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ミーターの大冒険 第九部 エピローグ 第1話 ペイリー・リャン

2023-01-25 21:06:51 | エピローグ
183第1話ペイリー・リャン
ミーターの大冒険
第九部
エピローグ
第1話

ペイリー・リャン

あらすじ

 ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号は太陽系の第4惑星の火星でついに、待望のダニール・オリヴォーに面会できた。

 それからダニールの月面基地から地球の放射能除去溶液と装置の準備を調(ととの)えて地球に降下して行った。

 人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
 
 かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。

 R・ミーター・マロウは、不死の従僕ダニール・オリヴォーに助けられて、主人アルカディアの志しをいまや成就させようとしていた。

 彼らの地上での行動はミーターは別として、2時間と制限されていた。

 そのイルミナのリードによって北上したアース・オービターは、無事にニフのフニ山頂上に着いた。

 放射能除去に必要なポニェッツ仕様のラヴェンダーエキスとオーストラリア産のデオライトの混入液を水蒸気発生装置でフニ山頂から昇化させ、地球上の各地山頂から同様に実施させていった。

 案の定、双子座流星群は降ってきた。この年は例年とは違い、幸運にも何ヵ月も継続した。

 流星群は成層圏に拡散している特殊水蒸気の雲に注ぎ、水蒸気を雨化させ、地上に雨を降らせ始めた。

 ミーターは、北アメリカ大陸の頂き、南アメリカの頂きを踏破し、残るはアフリカ大陸、ユーラシア大陸、オーストラリア大陸をも踏破していった。

 その間にイルミナは、アルファのモノリーさんのお土産である粉末の分析が完了していた。

 その粉末の正体は、ナノサイズに加工した地球上のほぼ全種類の植物の種だった。雨が降れば、地球の緑化が再生する。

 イルミナは、ドースが銀河の希望ポニェッツ号でイオス星のラヴェンダーエキスを月に届ける際、盟友ジスカルド・ハニスからの伝言で、コンパーが、ターミナスの行政官になった旨を知らせた。

 ミーターがその特殊蒸気発生機の最終段階でかつてオーストラリア大陸と呼ばれていた地域のタウンゼント山頂で早朝シルクベットから起き上がった時だった。しっかりとして威厳のある響きが頭上からあった。

 ダニールはミーターに、2つの任務を依頼した。

 地球の古代の伝説「ノアの方舟」にあるような大量な雨が1ヶ月以上も地表に降り注いだ。

 その結果、大気中の放射能濃度は、驚くほど減少していった。

 1番目のダニールからの任務依頼を終了後、ミーターは、約束していたミーターはニフの中央東に位置する海岸から切り立った小高い山頂に夜明け前に到着した。

 そこにダニールとペイリー・リャンが待ち受けていた、3人は、海中から浮かび上がる緑色の光を目撃する。

 それからほどなく、東の水平線上に陽が昇って来た。

 ダニールは、ミーターに「カビレ」の本当の意味を解き明かす。

183

ミーター ペイリーさん、ここが、ファー・スター2世号のコックピットだ、すべての運航はイルミナに任せてある。いわば艦長だ。
 でも今回の航海については、俺がボス、いいね?

ペイリー・リャン わかってます。ちゃんとパパから聞いてますから、ご安心くださいな。

イルミナ ペイリー・リャンさん、これからも宜しくね!
 
