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ファウンデーションの夢  第六部  ベイタ・ダレル  第6話   白とピンクの星

2022-11-10 04:48:21 | ベイタ・ダレル
39第6話白とピンクの星
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第6話

白とピンクの星

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。

 ベイタはコッソリと、そのガール屋敷の地下深くにあった『故郷星探査報告書』を手に取るのであった。

 そこにはファウンデーション設立当時、ガール・ドーニックの秘密の特別任務の記録が記されてあった。後に、アルカディアが、ジスカルド・ハニスからそれを譲り受ける。その内容の繙きついては続いて読者の努力に委ねます。

 時代は、ターミナスも徐々に往時の精彩を欠いて来たインドバーの世襲政権のもと、時代の暗雲に気付いていた数名の人々がいた。
 一人は心理学者、エブリング・ミス。もう一人は貿易商人のランデュ・ダレル、そしてベイタ・マロウもその一人に加えなければいけない。
 
 ベイタ・マロウはトラン・ダレルと結婚し、トランの出身星ヘイブンに赴く。

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ランデュ・ダレル よく来たね、白とピンクの星ヘイブンへ。それにしても、奇遇だね、シーウィーの娘さんだったとはね!デヴァースの貿易商人仲間でよく喧嘩した仲だったんだ。トランは大変な嫁さんを見つけたもんだ。しかも美人で聡明ときている。トランには、はっきり言って勿体ない。
 トランから聞いたよ。ベイタさん。第二ファウンデーションにご執心だってね。

ベイタ ランデュ叔父さん。そうなんです。それに第三ファウンデーションもあるんじゃないかってね!私のご先祖のガール・ドーニックの記録に書いてあったもんですから。

ランデュ さっきから気になってたんだがね、その君のペンダントもなんか意味ありげ、だね!

ベイタ これですか。中身の液体が半分のシリンダー。
 母から結婚のお祝いだと言って、頂きました。
 叔父さん、図星です。この紫色の液体が入ったシリンダー・ペンダント、なんかファウンデーションの成り立ちに関係あるんじゃないかって、ずっと思っていたんですよ。
 ガールの文章にははっきり書いてありませんでしたけど、今度の時間霊廟の開示が見ものだと。わざとセルダンは企んでいたんだと思っています!そう思うしかありませんもの。三つ目のファウンデーションがあるとしたら、三つのファウンデーションに奮起してもらわないと。
 この銀河は謎と神秘で満ちています。叔父さん、でも宇宙の霊にお祈りしていけば、きっとその謎解きが与えられると信じています。
 Rという存在とか突然変異体とか。きっと裏に隠れていたものが、もうすぐ分かるような気がします。時間霊廟の開示にはターミナスに戻りたいと考えています。
 
ランデュ わしもその時はターミナスに行くつもりでおる。

 それにしても銀河帝国の凋落ぶり、おまけにファウンデーションまでもが、今はおかしくなっている。
 世襲のインドバー市長だなんて、ちゃんちゃらおかしい。ターミナスが銀河帝国にとって替わるどころの話ではない。
 ところでヘイブンで一休みしたら、トランと新婚旅行にカルガンにでも行ってみないかい。亜熱帯の娯楽、観光の星に。それに...

ベイタ 叔父さん。それに?

ランデュ ミュールがいる!

ベイタ なんですってミュール(騾馬)ですって!動物園!?

yatcha john s. 「白とピンクの星」


ファウンデーションの夢  第六部  ベイタ・ダレル  第5話  ミュータント

2022-11-09 14:39:00 | ベイタ・ダレル
38第5話ミュータント
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第5話

ミュータント

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。

 ベイタはコッソリと、そのガール屋敷の地下深くにあった『故郷星探査報告書』を手に取るのであった。

 そこにはファウンデーション設立当時、ガール・ドーニックの秘密の特別任務の記録が記されてあった。後に、アルカディアが、ジスカルド・ハニスからそれを譲り受ける。その内容の繙きついては続いて読者の努力に委ねます。

 時代は、ターミナスも徐々に往時の精彩を欠いて来たインドバーの世襲政権のもと、時代の暗雲に気付いていた数名の人々がいた。
 一人は心理学者、エブリング・ミス。もう一人は貿易商人のランデュ・ダレル、そしてベイタ・マロウもその一人に加えなければいけない。

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ベイタ 私は、ベイタ・マロウです。ミスさんに急なお話しで参りました。

エブリング・ミス これはこれは、こんなぼろやに、よくぞいらしてくれました。もっと堅苦しい方だと思いきや、若くて美人のお出ましとは、我が家には不似合いです。調べものが多くてこんな状態ですが、そこいらのものをどかしてお座り下さい。
 なにせ、セルダン、ドーニック、ハーディン、マロウのご子孫様が来るなんて、光栄極まりありませんから。

ベイタ 実は、誰にも話せない事実をお伝えに参りました。母ロアには内緒でお伺いしました。ドーニックの館が我が家の所有だということはご存知でしょうけど、ドーニックの直筆の手紙を所有しておりまして、ミスさんもご存知ないことかと思って、お伺いさせてもらったのです。
 ハリ・セルダン宛の手紙で、その写しだと思います。

