東近江市外町の「布引焼窯元」の作家、小嶋太郎さんの思い入れの深い約50点を通じて、半世紀の足跡を紹介するギャラリー展示「太陽からの光と風」が同窯元に開設されている。12月26日まで。
↑写真:滋賀報知新聞より
小嶋さんは京都で陶芸を学び、23歳で建築家の注文に応じるメーカーに就職。在職中の7年間、芸術家の岡本太郎氏を担当した。「新しい風を吹き込もうとするエネルギーがすごかった」と、芸術への姿勢を学んだ。
今でも語り草になるのが、大阪万博のモニュメント「太陽の塔」の3つの顔のうち、「黒い太陽」の制作。「黒い太陽は、オーロラをつくる役割の表現では」と、自身の解釈を語る。
30代で独立する頃、布引丘陵から発掘された7世紀後半の緑彩陶器に魅せられ、創立した窯を「布引焼」と名づけた。そして緑釉の研究に打ち込み、多様な色彩「七彩天目」を考案し、これが後の「オーロラ」や「桜」のシリーズとなる。
60代に入り、緑色を基調にオーロラのモチーフを採り入れるようになった。オーロラは、太陽から地球にふきつける「太陽風」が、北極や南極の上空で発光する現象。緑色の美しいオーロラは、酸素が豊富に存在する地球特有のもので、「緑の奇跡」と目を輝かす。
ギャラリー展示「太陽からの光と風」
開催日時: 12月26日まで。 10:00~18:00。日曜日のみ13:00~18:00。水曜定休。
場所: 布引焼窯元・小嶋太郎さんのギャラリー展示(東近江市外町466)
展示: オーロラや桜をテーマにしたオブジェ、壁掛け、食器などの約50点。この他、八日市文芸会館や近江鉄道八日市駅、高校、病院で手がけた大型レリーフを紹介する写真パネルを展示している。
問い合わせ: 布引焼窯元(フリーダイヤル0120―99―44―56)
<滋賀報知新聞より>