バロックリュートでバッハ

バロックリュート、ギター合奏、旅行などの趣味の記録

ウィーンフィルをサントリーホールで聴いた

2024年11月20日 | 日記


 11月13日のコンサートを聴きに久し振りに上京した。
この日は、ベートーベンのピアノ協奏曲第3番とリヒアルトシュトラウスの英雄の生涯。

 ピアノのソロはブロンフマン、指揮はアンドリス・ネルソンスの組み合わせでで共に初めて聴いた。
最初に登場したブロンフマンは前屈みの姿勢で年齢にしては覇気がない。次に登場したネルソンスは以前より激ヤセで病み上がりか。
演奏が始まると、ネルソンスの分かりやすい指揮にオケが正にこれがウィーンという優美な音で心配を吹き飛ばす。
ブロンフマンのソロは上手いのだろうが心を揺さぶるようなものではなかった。伴奏の素晴らしさにも拘わらず残念な結果だった。
 気になったのが、アンコールの拍手を受けて袖に帰る時に、この日はコンマスの隣に座っていた女性コンマスに一言掛けていた。顔は笑っていなかったから文句でも言ったような。元々この組み合わせは相性が良いとは思われないのに指揮も苦労しながら調整していたが、ピアノの直近で弾いていたヴァイオリンに代表して不満をぶつけたのか?

 二曲目は「英雄の生涯」でリヒアルトシュトラウスの中でも特に好きな曲。
ネルソンスはボストン響やライプツィヒ・ゲヴァントハウス管とリヒアルトシュトラウスを録音しており得意のようだ。
ダイナミックかつ繊細な指揮にウィーンフィルが応じて曲のストーリーを見事に描き上げた演奏に感動した。
前から7列目の席だったのでネルソンスの指揮と表情も良く見えた。きっかけを与えるだけでなく5本の指でアーティキュレーション等も細かく指示していた。

 この曲はヴァイオリンの長いソロが特徴でもあるが、今回のコンサートマスターのシュトルデさんの演奏はニュアンスといい音色といい今まで聴いた中で最高だった。ベルリンフィルで樫山大進が弾いたソロでは淡々と弾いている感じでシュトルデさんのほうが一枚上だっと思う。
 昨年のベルリンフィル高松公演ではモーツァルト交響曲29番の出だしが合わないということがあったがペトレンコの分かりにくい指揮と試用期間中のコンサートマスターがカバーできなかったのではと思っている。いずれにせよ、現在の最も聴きたいオーケストラは?と聞かれれば、ウィーンフィルと即座に答えるだろう。

 偶々、凄い愛好家の方のブログに今回のプログラムの演奏評が掲載されていたが、ブロンフマンの評価、シュトルデさんの評価、ベルリンフィルとの比較など私の感想と合致する点が多くびっくりした。自分の評価、感想に自信が無かったが氏のブログを見て少し安心した。

 今回はサントリーホールの音響を確かめるのも大きな目的だった。
カラヤンのアドバイスによりベルリンフィルハーモニーホールと同じヴィンヤード型となっている。音響設計は世界的に有名な豊田泰久氏で彼の代表作の一つ。詳しくは以下の本を参照ください。(音響設計家・豊田泰久との対話 コンサートホール × オーケストラ)
豊田氏は福山市の出身で地元のリーデンローズも手掛けこちらも音が良いと定評がある。今回のコンサートの休憩中ロビーで彼を見かけたので挨拶をし感動を伝えた。リーデンローズは少なくとも広島県では最も音の良いホールと思っている。というのは広島市にもオーケストラの使えるホールは5つ位は有るだろうが古い。以前、ウィーンフィルも聴いたがその魅力を十分には感じられなかった。

 肝心のサントリーホールの音響はといえば、私が聴いてきた中で群を抜いた素晴らしさだった。それは今回がウィーンフィルで、奏でられる音が世界一ともいえる美しい音だから、ということも大きく関係しているだろう。機会が有れば他のオーケストラも聴いてみたいと思わせるホールだ。しかしながらAIで調べると、「2027年1月から秋頃までの期間、全面的な改修工事が予定」とあるので注意せねば。