 あなたもそうでしょうけど、心理歴史学は全体の帰趨を扱う学問であって、個々人の個別行動の有り様はそれに結びつかないという前提でしょうけど、セルダンはその個別様態をも視野にいれていた、という内容だったのです。その調査のためにドーニックに行かせたのです。銀河帝国が成立する前、ふるさとの星からの第一波の銀河への移民として五十数個の惑星に移民したスペーサーワールドと呼ばれる、中心星オーロラ、最後に移民されたソラリアに赴きました。
 オーロラで彼が発見したのは、当時 Rといいわれた存在の代わりの番犬の群れ、でした。ソラリアでは人間一人につき一万台といわれていた R は存在してはおりませんでしたけど、当時医学の過度の発達によって何百歳という寿命を獲得していた反動で、奇形した人間が存在しているのです。
 それが両性具有の人間だったんです。
  
ミス それがどうしたっていうのかね?
 私の研究には関係ないと、思うがね。

ベイタ 関係ないとお思いですか!
 心理歴史学では、奇形や突然変異体による感応能力者の全体構成に対する影響を考えてはおられないと、おっしゃるんですね!
 
ミス 論外ですね。セルダンやドーニック、アルーリンの学説をくまなく調べてもどこにもありゃしない。
 私が問題にしているのは、ただ第二ファンデーションの存在だけなんだよ、お嬢さん。私が調べる。
 専門家じゃない人が、とやかくいうものではありません。

ベイタ ミスさん、最近ではターミナスでは第二ファウンデーションの話は聞かれないでしょうけど、他のターミナス所属の星々では、セルダンの誕生日もちゃんと祝われ、第二フウァンデーションの存在も真実として語られているということをご存知ないのですね!

yatcha john s. 「 ミュータント 」


ファウンデーションの夢  第六部  ベイタ・ダレル   第4話  ベイタの出番!

2022-11-08 20:54:05 | ベイタ・ダレル
37第4話ベイタの出番!
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第4話 

ベイタの出番!

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。

 ベイタはコッソリと、そのガール屋敷の地下深くにあった『故郷星探査報告書』を手に取るのであった。

 そこにはファウンデーション設立当時、ガール・ドーニックの秘密の特別任務の記録が記されてあった。後に、アルカディアが、ジスカルド・ハニスからそれを譲り受ける。その内容の繙きについては続いて読者の努力に委ねます。

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ロア ベイタ、今朝ラベンダー畑にいたらね、変なおじさんがなんか探しているみたいな...なんでこんなところにって聞いたら、「アルーニンやガールのやつら、俺を煙に巻きやがって...」と呟いて、「すまんすまん、あんたには関係ないがね」と言って帰って行ったわ。
 ホントのこと、教えていいかどうか、ちょっと考えて、その前にあなたに相談してみよう、と思ったのよ。

ベイタ ロアお母さん、もしかしたら、その人、ミス...。エブリング・ミス博士だわ。
 もうソロソロ会ってみようかと思っていたところなんです。

 きっと隠された秘密を探し回っているのよ。ハーディンやアルーニン以来、心理歴史学の神髄が突然消え失せてしまったのです。
 それと第二ファウンデーションの正体が、です。

ロア 第二?ファウンデーションがもうひとつ!

ベイタ そうよ。知識人とあるグループだけは、その存在を知っているのですが、その正体は、誰もわかっていないんです。

 博士が、それに気がついたのには、その時期がソロソロ来たんだわ。きっと。

ロア ベイタ、あなたはなんの学者なの?「その時期」?

ベイタ お母さんは心配しなくていいわ。

 わたしの出番もいよいよね。(ロアには聞こえないほどの小さな声で)

yatcha john s. 「 ベイタの出番!」


ファウンデーションの夢  第六部  ベイタ・ダレル  第3話  心理歴史学の弱点?

2022-11-07 20:09:12 | ベイタ・ダレル
36第3話心理歴史学の弱点?
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ 
第3話 

心理歴史学の弱点?

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。

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シーウィー セルダンだって、人間だ。予言者ぶってるだけじゃないのか?

ロア シーウィー、確かにそうかもしれない。 ある時限からは無理だと思うの。でも私ね、何か胸騒ぎがしたのよ。セルダン。ハリ・セルダンっていう人は、人類の全体を説明できると言って、個人だけの能力は把握できないのが、心理歴史学だと言ってるんだけどね。ちょっと違うんじゃないかと思ったの。それにここターミナスに戻って来られたのも単なる偶然じゃないかも知れないってね。
 
シーウィー ロア、どう違うってると思うのかい?

ロア 実はね、偶然発見しちゃったのよ、ドーニックが住んでた家の地下室のまたその下に、もう一つの地下室があったのよ。そしたら、ドーニックの書いた記録が床の下にあったの。それは100ページものノートだったわ。それをざっと読んだのよ。そしたら1週間後にそれを置いておいた場所から消えていたのよ。間違いないわ。誰かが盗んだとしか考えられないわ。
 
シーウィー なんて書いてあったんだい?