ミーター そうだ、お前たちは、もうお互い知っていたんだよな。
 
ペイリー はい、よく女性同士で仲良くなりました。月では、R・オーロラ・ルナセントから女性のことを教わりましたけど、イルミナさんの方がもっと詳しく教えてくれました。

ミーター そうだろうよ。なにしろ、イルミナはアルカディアの秘蔵っ子だからな。

ペイリー アルカディアさんの秘蔵っ子ですね。パパが教えてくれました。アルカディアさんは人類のお手本だって。
 ミーターさんは、そのアルカディアさんの親友だったんですね!
 もっとアルカディアさんのこと知りたいですね。

ミーター 任しときな、ミス・センノビアレラさん。

ペイリー その呼び名はやめてください。ペイリーかリャンで、お願いします。なにしろ、赤ちゃんの時にガイアからコンポレロンに養子として移されたのですから、ガイアのことは全然覚えていないのです。

ミーター ところで、俺らは、とりあえず、第1の任務は終了した。怖い思いもたくさん経験した。

ペイリー イルミナさん、ミーターさんたら、あのデオライト採掘の時のあの姿、見せたかったですね。

ミーター ペイリー、その話はもうよしてくれないか。イルミナだって、この俺が高度恐怖症だってことはしってるんだから。

 そんなことよりも、今後の俺らの使命だ。

イルミナ そうだわね!
 地球再発見、地球の放射能除去がほぼ完了しましたね!

ミーター 念願の大きな第一歩ってところだ。
 ダニールの多大な誘導によって為し遂げられたと思う。

ペイリー それがパパの宿願でしたのです。
 いつも私に諭していました。「あのガールの証古学のおかげ」だって。

ミーター むー、またしてもガール・ドーニックか?

ペイリー ガール・ドーニックですね!

ミーター 俺らは、ターミナスに帰るのだから、ガール・ドーニックの故郷星シンナックスに寄ってもいいな。

イルミナ そうですね。
 ミーターさん、次の私たちの使命って考えたら、混沌、暗黒の銀河からの復興でしたわねぇ!

ミーター そうなんだ、その使命の達成には、この人間の、この女性、ペイリー・リャン・センノビアレラさんを俺らに同行させたんだな。

ペイリー ミーターさん、ですから、そのセンノビアレラっていう言い方は、結構ですから、お願いしますね。

ミーター わかった、わかった。アハハハハ、ペイリーって呼ばせてもらいますよ、月女様。

ペイリー ミーターさんったら!

イルミナ ペイリーさん、大目に見てください、ミーターボスの悪い癖ですから、人をからかうのが好きっていうか。

ペイリー イルミナさん、慣れるまで大変ですよね、きっと。

 分かりましたよ、あなた方には、パーソナルは必要ないでしょうけど、私にはちゃんとありますから、ゆるしてしんぜますよ。

イルミナ そうですね、このファー・スター2世号には、人間の生存に必要なパーソナルもちゃんと完備しておりますので、ペイリーさん、ご心配ないわ。

ペイリー 有り難う!

 ※このエピソードについては『ファウンデーションの夢』第4話の『What a ginius !』がご参考になります。是非ご覧下さい。


ドイツの森で迷子になる夢

2023-01-25 18:55:46 | 宇宙的意識
ドイツの森で迷子になる夢

『ファウンデーションの夢』巻頭詩集




巻頭詩 1 もう十分生きてきたはずなのに  


もう十分生きてきたはずなのに
ドイツの森で迷子になる夢を見るのは なぜ  ?

ストーリーリングの街角に小走りのセルダン教授を見かけるのは  なぜ?

ターミナスの国会議事堂からかけ降りるトレヴァイズに遇うのは  なぜ?

今がいつなのか、

ここがどこなのか、

終わることのない旋律に耳をそばたてれば、 風景の先に、見え隠れする彼らではなく、 私。





巻頭詩 2 

窓を叩く音がする

深夜、やさしく窓を叩く者 。

そばかすだらけアルカディア。

驚愕の真実が数奇な運命へ。

家出 宇宙船 越えて 数ヶ月も経たないで 智恵の女へと。

驚愕の先にあったもの 。

もうひとつの真実 眠られない。

何度でも 深夜、やさしく窓を叩く者?

それは僕か?