海の怖さとSUP

2024年08月22日 | 日記

            (写真と記事は関係ありません)

「広島県竹原市の的場海水浴場で男子大学生5人がカヌーやSUP=サップに乗って遊んでいる最中に流されたという。約30分後に通りがかったプレジャーボートに全員救助された。大学生の一人は「知らないうちに流されていた。こいでもこいでも戻れず、本当に怖かった」と話した。「中国新聞に掲載された記事抜粋」

 写真を見るとある程度突堤で囲まれた海水浴場だが、SUPだと突堤の外に出るだろう。外は瀬戸内海で波も穏やかでなにも怖さは感じない。

 実は私も盆に孫たちと海水浴に行き年甲斐もなくSUPを家内とやってみた。ロープを張った遊泳区域はダメなのでその外へ出る。初めてなのでインストラクターが付いてきて教えてくれた通りやってみる。次第に風が出てくると進まないというよりも向きを進行方向に向けてもすぐ戻ってしまう。要するに風に逆らって帰るることが出来ないという状況。インストラクターが見かねてロープで牽引して浜まで戻してくれた。もしもインストラクターがいない無人の浜だったら遭難状況。
 SUPについては簡単で誰でも出来て楽しい、という印象だったがそれは波風のない環境という条件が必要ということを学んだ。

 まだ20代の頃、富山の和倉温泉に行った時、貸しボートで少し漕ぎ出してわずか50mほどで引き返そうと漕いだがなかなか進まない。向かいに島が有り今は橋でつながっているが潮によっては風はなくとも波で流されるのだろうか。死に物狂いで漕いでなんとか事なきを得たが。

 昔、小学校の臨海学校で全員が1Kmの遠泳を海水浴場の沖で行うといったことも経験しているが、津波も他人ごとではないことでもあり、やはり最低限泳げるようになっておくことも重要だと思う。


「(続)音と演奏の良いCD」 交響曲編(4)

2024年07月19日 | リュート


シベリウス交響曲全集

クラウス・マケラ(指揮) オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 (4CD)
録音 2021年   ステレオ(デジタル)

シベリウスの交響曲全集には名演奏、優秀録音が多い。
以前、取り上げた「パーヴォ・ヤルヴィ パリ管弦楽団 録音2012年~2016年」、そして「Okko Kamu ラハティ交響楽団 録音2014」、「ロウヴァリ エーテボリ交響楽団 録音2019」等だが、素晴らしいクラウス・マケラの新録音が出てきた。

 クラウス・マケラはフィンランド生まれ現在28歳の天才指揮者。経歴は華やかで、2020年にオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者、2021年にパリ管弦楽団の音楽監督に就任。また、2027年にロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者に就任予定。

 さすがに自国の指揮者とノルウェイのオーケストラの演奏らしくシベリウスの爽やかな風を感じる音。
マケラの指揮は最近の新鋭指揮者のような新しい解釈が新鮮だ。昔は聴こえてなかったような音が随所で聴こえてくるので興味深い。しかしながら全体的な完成度が高くこれからどこまで行くのだろう、と期待される。今、生演奏を聴いてみたい指揮者の筆頭に躍り出てきた。
 録音も新しく優秀で周波数特性も自然でダイナミックレンジも広く迫力もある。現在のNO.1 CDではないだろうか。

初夏の青森、秋田探訪3 (五能線沿線)

2024年06月18日 | 旅行
五所川原から五能線で宿泊地の鰺ヶ沢に向かう。
ホテルグランメールは高台に建てられていて見晴らしがよい。
田舎の港町によくこのように大きなホテルを建てたものだ。

