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藤原不比等の恋影、湖東に 郷土歴史研究家「近江東山道ロマン 淡海公の恋影」を出版

 東近江市の郷土史研究家、丁野永正さんはこのほど、飛鳥時代から奈良時代初期にかけての政治家、法律学者である「藤原不比等」を主人公に、史実と伝承をヒントにした小説風の著書「近江東山道ロマン 淡海公の恋影」(サンライズ出版、定価1000円)を出版した。

 「藤原不比等」は、「大化の改新」の立役者である父・鎌足に比べて影が薄い。しかし、不比等の足跡をみると、大宝律令や日本書紀の編さんに関わって古代律令国家を建設し、さらに藤原氏千年の繁栄の基礎を開くなど、時の政治、時代を動かした人物といって過言ではない。
 
 丁野さんが本書を執筆したきっかけは、滋賀県愛荘町愛知川、八幡神社境内にある不比等の墓碑「淡海公(不比等の諡号)御墓」に案内され、不比等と近江のつながりに強い関心をもったことから。

                     ↑写真:滋賀報知新聞より

 小説は、父鎌足が天智天皇から下賜を受けた采女(うねめ)がすでに天皇の子を身ごもっており、その子が不比等に成長する出生譚から始まる。
 物語は壬申の乱による混乱を経て、天智天皇の娘で天武天皇の皇后、鵜野讃良(うののさらら)=後の持統天皇=に実力を見出され、やがて「万世一系」の天皇家が代々統治するとした日本書紀の編さん事業へとつながってゆく。
 また、近江との関わりをみると、故国復興のため日本から百済へ帰国したが果たせなかった百済王子・豊璋(ほうしょう)と、不比等の父・鎌足を同一人物とみて、そのゆかりから渡来人が開発した湖東地域を舞台にした交流や不比等のロマンスを描いた。

 丁野さんは、「不比等ほどの人物の墓碑が地元にあると聞いてはじめは半信半疑で驚いた。歴史ファンをはじめ市民にも広く知ってもらい、観光資源になれば」と期待する。

 この本の販売場所はレンタルギャラリー&カフェ「エコール」(東近江市八日市清水2)、アル・プラザ八日市店内の平和書店、ヒトミワイナリー(東近江市山上町)


問い合わせ: 丁野さん(TEL090―8980―8034)へ。

<滋賀報知新聞より>

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