の底から楽しめた」。表情はすがすがしく、そして明るかった。
 2021年の東京五輪で2冠を達成し、女子競泳界の頂点にまで登り詰めた。「集大成」と位置づけた8月のパリ五輪は準決勝で敗退。五輪後に今大会で現役から退く意向を口にしていた。「地元が大好き。滋賀に育ててもらったので」と、最後は滋賀県選手団の一員として終える決意を固めた。
 レース前は引退を意識して「いつもと違う感覚があり緊張した」というが、予選を危なげなく2位で通過。決勝では、優勝こそ逃したが、一時トップに食い込む泳ぎを見せた。「頑張ったな」。そんな感情が込み上がり、一緒に競った選手たちと笑顔で握手を交わした。 

 幼稚園の頃、彦根市のスイミングスクールで水泳を始めた。「滋賀で才能を見つけてもらい、夢にも思わなかったことを体験させてもらえた」。試合後、これまでの歩みを振り返ると、大粒の涙が頰を伝った。重圧を背負いながら世界を舞台に戦ってきたからこそ、最後は楽しんで終わろうと決めていた。「もうおなかいっぱい」。やり切った表情で、満面の笑みを見せた。

 レース前、自身の名前がアナウンスされて会場が沸くと、観客席に向かって高々と腕を上げた。声援に応えることも選手の責務。そう思い続けてきた。「レースを楽しむことを大事にしてほしい」。後輩たちには、重圧を背負い続けた大橋選手ならではの言葉を贈った。

 来年は滋賀県で「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」が開かれる。これからは地元開催を支える一歩を踏み出す。「盛り上げるために一役を担えたらと思う」。真っすぐと澄んだ目でそう話し、会場を後にした。 

<記事・写真: 中日新聞より>

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「滋賀のスポーツ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事