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ファウンデーションの夢  第六部  ベイタ・ダレル  第12話  Rの機能停止

2022-11-13 05:32:21 | ベイタ・ダレル
45第12話Rの機能停止
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第12話

Rの機能停止

あらすじ

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)に住んでいたのでしばしば泊まりに来ていた。

 時代は、ターミナスも徐々に往時の精彩を欠いて来たインドバーの世襲政権のもと、時代の暗雲に気付いていた数名の人々がいた。
 一人は心理学者、エブリング・ミス。もう一人は貿易商人のランデュ・ダレル、そしてベイタ・マロウもその一人に加えなければいけない。
 
 ベイタ・マロウはトラン・ダレルと結婚し、トランの出身星ヘイブンに赴く。そこで、トランの叔父のランデュに新婚旅行にカルガン行きを勧められる。ハネムーンは数日で今後の銀河を揺り動かす大事件に移行する。

 ミュールの宮殿から道化師がハネムーン中の両人に助けを求めて来た。

 その道化師はボボと名乗った。彼らは早々宇宙船の格納庫に戻る。

 そこに第三者がまた登場する。
 二重スパイ!?

 そのハン・プリッチャー大尉は、すでにミュール(ボボ)によって、洗脳されていた。

 さらにミュールはトラン・ベイタの宇宙船でターミナスまで同乗し、モーヴ市に降り立ち、ファウンデーション軍の宇宙戦艦軍に喪失感を与え、ハリ・セルダンの出現する時間霊廟に集う人々を降伏感へ誘導し、一日に、完全占領してしまった。

 最後の救いの砦であったファウンデーションの遊軍、独立貿易商人協議会連合の星々も、戦意を喪失。ミュールの圧倒的な感応力の前ではなすすべもなかった。ヘイブンに一時避難したベイタ夫婦とボボとエブリング・ミスは、トランターに赴くことになった。ランデュはボボの存在に何かを察するようになったが、ランデュは残った。

 トランターでは、旧ストーリーリング大学付近の自称コンポレロン人たちの農村共同体が300年祭の催し物の準備で忙しくしていた。そこの村長、リー・センターは彼ら4人を丁重に向かい入れてくれた。

 彼ら4人を、トランターの農村指導者家族は丁重に、ファウンデーション300年祭の晩餐会に、趣向を凝らして招き入れた。その席には同じくネオトランターから来ていた(?)、一応議会議長と言う立場の、ヴェナ・ビリ女史がいた。

 エブリング・ミスはボボと一緒にストーリーリング大学の一室に籠って、当のミス博士は食事も絶って一心不乱に調べものに没頭していた。
 
 事件が突然起きたのは、そんなやさきだった。エブリング・ミスは、何かを発見して、訪ねて来たベイタに口を開こうとした瞬間のことだった。

 ヴェナ・ビリ女史も程なく息を引き取る(停止する)。

 そのエブリング・ミスとボボがいた場所が、300年前のハリ・セルダンの心理歴史学の研究室であったことがわかるのは、ベイタ・ダレルの孫アルカディアがトランターを訪れてからのことであるのだが。
 

45
トラン ベイタ、大丈夫か?
 君が射つ前に、ヴェナさんが射った。その原子銃、よこしなさい!

ベイタ トラン、わからないの?
 このマグニフィコ、ミュールなのよ!ミスさんは私の話し、聞いてくれなかったわ。
 そして、第二ファウンデーションの居場所をボボ(マグニフィコ)がいる前で話そうとしたのよ。

 ボボ(マグニフィコ)、いやミュール。はっきり言いなさい!
 
ボボ ああ、その通りだ。
 ベイタ、最後の最後で、君に負けた。
 認めるよ。
 もう少しで、この銀河を手に入れられたのに。
 一女性にどんでん返しを受けた。
 敗北だ。第二ファウンデーションの居場所さえわかれば、私の銀河支配も完成する寸前だった。
 はっきり言おう。
 ベイタ、君にだけ、生まれて初めて異性を感じた、人間としての誇り、愛、希望を感じた。
 君だけが私を一個の命として認めてくれた。だから心を許し、私は、君にだけには感情操作をしなかった。
 私が一個の人間として自覚した瞬間、皮肉にも、逆説的に宇宙の支配者から転げ落ちた。しかし、私の命のあるかぎり、挑戦する。

 プリッチャー大尉が待ってる宇宙船にこれから行く。ダゼンダ(星界の涯)が第二ファウンデーションだという話がある。

ヴェナ・ビリ( R・ドース) 私はドースよ。
 かわいい、ベイタちゃん。あなたには人を殺させる訳にはいかなかったの。
 センターさんに頼まれて、トランターにやって来たのよ。
 あなたにはこんなに苦労をかけたのには理由があるの。
 ごめんなさいね!分かるわよね!
 あなただけが真実を知った、ということが大事だったの。そしてあなたが言うことを誰も信じようとはしないようにしたのも私のよ。
 そう干渉したの。そうしないとすべてミュールの思う壺だったの。

