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<湖国の現場2021> 反復学習、成果じわり 滋賀県竜王町の2小学校、テスト正答率アップ (中日新聞)

「全国学力テスト」で全国最下位クラスを低迷する滋賀県教育界。今年の全国学力テストの小学6年のテストは最下位でショックを与えた。その打開に苦慮している最中、滋賀県竜王町の取り組みは改めて考えさせられる。

尚、以下が中日新聞掲載の記事内容である。
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 滋賀県竜王町の小学校2校で毎朝、授業前に音読、百マス計算、漢字の先取り学習に取り組んでいる。「学びを変える15分」として、徹底した反復学習に励む。

↑写真:中日新聞より

児童の集中力や学習意欲が高まり、全国学力テストの正答率が全国平均に達するなど、少しずつ成果が出ている。

 滋賀県竜王町教委は2018年、教育者の陰山英男さんが提唱し、反復学習に力を入れる学習方法「陰山メソッド」に注目し、直接指導を受け、助言を得てきた。2018年10月には2年生と5年生をモデル学年に指定して、メソッドを導入。2019年1月からは取り組みを全学年に拡大した。

 竜王町教委や幼小中の教職員を年数回、視察研修で滋賀県外の先進校に派遣。児童には年2回の効果測定を実施し、一人一人の学習成果と課題の把握に努めている。

 全国学力テストの正答率は2019年度、国語は全国平均を2ポイント、算数は4ポイント下回っていたが、2021年度はいずれも全国平均に達した。徹底反復学習を経験した中学生は今年5月の標準学力調査で、漢字の読み書きや計算問題で全国平均以上だった

 12月8日に竜王西小であった公開研修会。滋賀県内他市町の17人の他、大阪、岐阜の両市からも教育関係者が視察に訪れた。
交流会では湖北の担当者が「反復学習に行き着いた過程を教えて」と質問。同校の主幹教諭が「基礎、基本を定着させたいと思っていたところ、陰山メソッドを知り、学力向上のきっかけになればと始めた」と語った。
 甲津和寿教育長は「学力の土台づくりと学ぶ意欲を高めるには、継続することが大切。スポーツの世界と同じで、いきなりホームランではなく、キャッチボールやバント練習を繰り返す。そういう取り組み」と説いた。

 研修会では、児童が徹底反復学習に取り組む様子も公開した。
6年生のクラスでは児童が背筋を伸ばして立ち、平家物語の冒頭を声をそろえて読み、続いて割り算の問題、漢字の熟語テストに臨んだ。
 計算や漢字テストでは、鉛筆を走らせる音だけが教室に小気味良く響く。矢尾龍太君は「毎日の繰り返しで計算が速くなり、漢字を覚えるのが楽しくなった。集中力もついた」と話した。

 生活習慣への好影響もある。竜王町教委によると、朝食をしっかり食べ、起床や就寝時間がほぼ決まっている児童、生徒の割合は全国平均を上回った
 一方で、課題も残る「家庭での学習を計画的に進められている」との回答は、小中とも全国平均を1〜3ポイント下回った。携帯電話やスマートフォンの使い方を巡って、家族との約束を守っている割合は全国平均に届いていない。 

 西田秀治竜王町長は「学校現場と竜王町教委の連携で成果は出ているが、これからが大切。学力が伸びれば可能性が広がる。竜王町は豊かな自然にも恵まれ、子育てには最適」とPR。特色ある教育が、移住や定住促進につながることを期待する。

<記者のひと言> 根気養え合理的

 北陸3県や秋田県は全国学力テスト上位の常連。石川県で勤務していた頃、学テ直前の学校現場を取材すると、ピリピリした空気を感じた。宿題の量も年間を通じて多く「子どもが気の毒」という保護者の声をよく耳にした。
 1日15分の徹底反復学習は合理的。「継続は力なり」で、学力だけでなく、根気も養える。テストの点数より、自分で考える力、やり抜く力こそ、大人になってからも大切だ。

<中日新聞より>
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