~ 余呉町 小原かご ~
木のつるや皮、竹を使うのではなく、「木の幹そのものを使う珍しいかご」である。
長浜市余呉町小原地区以外ではまず見らない。切った木の幹を削って薄い板に加工し、それを編んで作る。言い伝えによると、鎌倉時代以来800年の歴史がある。
今では「かご」というと竹や荷造り紐で編んだものが主流となっているが、その昔、余呉町の小原や奥川並などでは木を編んで作ったカゴがあった。
その中でも小原の「小原かご」は、奥川並のカゴとは違い、余呉は丹生谷の奥、もうすでに廃村になってしまった集落「小原(おはら)」に伝わるかごのこと。
かごは、生活に必要な道具の一つであり、大きさ形などの違いによっていろいろな呼び名があり、いろいろな使い方をされていた。
雪が深く「真竹」が育ちにくいこの地では、山から「イタヤカエデ」の木を取ってくることから始まる。名前の通り「板」のように裂けやすいこの木から、材料となる薄い板を作る。よくしなり、よく粘るこの板を編み、かごを作るのである。
それにまつわる言い伝えもあり、作り方も長男にしか教えなかった(一子相伝)と言われている。現在、そのワザを伝えるのは一人だけとなってしまった。
只一人の「小原かご」の継承者であり、「森の名手・名人」に選ばれた、「太々野 㓛」(ただの つとむ)さん。今は廃村となってしまった、小原集落の出身である。
余呉町「小原かご」
https://www.water.go.jp/kansai/niu/html/topics/region/090330_oharakago.pdf