 セルダンの意志を実現しなくてはならなかった。私はハリを愛した。そして自分の子じゃなかったレイチを慈しんだ。そしてあなたに至る子孫のみんなをもね。
 どうしてもミュールには第二ファウンデーションの居場所を隠さなくてはならなかったの。そうでないと、この銀河には希望と命が消えてしまう。
 もう一度銀河を蘇らせたい。

 私は人間を死なせたから、もう直、機能停止するわ...悲しまなくていい..
 

yatcha john s. 「星界の涯」

※「ダゼンダ」というのは、英語でthe end of stars(星界の涯)をもじった第2ファウンデーションが長い年月を通して巧妙にでっち上げた惑星であるという説もある。
 このことが、ベイタの孫のアルカディアの時代で災いを引きずることとなる。
 それがまた引き金となって反ミュールの動きが出て来るのであるから、宇宙の因果の糸(意図)は神秘に充ちている。


ファウンデーションの夢  第七部  ベイタ・ダレル  第10話  第2ファウンデーションの在り処?

2022-11-12 04:45:46 | ベイタ・ダレル
43第10話第2ファウンデーションの在り処?
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第10話

第2ファウンデーションの在り処?

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。

 ベイタはコッソリと、そのガール屋敷の地下深くにあった『故郷星探査報告書』を手に取るのであった。

 そこにはファウンデーション設立当時、ガール・ドーニックの秘密の特別任務の記録が記されてあった。後に、アルカディアが、ジスカルド・ハニスからそれを譲り受ける。その内容の繙きについては続いて読者の努力に委ねます。

 時代は、ターミナスも徐々に往時の精彩を欠いて来たインドバーの世襲政権のもと、時代の暗雲に気付いていた数名の人々がいた。
 一人は心理学者、エブリング・ミス。もう一人は貿易商人のランデュ・ダレル、そしてベイタ・マロウもその一人に加えなければいけない。
 
 ベイタ・マロウはトラン・ダレルと結婚し、トランの出身星ヘイブンに赴く。そこで、トランの叔父のランデュに新婚旅行にカルガン行きを勧められる。ハネムーンは数日で今後の銀河を揺り動かす大事件に移行する。

 ミュールの宮殿から道化師がハネムーン中の両人に助けを求めて来た。

 その道化師はボボと名乗った。彼らは早々宇宙船の格納庫に戻る。

 そこに第三者がまた登場する。
 二重スパイ!?

 そのハン・プリッチャー大尉は、すでにミュール(ボボ)によって、洗脳されていた。

 さらにミュールはトラン・ベイタの宇宙船でターミナスまで同乗し、モーヴ市に降り立ち、ファウンデーション軍の宇宙戦艦軍に喪失感を与え、ハリ・セルダンの出現する時間霊廟に集う人々を降伏感へ誘導し、一日に、完全占領してしまった。

 最後の救いの砦であったファウンデーションの遊軍、独立貿易商人協議会連合の星々も、戦意を喪失。ミュールの圧倒的な感応力の前ではなすすべもなかった。ヘイブンに一時避難したベイタ夫婦とボボとエブリング・ミスは、トランターに赴くことになった。ランデュはボボの存在に何かを察するようになったが、ランデュは残った。

43
ランデュ おかしいと思わんかい、ミス。
 ここヘイブンでは、みんなやる気をなくしてる。この分だと、数週間ももたない。独立貿易軍もあと星、三つだけとなってる。
 ミス、そこであの道化師について何か分かったかな?

エブリング・ミス いいや、ランデュ。何も!何か怪しい、と思ってるんだな!

ランデュ そうだ。ミュールについて分かることは徹底的に調べなくてはならない。

 そればかりではない。時間霊廟にいた連中は右往左往しているばかりで、逃げようとしている様子がなかった。
 それに、トランが道化師を背負って、5人で鉄条網を突破できたのも、何か腑に落ちない。 おまけに船まで用意してあった。
 そしてここヘイブンでも、時間霊廟の時と同じ、無気力、自暴自棄の気分が蔓延している。

 ミス、君に是非頼みたい。最後の切り札だ。4人で銀河の中心部に逃げて貰いたい、そこで何か見つかるかもしれない。
 俺は責任上、逃げる訳にはいかないからな!
 
エブリング・ミス 銀河の中心部? まさか、それはトランターじゃ、ないだろうな?あそこに何があるって言うんだい?今ではすっかり廃墟だと言われてる!
 
ランデュ 図星だ!流石、セルダンの末裔学者さん。そう、トランターだ!あとは第二ファウンデーションだけが頼りなのだよ!!