夕食後、芝生に出て日本海に沈む夕日を眺める。
この旅はここまで暑いような晴天が続き夕日も美しかった。

次の日、リゾートしらかみで五能線沿線観光。
まずは千畳敷へ。15分の停車時間に下車して岩場を散策できる。
サスペンスドラマのロケ地によくなるが延々と岩場が続いている。

リゾートしらかみの運転席。この観光列車は全席指定なのでなかなか乗りにくい。空いている時期などは柔軟な運用をしてもらいたいものだ。

千畳敷を出ると間もなく深浦の景色が見えてきて列車は徐行してくれる。
深浦はクロマグロ青森県NO.1の水揚げで安く食べることが出来る。


不老不死温泉の日帰り入浴に行くためにウェスパ椿山で下車する。
ここを訪ねるのは4回目くらいだが今回は海際の露天風呂に気持ちよく入れた。
最近は写真撮影が規制されているので写真は1枚もない。
日帰り入浴してマグロを食べたのち、東能代に向かうため送迎バスでウェスパ椿山へ。
五能線は各駅停車に古い車両を使用していたが今回は真新しい列車に出会った。

 この後、角館に泊まって抱き合わせ渓谷を訪ねたがここでも熊目撃情報が有り駐車場からほんの少し散策しただけで引き返した。やはり熊は怖い。。。

今回の旅は最終日に少し雨が降っただけで天気に恵まれてよい思い出が出来た。





初夏の青森、秋田探訪2 (鶴の舞橋、五所川原)

2024年06月17日 | 旅行
岩木山を下りてからその足で弘前を経由して鶴の舞橋へ。ここも旅行番組で見て是非訪ねてみたいと思っていたところ。
上は宿の部屋から撮影した鶴の舞橋と岩木山。


鶴の舞橋は1994年建造の比較的新しい橋で、全長が300mあり日本一長い木造三連の太鼓橋。
歴史の古い岩国の錦帯橋とは異なる特徴がある。

鶴の舞橋と名付けられたのは、以前多くの丹頂鶴が飛来していたから。現在は飛来しなくなってしまったが、
橋と岩木山を背景に丹頂鶴が舞う姿を撮影した素晴らしい写真を見ることが出来た。

鶴の舞橋は大きな溜池の端のほうにある。そこから見た湖面に日が沈んでいく。
もう丹頂鶴は飛んでこないのだろうか。わずかに4羽のみが飼育されていて見ることが出来た。

次の日は五能線で五所川原へ向かいまずは立佞武多の館へ。五所川原の立佞武多は高さ23mの巨大なねぶた。
この6階建ての立派な建物には3台の立佞武多が収められており祭りの際は大きなシャッターが開いて出陣していく。
 毎年8月初旬に催行されるが同時期に青森のねぶた、秋田の竿灯等が重なり凄い賑わいとなる。
来年はこの3つの祭りをこの目で見てみたいと思うが元気でいないと。




初夏の青森、秋田探訪1 (岩木山)

2024年06月14日 | 旅行

上の写真はジグザグ模様の岩木山スカイラインの観光写真。この不思議な景色に惹かれて初めて訪問した。弘前駅から路線バスに1時間ほど乗って嶽温泉に到着。

 嶽温泉近くから見た岩木山の姿(バスの中から撮影)左側の尾根がスカイラインだ。
嶽温泉でシャトルバスに乗り換え、30分位ジグザグ道を登ると8合目に着く。あのジグザク模様は上空からの写真で地上からでは見ることが出来ないことが判明。
 8合目からリフトに乗って約10分で9合目に到着。ここからは徒歩で登るしかない。上の写真は上り初めてすぐの場所から撮影した頂上の姿。
 立て看板を見ると左:岩木山頂上30分 右:鳥海山10分 頂上へはがれ場みたいなところも見え登山の服装でないと無理と判断し、右へ。

 鳥海山へ上る途中で見つけた奇麗な花。

 下山のリフトから下界を見たところ。9合目の駐車場が見える。この後雲が広がってきた。
帰りも同じルートだが乗換の嶽温泉でバスを待っている時、地元の車から、今すぐの所にクマがいたから下への細い道には行かないように、と。冬眠明けのこの時期は多いが今年は特別のようだ。