(以下ロアの暗記の文=ガール・ドーニックのハリ・セルダンへの『故郷星探査報告書』の写しの冒頭)
 「このノートを読めば、ハリは分かるはずだ。頼まれた調査、探索は無事完了した。明日、トランターから来るアルーリンに渡すだけだ。この記録をハリが読んでくれるのを祈るだけだ。彼の寿命が尽きるまでに。彼が予測した通り、500年先には必ず、3万年続くはずの衰退、混沌、無秩序に光明を見いだせる。彼はわざと300年後のセルダン危機にターミナスを欺いて、虚偽の報道を時間霊廟ですることになる。セルダン理論は不完全だったと思わせなければならないと。私としては、これもまた、我が子孫の奮闘に委ねるほかない。」
 という書き出しだったかしら。

シーウィー ロア、俺にはなにがなんだか、全然わからないんだけど。
 ありゃー、もう時期、300年経ったんだったよね!

 ごめん、大事な用事があったんだ。これからエブリング・ミスさんにヘイブン産のタバコを持っていくんだ。

ロア ベイタ(娘)も言ってますよ。そんな父さん、大好きだってね。クスクス!

https://youtu.be/n0mysFZK074

yatcha john s. 「心理歴史学の弱点?」


ファウンデーションの夢  第六部  ベイタ・ダレル  第2話  ポニェッツの秘密

2022-11-06 05:35:07 | ベイタ・ダレル
35第2話ポエニッツの秘密
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第2話 

ポエニッツの秘密

物語の大枠

第一部 ダニールの地球探索
第二部 ガイア
第三部 ウォンダとガールの地球探索
第四部 嵐の気配
第五部 Tee Tree
第六部 ベイタ・ダレル
第七部 アルカディア・ダレル
第八部 アルカディアの遺言

第六部「ベイタ・ダレル」の大枠

34 第1話 ベイタから母ロアに宛てた手紙
35 第2話 ポエニッツの秘密
35 第3話 心理歴史学の弱点
36 第4話 ベイタの出番
37 第5話 ミュータント
38 第6話 白とピンクの星
39 第7話 束の間のバカンス
40 第8話 espionage
41 第9話 ターミナスがミュールに占領された!
42 第10話 第2ファウンデーション
43 第11話 三百年目の晩餐会
44 第12話 星界の涯

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明なの娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

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(全文、ロアの娘ベイタに宛てた手紙。因みにロアの母はジータ。彼女は、誠実で働き者の青年シーウィーをロアの婿に迎い入れる。それまで、スミルナで平穏な暮らしをしていた。ロアの時代になって娘ベイタが大学生活のためにターミナスに行ってから、にわかにベイタの要請で、先祖の土地ターミナスに帰ることとなる。
 先祖が住んでいたガール・ドーニック農園を再び買い取るのであった。そこのラヴェンダーに新たな変化があったからである。)

 ベイタさんへ。一人でターミナスに行かせて、ホントにごめんなさい。言われた通りに、もうすっかり後片付けが終わって、そちらに行く準備が万端ですよ。シーウィーはなんかぶつぶつ言ってますけど、心配ないわ。
 実はね、この手紙を書いたのには訳があるのよ。あなたも私のアルカディアおばあちゃんがハーブの専門家だったって知ってるわよね。ハーブはざっと挙げても 45の重要な効用がありますね。そして千の疾患に効いて、万病の予防になるってことも。その中でも、抗不安、免疫力アップ、浄化があるわね。その「浄化」っていうことに何か秘密があるみたい。
 このあいだ、アルカディアおばあちゃんの日記を見つけたのよ。それを読んでて「ハッ」としたことがあったからなの。早く知らせなきゃ、と思ってね。
 そのアルカディアおばあちゃんが『ポニェッツの秘密』を見つけたと記してあるわ。
 彼ポエニッツ(初代アルカディアの友人、アルシアの自称保護者)がラベンダー商売で銀河を駆け巡っているとき、運悪く宇宙船の操縦装置の故障であわやブラックホールに吸い込まれそうになって気を失ってしまった時、「不死の従僕」と名のる正体不明の人物が夢に現れ、「心配するな。積み荷のラベンダーも大事ない。そのラベンダーをドーニックの農園に植えろ。」と言ったそうよ。
 あなたが見たガール・ドーニックの農園だけ、ラベンダーが咲いているのは、その「ポニェッツの秘密」らしいのです。その効用ときたら、「絶対不可能と言われている放射線物質の除染」と明記されてるわ。不思議ですね!

 ベイタさん。私の好きな詩を添えるわね。アルカディアの詩よ。

 「 ハーブ ハーブ 香る
すべての挨拶より香しい
滲みる 心に
すべての音楽より麗しい
ハーブ ハーブ 香り立つ
愛が世界へ 
今 
時を超えた 
涙 」
             母ロアより

yatcha john s. 「 ポニェッツの秘密」