エブリング・ミス まさか、第二ファウンデーションは、「星界の涯」にあるんじゃあなかったのか?
 俺は信じられんがな。

yatcha john s. 「第二ファウンデーションの在り処?」


ファウンデーションの夢  第六部  ベイタ・ダレル  第9話  ターミナスが占領された!

2022-11-11 18:05:54 | ベイタ・ダレル
42第9話ターミナスが占領された!
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第9話

ターミナスが占領された!

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。

 ベイタはコッソリと、そのガール屋敷の地下深くにあった『故郷星探査報告書』を手に取るのであった。

 そこにはファウンデーション設立当時、ガール・ドーニックの秘密の特別任務の記録が記されてあった。後に、アルカディアが、ジスカルド・ハニスからそれを譲り受ける。その内容の繙きついては続いて読者の努力に委ねます。

 時代は、ターミナスも徐々に往時の精彩を欠いて来たインドバーの世襲政権のもと、時代の暗雲に気付いていた数名の人々がいた。
 一人は心理学者、エブリング・ミス。もう一人は貿易商人のランデュ・ダレル、そしてベイタ・マロウもその一人に加えなければいけない。
 
 ベイタ・マロウはトラン・ダレルと結婚し、トランの出身星ヘイブンに赴く。そこで、トランの叔父のランデュに新婚旅行にカルガン行きを勧められる。ハネムーンは数日で今後の銀河を揺り動かす大事件に移行する。

 ミュールの宮殿から道化師がハネムーン中の両人に助けを求めて来た。

 その道化師はボボと名乗った。彼らは早々宇宙船の格納庫に戻る。

 そこに第三者がまた登場する。
 二重スパイ!?

 そのハン・プリッチャー大尉は、すでにミュール(ボボ)によって、洗脳されていた。

 さらにミュールはトラン・ベイタの宇宙船でターミナスまで同乗し、モーヴ市に降り立ち、ファウンデーション軍の宇宙戦艦軍に喪失感を与え、ハリ・セルダンの出現する時間霊廟に集う人々を降伏感へ誘導し、一日に、完全占領してしまった。
 

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ベイタ ランデュ叔父さん、来ていらしてたんですね。もうすぐ正午、時間霊廟にセルダンが現れます。
 
ランデュ 君たちもか。それはよかった!インドバーのやつめ、俺ら独立貿易協議会の申し出を断りやがって、ミュールがホルレッゴールでわずか三艘でファウンデーションの二十艘を無傷で降伏させた。
 ミュールは、原子フィールド抑制機を使って、無条件降伏させた。戦闘も無しにだよ。何かおかしいと思うのだが!

 トラン、それにその道化師みたいなのと、大尉さん、それに禿げじじいも一緒か?

トラン そう、この方はエブリング・ミス博士。この道化師さん、カルガンで拾った人。エブリング・ミスさんのお陰で、この人のヴィジフォンの演奏が素晴らしいので、時間霊廟でお祝いの演奏を後ですることになって、一緒に出席出来ました。
 ミスさんはターミナスでは知らない人いないくらい有名な博士。この大尉さんもミスさんのお陰で、拘束されていたのに、釈放されたみたい。

ベイタ ランデュ叔父さん、はじまったわ!

(300年前のハリ・セルダンが時間霊廟に現れる)
ハリ・セルダン 「諸君。私はセルダン。当面の危険はない。
 二つを除けば。周辺グループの離反による内乱、そしてあなたたちが成功を勝ち取り過ぎたために、あなたたちの政府は保守的になっている。その権威主義的態度には問題がある...」
 
ベイタ ランデュ叔父さん、まさか周辺グループって、叔父さんたちの独立貿易世界?

ランデュ ベイタ、内緒だけど、認める。しかし今は、変更した。ミュールが現れたからだ。

ベイタ ランデュ叔父さん。やっぱりセルダンはわざと間違った情報を放映しているわ!
(傍らにいたエブリング・ミスに向かって)
 ミス先生、そうお思いでしょう!

 サイレンの音!見てみんな。空を!ミュールの攻撃よ!! 
 
ランデュ ベイタ、残念だけど、ターミナスはもう占領されたも同じだ。けど、ファウンデーションは、我々が守る。我々独立貿易軍が依然として残ってる!

yatcha john s. 「ターミナスがミュールに占領された!」


ファウンデーションの夢  第六部  ベイタ・ダレル  第8話   espionage

2022-11-11 05:12:26 | ベイタ・ダレル
41第8話espionage
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第8話

espionage

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。

 ベイタはコッソリと、そのガール屋敷の地下深くにあった『故郷星探査報告書』を手に取るのであった。

 そこにはファウンデーション設立当時、ガール・ドーニックの秘密の特別任務の記録が記されてあった。後に、アルカディアが、ジスカルド・ハニスからそれを譲り受ける。その内容の繙きついては続いて読者の努力に委ねます。