ウィーンフィルのチケット入手

2024年04月29日 | 日記

 11月にウィーフィルのコンサートが東京、大阪、川崎、福井、浜松で開催される。東京ではサントリーホールで4日間(3種のプログラム)の予定。
 今回は、サントリーホールのベートーベン・ピアノ協奏曲第3番とリヒアルトシュトラウス・英雄の生涯に行くことにした。

 サントリーホールは日本で最初のヴィンヤード型ホールでカラヤンの薦めでベルリンフィルハーモニーホールと同じ形式となったそうだ。その音響設計は、世界的音響設計家である豊田泰久氏が携わっている。ということでサントリーホールの音響を聴くのも今回の目的だ。

 以前、ベルリンフィルの大阪フェスティバルホールでの座席はS席にも関らずソリストの姿も見えない席で嫌な思いをした。購入サイトのシステムが決済が終わるまで席を明示しないという不親切なものだったからだ。去年の高松のベルリンフィルでは座席を自分で選べるシステムで理想的なものだった。今回のサントリーホールの場合は、システムが座席を指定してきて、不満だったらやり直してください、というもの。やり直していたら良い席はどんどん無くなっていくのでリスクが大きい。ちょっと中途半端?

 まあ、まずまずの席を指定してきたので良かった。半年も後のイベントだが久し振りの東京も楽しみだ。

バロックリュートのガット弦をAquila製に戻す

2024年03月07日 | リュート


4年半前、バロックリュートに初めて張ったガット弦はAQUILAのHUタイプ。(Unsplit lamb gut strings type "HU")
  
当時はまだHLタイプはなかったと思うが、現在はHUタイプとHLタイプについて以下のような説明がある。
  HU タイプの弦は、リュート、テオルボ、アーチリュートなどの撥弦楽器のchanterelleには使用できません。
  そのような楽器には、オイルを塗った滑らかな牛ガット弦 HL を使用する必要があります。

 *Oiled smooth beef gut strings HL Type(HLタイプは最大径が1.6㎜なのでそれ以上はVタイプを使用するになる。)

 *Venice gut roped strings V type
   オイルを塗った弦でロープのように撚られていますが表面は滑らかで、他のナチュラルガット弦よりも高いねじれ強度を誇り
   高い弾性が特徴です。これにより、高調波が豊かになります。

*HUタイプは3ヶ月のみの使用でGamut製に変更し4年間使用してきた。
 今回エクステンション(9コースー13コース)の5本以外をAquila HLタイプに変更した。
 その理由は、
  ①Gamut製は弦がかなり柔らかいので1フレットの音程が高くなる。
   この対策としてナットの内側にクラシックギター用サドルを加工した板を必要なコースに挟んでいた。
   この傾向はAquila製でもあるが程度は低いのでサドル板は外した。ただ抑える指の力を弱めにフレット近くを抑える事が必要。
  ②最近の円安で輸入弦は高くなったが元値がAquila製の方が安い。
  ③ネットの購入サイトはドイツの Music-strings を使っているので、Aquila以外のSAVAREZ、PYRAMID、KÜRSCHNERも同時に購入出来て便利。

*HLタイプの印象
 まだ張ってからの日数が少ないが、期待通りのパフォーマンスを持っているようだ。
 HUタイプは中域の音のざらつき感がガットらしいと思っていたが、HLタイプはオイルを塗って有るためそれほどでもない。
 これくらいが自然で良いと思う。1フレットの音程問題も抑え方に慣れれば克服できるレベルだ。




(参考)CDストリングス
    バスライダー式のバロックリュートには中低域にCDタイプの合成弦を張っているが、AQUILAのサイトに分かりやすい特徴が掲載されている。
    発売当初は結構切れたが現在ではそれは解消されている。

