八日市郷土文化研究会(藤本長蔵会長)はこのほど、会誌の最新号「蒲生野53号」を発行した。今号はなかなかの力作が多く、読みごたえがある。
ブログ筆者も一研究会員だがこの2年、自分の研究は十分な裏付け資料がみつからず途中で頓挫し一向に先に進まない。正式に歴史研究を学んだことがない素人故のつまずきであろう。何とかしたいと思いつつ時だけが過ぎてゆくこの頃である。。。。
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「蒲生野」は、東近江地域を中心とする会員による歴史文化の研究の成果や随筆などを掲載し、年1回ほどのペースで発行している。
巻頭論文では、郷土史家中島伸男氏が「惟喬親王伝説への『旅』を終わって」と題し、取材の思い出を交えながら、「茫漠たる歴史の闇の彼方に隠されている」という惟喬親王の足跡を振り返った。
この中で惟喬親王信仰として、近江小椋谷(蛭谷、君ヶ畑)などで伝わる木地師のほか、漆工、鍛冶師を紹介。伝承の背景を、「特殊な技能を先祖から受け継ぐ自らの生業に格別の誇りをもつために、また己の産土(うぶすな)の地と貴人(惟喬親王)との強いつながりを意識することで地域の連帯をより強めたいとの願いのなかで生まれ育まれてきたものであると思う」とした。
なお、本書には会員の論考やエッセイなど12編を収録。
本町商店街のまちかど情報館(八日市本町)にて2000円で販売。東近江市内図書館でも閲覧できる。
藤本会長(090―6242―9053)
内容
▽ 巻頭言「東京で感じるふるさと滋賀」 小寺ひろお
▽巻頭論文「惟喬親王伝説への『旅』を終わって」 中島伸男
▽「まぼろしの蒲生京 額田王と天智天皇」 野村しず一
▽「松尾神社庭園」 岡井義明
▽「近江の敗者の戦国史」 鈴木悛亮
▽「東近江市域の江戸時代の石鳥居」 大塚活美
▽「高野道再考(下)」 門脇正人
▽「クラークを師と仰ぎ 北大の父といわれた佐藤昌介と近江商人塚本一族」 藤堂泰脩
▽「湖東の『世間師』井上文左衛門」 井上尚徳
▽「我が家の黒牛」 内堀甚一郎
▽「古希の人となった私、古文書にはまる」 浦原良一
▽「西村幸さんの手織り真田紐」 池田千鶴
▽「鈴鹿の山々を越えた交流」 杉谷久美子
<滋賀報知新聞より>