 時代は、ターミナスも徐々に往時の精彩を欠いて来たインドバーの世襲政権のもと、時代の暗雲に気付いていた数名の人々がいた。
 一人は心理学者、エブリング・ミス。もう一人は貿易商人のランデュ・ダレル、そしてベイタ・マロウもその一人に加えなければいけない。
 
 ベイタ・マロウはトラン・ダレルと結婚し、トランの出身星ヘイブンに赴く。そこで、トランの叔父のランデュに新婚旅行にカルガン行きを勧められる。ハネムーンは数日で今後の銀河を揺り動かす大事件に移行する。

 ミュールの宮殿から道化師がハネムーン中の両人に助けを求めて来た。

 その道化師はボボと名乗った。彼らは早々宇宙船の格納庫に戻る。

 そこに第三者がまた登場する。
 二重スパイ!?
 

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ハン・プリッチャー 私はカルガンの警察部長ではなく、ファウンデーションの秘密情報部の大尉ハン・プリッチャー。

 インドバー市長にカルガンに潜入してミュールの実態を探るよう言われて来た。

 しかしミュールを探ることは容易ではない。ところが、きょうミュールから逃げて来た道化師の騒ぎを目撃した。渡りに船、とはこのことだ。
 それにどうやら、私もつけられている様子なのだよ。逃げるが勝ち。おあつらえ向き。礼を言いたい。一石三鳥だ。

ベイタ どういうこと。ボボを引き取りに来た、と思ったら、その反対?
 一緒に逃げようだなんて!虫がいいわね。それに私たちは昨日カルガンに着いたばかりよ。えーと、一石三鳥の三番目は何?

プリッチャー 君たちと接触して、その動向を探れ、という指示だ。どれどれ、これからじっくり尋問させてもらいますよ。

ボボ 奥様、私を尋問して、何がわかるというのですか、その人を追い出して、すぐ出発しませんか!

プリッチャー いいのかい?今出ても、この船を拘束してくれるようにカルガン宇宙警備軍にはもう通達してあるんだがな!
 私が乗っていれば私の暗号通信でそれを解除することもできる仕組みだ。

トラン やれやれ、ベイタ、君といるといつもこうなる。波乱万丈の結婚生活だなぁ!

yatcha john s. 「 espionage 」


ファウンデーションの夢  第六部  ベイタ・ダレル   第7話  束の間のバカンス

2022-11-11 01:13:17 | ベイタ・ダレル
40第7話束の間バカンス
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第7話

束の間のバカンス

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。

 ベイタはコッソリと、そのガール屋敷の地下深くにあった『故郷星探査報告書』を手に取るのであった。

 そこにはファウンデーション設立当時、ガール・ドーニックの秘密の特別任務の記録が記されてあった。後に、アルカディアが、ジスカルド・ハニスからそれを譲り受ける。その内容の繙きついては続いて読者の努力に委ねます。

 時代は、ターミナスも徐々に往時の精彩を欠いて来たインドバーの世襲政権のもと、時代の暗雲に気付いていた数名の人々がいた。
 一人は心理学者、エブリング・ミス。もう一人は貿易商人のランデュ・ダレル、そしてベイタ・マロウもその一人に加えなければいけない。
 
 ベイタ・マロウはトラン・ダレルと結婚し、トランの出身星ヘイブンに赴く。そこで、トランの叔父のランデュに新婚旅行にカルガン行きを勧められる。ハネムーンは数日で今後の銀河を揺り動かす大事件に移行する。
 

40 
トラン・ダレル さあ、浜辺だ。叔父さんが言ってた通りだね。波の音、たまらない!でもターミナスの海辺もよかったなあ、そうだろ、ベイタ?二人で行ったベリス岬。

ベイタ トランったら!ミュールのこと、もう全く忘れているんだから!

 ねえ見て、トラン。逆立ちして逃げてる道化師がこっちに来るわ!
 
道化師 助けてくれますか。追われているんです。海辺の警備隊に!

 見るところ、ターミナスからのカップルですよね?ようこそカルガンへ。

ベイタ なんか悪いことしたんでしょう?

道化師 はい、奥様。ミュールの宮殿から逃げて着ました。
 私はボボ・マグニフィコ・ギガンティクスと申します。
 助けてもらえますか。
 私をボボと呼んでください。

ベイタ トランどうする?

トラン 義を見てせざるは勇なきなりだ。決まってる。

ベイタ そうなの!せっかくこれからバカンスだっていうのに!じゃあ、格納庫の船に戻りましょうか。

 えっ、今、なんておっしゃいました。ピエロさん!ミュールから逃げて来た、ですって!

https://youtu.be/9UTCGaICPRM

yatcha john s. 「束の間のバカンス」