   *CDストリングス
    CD タイプの弦は、リュートおよびバロックギターの低音域および中低音域で使用される合成弦で、
    押出成形段階で合成材料に金属銅粉末を充填してあり比重が大きいことが特徴です。
    表面は天然腸の表面に似ています。 弦はパーカッシブでボーカルのトーンを持っていますが、そのサウンドは豊かで、
    オクターブでペアの弦と完全にブレンドされます。
    弦はチューニングの安定性に優れています。 明るすぎてリュートの本来の性質に適合しない現代の巻弦の代わりとなります。

「(続)音と演奏の良いCD」 ピアノ協奏曲編(5)

2024年01月31日 | CD


ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番

反田恭平(ピアノ) アンドレア・バッティストーニ指揮 RAI国立交響楽団
録音:2016年  セッション録音(トリノ) 1SACD

 反田恭平という名前を知ったのは彼が2021年のショパン・コンクールで第2位になったニュース。
その時のライブ録音は音が悪く、ディスコグラフィを探していたらラフマニノフの2番が見つかった。
 これを聴いて驚いた。今までこの曲を色々聴いてみたが良い録音は見つかっていなかった。
本CDは素晴らしいピアノソロとオーケストラ、そしてその演奏を優れた録音がとらえている。
ピアノは明確で爽やかな音、オーケストラは豊かな重低音に支えられ重厚で聴きやすい。
早くショパンの協奏曲を録音してほしいものだ。

目覚めよと呼ぶ声が聞こえ(BWV645)を弾く

2024年01月02日 | リュート
2024年元日に、Wachet auf ruft uns die stimmeを録音した。
 以前も録音しているが、Nigel Northの新CDに収録されていたのを聴いてTAB譜を見直しした。
色々と気になるところもあるがなんとか納得できる録音になったと思う。
パイプオルガンで弾かれる四声の音をなるべく省かないようにしたつもりだが演奏は非常に難しい。

https://youtu.be/kA07Sp5g2NM




令和6年 年賀状

2023年12月31日 | 日記


明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 快晴の良い新年を迎えることが出来ました。
今年もまた元気に、リュートを弾いて音楽を聴く。(秋にはティーレマンがウィーンフィルと来日するようで楽しみだ)
旅行は、花見の頃に兵庫県北の温泉、初夏に岩木山や五能線を訪れる予定。


「(続)音と演奏の良いCD」 ヴァイオリン協奏曲編(8)

2023年12月16日 | CD


ブラームス ヴァイオリン協奏曲

エマニュエル・チェクナヴォリアン(ヴァイオリン) クリスティアン・マチェラル(指揮) ケルンWDR交響楽団
録音:2020年   1CD

 チェクナヴォリアンはウィーン生まれでアルメニアで育つ。指揮、作曲も行う新進のヴァイオリニスト。
使用楽器はストラディバリウス。

 この録音を聴いてまず感じたのが、ヴァイオリンの音が信じられないほど美しいことと、オーケストラの音の分解能が高いこと。ヴァイオリンが鮮明な音でしかも聴きやすい。オーケストラは総奏でも音が団子にならずに各楽器が明確に聴こえる。ブラームスの協奏曲の録音でこのような音はほとんど聴いたことがない。

 演奏も素晴らしくソロは重厚なオーケストラのサポートを受けて堂々としたブラームスを聴かせてくれる。指揮者のマチェラルも新進の精鋭だがチェクナヴォリアンとともに今後が大いに期待できる。

 ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、Batiashvili (ティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデン)の録音がベストと紹介していたが録音が2013年とさすがに音がかすんで聴こえてしまう。近年の録音技術の進歩は凄いと感じる1枚だ。

ベルリンフィルの高松コンサートを聴いて

2023年11月23日 | 日記

 キリル・ペトレンコがベルリンフィルの首席指揮者に就任したのは2019年。
それ以前は、ヘルベルト・フォン・カラヤン(1955年-1989)、クラウディオ・アバド(1990-2002 )、サイモン・ラトル(2002-2018)
 カラヤンは34年間も務め近代のベルリンフィルに大きな影響を与えたことは誰もが認めるところだろう。その後、アバド、ラトルが10年強づつ務めたがカラヤンやそれ以前の巨匠に比べカリスマ性に欠け印象が薄い。