巻頭詩 3

「誰でも初めての宇宙旅行はロマンチックなもの」

誰でも  初めての宇宙旅行は  romantic なものさ。

19歳のバイロン・ファレルも歌ってた。

「星は塵のように わたしをめぐっている。
躍動する光のもやとなって 。
そしてわたしはあらゆる空間を ひと眼のうちに ながめているみたいだ。」

19歳の僕もこの小説を読んだ。

ただ違うのは、この夢が彼は、深夜のヴィジフォンで破られ 、僕は 朝のアラームで破られたの違いだけさ。


巻頭詩 4

ターミナス

すべての人類の終着駅。

人々の一時の休憩場所 セルダン博士はよく考えたものだ。 

銀河の端 the end of the stars。

選ばれしもの達よ。だが安住すべきものではない。

己の使命を一時でも忘れるようなら。


ターミナス。

すべての人類の始発駅。 

すべてのはじまりのはじまり。

セルダン博士はよく考えたものだ。

銀河をゼロから再出発できる。

the beginning of the stars。

これからが本番なのだ。

手に汗が滲んでくる。

今の人類よ。

二万年が過ぎようとしている。

心して聴けよ。

セルダン博士の覚りと唸りを。

「あなたは 今を精一杯活きているのか ?」

turningaround point



巻頭詩 5 ウォンダ・セルダン

ウォンダ・セルダンは 剥き出しになったトランターの地表をひたすら歩く。

それは日課のように。

もう少しの未来。

鋼鉄の大地が天の川銀河一の輝ける農業の星に塗り替えられることを予期しているように。

緑の風を起こし、

かつての祖父ハリと祖母ドースの逃避行のように。

トランターを縦横無尽に 、颯爽と この小さい世界は銀河の縮図だと確信してもいるように。


いずれ彼女は自らが銀河の再生の兆しを産み出す存在との予感を抱いて。

この日は 恋に落ちた鋭敏なステッティン・パルヴァーとランガノ大学で落ち合って 新たな精神感応者のボー・アルーリンに会うために。

幼い頃からユーゴおじさんの形見のような極素輻射体だけが遊び相手で、

ウォンダは、内向的な性格が 今や亡きドースばあさんと瓜二つのキュートでクールな容貌の持ち主となって。

彼女は紫に輝く希望の星ターミナス 緑と水の世界に沈むカビレを ひたすら夢みる。

キラキラとした瞳の美少女となって

ターミナス歴1000 年に発刊された アシモフの「心理歴史学」の教科書の表紙を飾る プリマドンナとなっているにちがいない

「 ウォンダ・セルダン 」


巻頭詩 6 白詰草

僕が描いたお話は宇宙からのささやかな贈り物。

心のなかでなるメトロノームの共鳴音。

白詰草が変異するように ウォンダが摘んだ魂は一つから三つに分かれ そして四つになる。

そしてその囁きはもう一度 一つに戻る。

その約束は地球の命 成就する日を誇らしげに焦らしている。

四つ目はミーターとイルミナ 彼らは自らのいきる意味を我らの耳元で囁く。

「決して幻想なんかじゃないよ」

「決してあなたの人生の意味 思い過ごしじゃありません」

「 wispers and promises 」



巻頭詩 7 

Parkside Romance

もうじき公園の谷間に霧が充ちる。

僕のフィクションは久美子さんの一行からはじまった。

若きガールはウォンダの妹をもとめて銀河の果てに辿り着く。

この風景は亡き魂たちへの思慕にすぎないのか?

この愁いは亡き願い事への幻想にすぎないのか?