 キリル・ペトレンコは久々に登場した期待の指揮者だ。就任前ベルリンフィルの定期演奏会を指揮した回数も少なく何故選ばれたのか不思議だった。しかしながら、就任後の定期演奏会をベルリンフィルのデジタルアーカイブで視聴してみるとその理由がよく分かった。更に今回の演奏会でそれが確信に変わった。

 今回は音響的なベストポジションよりは少し前に席を取った。(写真はそこで撮影)指揮者の表情や顔を知っている演奏者の様子を見るためもある。

 最初の曲はモーツァルトの交響曲第29番。短いがチャーミングで素晴らしい曲だ。管楽器はオーボエとホルンが2本づつで弦楽合奏曲のような雰囲気の聴きやすい曲。今回の演奏は弦楽の4パートが対等に主張してその掛け合いが絶妙。昔の第1ヴァイオリンあるいはメロディを強調するような演奏とは異なる。最近の新進気鋭の指揮者はこのような傾向がある気もするが。
 
 ベルリンフィルとキリル・ペトレンコはこの演奏会に先立ってベルリンフィルハーモニーホールで11月3日に全く同じ曲目の定期演奏会を行っている。その様子はベルリンフィルのデジタルアーカイブで視聴できる。
 その映像を注意深く見ると色々なことがわかる。音はJBL4343にスーパーウーファーを加えたシステムで聴いた。比較の為にいつもよりも大きな音で聴いてみるが少しもうるささは感じない。金属的な音になりやすいモーツァルトの曲のヴァイオリンの音も素晴らしい。全体的に音色は会場で聴いたのにかなり近い。これはデジタルアーカイブがCD程音を加工していないこと(CDは小さい装置でも聴きやすいように加工をしている)と最近の録音、配信のレベルが向上したことも大きいと思う。

 それでは会場で聴いた音の何%位、家で再現できるのか。音自体は85%行くだろうが、やはり定位やダイナミックレンジの再現は60%程度。総合して75%。
 通常はかなりのシステムで再生するにしろソース側の事情で60%も行けばいい所だろう。CDでの再生も似たようなものだろう。家で90%以上再現できるのであればコンサートに行く必要性は低くなる。家で聴くのはコンサートで聴くのとは全く次元の違う別物という割り切りが必要だろう。

楽器配置について
 カラヤン時代は、弦楽器は時計回りに、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスとなっている。他のオーケストラも同じ配置が多かったように記憶している。

 最近は傾向がかなり変わってきているようだ。今回のベルリンフィルの配置は、第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリン、第1ヴァイオリンの後ろにコントラバス。
 指揮者によって配置が換わるのか?と思ってベルリンフィルのデジタルアーカイブでキリル・ペトレンコの2023年度開幕演奏会の映像を見てみた。第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、ヴィオラの後ろにコントラバス。キリル・ペトレンコは異なる配置を使い分けているようだ。

 モーツァルトの交響曲第29番のように掛け合いの効果を出そうとすると、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが離れていたほうがいいだろうし、チェロが右目に行くのならコントラバスがその近くに行くのも頷ける。
(楽器配置については奥が深くこれ以上はここでは書かないでおく。)
 
 今回、コンサートに行く意味をはっきりと認識することが出来た。それと家で音楽を再生して楽しむ場合の限界と割り切り方、どうすればより楽しめるかを学んだ。
他にベルクとブラームスの交響曲第4番が演奏され素晴らしかったが長くなりすぎたのでここでは割愛する。

ベルリンフィル鑑賞と高松、小豆島観光

2023年11月19日 | 旅行

 11月14日にベルリンフィル2023年日本公演の最初の演奏会が高松で開催された。
前回ベルリンフィルを聴いたのは、コロナ前の2019年大阪フェスティバルホール(メータ指揮)。
今回は常任指揮者キリルペトレンコの初来日ということで非常に期待して聴きに行った。
演奏についての感想などはまた後日に。

 演奏に先立って半日時間があったので、演奏会場に隣接している高松城址を訪ねた。
(実際は、高松城の敷地内にコンサートホールが造られているのだが。)
瀬戸内海に接した立地ということで堀には海水が入ってきており、真鯛や黒鯛等が泳いでいた。

 2日目は屋島麓の四国村に行った後、フェリーで1時間の小豆島へ渡った。
小豆島は初めてだったがエンジェルロードという観光地がありそのすぐ前のホテルに宿泊した。
部屋は7階でがエンジェルロードに最も近い部屋だった。

ネットの予測では15時46分に島と陸続きになる筈だが何時まで経っても水が引かず渡れない。
多くの人が長い時間待っているのを部屋から見ていたが17時頃日が沈みそうになってきたので下へ降りた。
20分位待って多少靴が濡れるのを覚悟して渡って帰ってきた。慎重な人が多く、帰る時でもまだ待機していた。。。


 3日目は定期観光バスで寒霞渓や二十四の瞳映画村などを観光した。
寒霞渓では頂上からロープウェイに乗り紅葉を見たが紅葉の色合いが鮮やかではない。少し早いのと暑い夏の影響か?


3日とも傘要らずいい天気でいい旅が出来た。

クラシック以外のBEST10

2023年10月10日 | CD


思い出に残る曲、感動させられた曲を選んでみた。(順不同)

*恋人たちのペイヴメント Alfee
 アルフィーはコンサートにも行ったことがある程好きなグループ。その中でもNo.1の曲。高見沢のハイトーンは美しく感動的。

*Suddenly オリビア・ニュートン・ジョン
 映画ザナドゥの中で歌われるデュエット曲。不思議な雰囲気のミュージカルラブストーリーだが今は無くなったレーザーディスクで見ていた。

*Belle(美女と野獣から) ブロードウェイミュージカル
 ブロードウェイで初めて見たミュージカルで、当時留学中の娘とNYCで落ち合って3人で見た。記憶に残っているのはヒロインの美しく伸びやかなソプラノ、想像以上にコンパクトな劇場内部。その後見たミュージカルは、同時多発テロ直後にまだ異臭の残るマンハッタンで再開されたばかりのマンマミーアでいろんな意味で感動的だった。

*負けないで ZARD
 聴いているとやはり頑張ろうという気にさせてくれる。謎に包まれたところの多かった歌手だがもう少し長く生きて欲しかった。。。

*津軽海峡冬景色 石川さゆり
 コンサートでは舞台装置も迫力があって、圧倒的な歌唱を盛り上げていた。去年、青森港で旧青函連絡船を見学し青函トンネルのない時代に乗船した昔を思い出した。津軽海峡冬景色の歌碑前で写真を撮ったのもいい思い出。

*神田川 かぐや姫
 自分の学生時代を思い出すような曲。下宿していたのは銀閣寺近くの京都北白川だったが昭和の雰囲気は同じ。学生運動の最盛期で京大の時計塔も占拠され卒業式も無し。構内を歩いていたら火炎瓶が飛んできたり、今では考えられない時代だった。

*贈る言葉 海援隊
 デビューして間もないころ神石高原の牧場でたまたま聴いた。舞台も無くて五十人位が聴いていたが牛達も聴き入っていた?

*シクラメンのかほり 布施明
 歌唱力、声量は誰もが認めるところだろう。中でも最高のヒット曲。

*青い瞳のエリス 安全地帯
 「ワインレッドの心」も良いけど一曲を選ぶとするとこの曲。
 
*五番街のマリー 高橋真梨子
 コンサートを聴きに行ったが、大きな舞台装置やバックバンド、踊りがあるわけではなく声だけで聴かせられる実力。