果てしなく続きそうな未来への憧れは行き着くまでのファンタジーを食べ尽くす。

ガールは五百年後にトラヴァイズとなってウォンダ() の妹に何処で逢うのだろうか

僕にとってターミナスはやっぱり空想へ通じる折り返し地点にすぎないみたいだ

今日もひとり浜辺の公園をあゆむ

夕刻のひかりは格別だ

「 park side romance 」




巻頭詩 8  Take me


あなたのホントの名前。

それはミーター。


ある綺麗な夜空に流れる星を見つけたからよ。

だから私を連れていって。

あなたのふるさとの夜空に広がる天の川のもっと向こうまでね。

あれから私はずっとあなたと毎晩のように 夜空を見上げたものですね。

私の夢はずっと行けるとこまで行ける 航宙返船に乗り込んで、

あの流れ星を追いかけるの。

時は流れるわ。

でも追いかけて行けば 追い越すことはできないにしてもね。

ずっとあの憧れは消えないままですからね。

そうすれば風船を膨らますようにね。

夢はずっとずっと膨らんでいくでしょう。

たとえばミントの薫りね 弾けるワクワクが気持ちを満たす 爽やかな調べよ。

みんなも私のような夢をもつようになるまで。

あなたも私を忘れないように。

銀河中が憧れと夢で一杯になるわ。

だから私を連れて行ってね。

(アルカディアの亡くなる前の調べ  ラベンダーの丘に落ちる流星)
Take on me.




巻頭詩 9


R 第零法則の捕則


見えるか見えないかの境目がいいんだよね。

消えるか消えないかの境目がワクワクするんだよね。

自分の殻がパチッと弾ける感覚が最高なんだよね。

何に変わるか?

不思議と謎があった方がずっといいんだよね。

期待値が命の本質。

殻(セルフイメージ)に閉じ籠っていては見えるものも見えない。

感じるものも感じない。

自然も宇宙も僕と一体にならないんだよね。

新しい自分が偏在している宇宙とね。

ダニール・オリヴォーの第零の法則にしたがって空( empty )になるんだ。

なにしろ「どこにもいて どこにもいない」 直感 感応 触れ合い 溶け込み 融合 歓喜 充満 そしてそのあとの再生 繰り返し、繰り返せ!



巻頭詩 10  


向世(宇宙の向こう)を千明( change )に


二年前の今日 僕は二つの詩を啓上しました。

その一つは平安時代初期の記録に触発されたからでした。

江戸時代の碩学新井白石は、 日立の山こそ高天ヶ原であったとも記しました。

ご存知の様に 東海村は辛うじて神慮によって守られているかのようです。

妖しき光。

海中に没し 、再び浮きて 、カビレの山に去りけり。

いにしへの書に言いにけり。
ゆえにこの土地を 東海といへり。

煌めくビーム。

カビレの山より発し、はるか中天の、

舟に届く。

耳あるものは聞くがいい。

ゆえに名付けて、 space shattle といへり。


美貌の天女 宇宙(うつそら)の舟に乗り、

下界を誇らしく、目を細め 、向世を千明に描き

万衆に語り伝えける。

万衆の願い その土地の名 「阿字」にてさふらえば。



巻頭詩 11  LIFE


夢と希望は陽電子から生まれる。

陽電子を光らせるのはジスカルド。

第零の法則はダニールが引き継ぎ、

ハリが心理歴史学を完成させる。

ウォンダは極素輻射体で遊び、

いよいよガール・ドーニックはふくよかな顔つきでニヤリと呟く。

「微細心理歴史学が有効だ」


500年後の未来よ 20000年前の人々よ

ファー・スター2世号に乗って 自分の規(のり)を超えよ。

そのとき地球と銀河はお前のものだ。

お前の手には紫の指輪が輝いている。

それはよみがえりの命だ。


 わたしYi Yinのサイエンス・フィクションはアイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズをほぼ下敷きとして哲学者ノース・ホワイトヘッドの「移動と新しさ」の哲学に貫かれている。  ここから本編がはじまる。 「人類は樹上から平原へ、平原から海岸へ、風土から風土へ、大陸から大陸へと移動してきた。人類が移動を止めたとき、もはや生の向上を中止するであろう。...人間社会間の相違が絶対必要である。異なる習慣をもつ他国民は敵ではなく、ありがたいものである」(『科学と近代世界』ノース・ホワイトヘッド著)  



投稿者:Yinyi

心象風景であっても、過去・未来・二万年後の銀河をリアル(現在)に描き出す。

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