208第26話図書館改造時のアルカディアの意図
ミーターの大冒険
第九部
エピローグ
第26話
図書館改造時のアルカディアの意図
あらすじ
ミーターたちはハニスとの再会を期待してイフニアに向かうべく、ファー・スター2世号のあるダリバウのイケアに戻った。
その時、イルミナからハニスの拘束の事実を知らされる。
あとから駆けつけて来たアンセルム・ロドリックとともにイフニアに行くこととなり、アンセルムから意外な展望を聞かされる。
ダリバウからイフニアに行く途中、ファー・スター2世号の前に、12000年に一回というダリバウの太陽とダリバウの衛星ルエリスとの皆既日食が現れる。この現象は、ミーター一行に何の暗示になるだろうか?
アンセルムは、アルカディア・ダレルの小説を読んでいるペイリー・リャンにペイリーの父ダニールの歴史を、厳かに、そして優しく語る。ルエリスの名前の由来を。
漂泊のシンナックス人は今や地球から見た場合の星座レチクル座付近の奥の大マゼラン銀河にさらなる次のターゲットを決めて、このダリバウやイフニアから出て行ったことをペイリーとアンセルムは同時に了解した。
ミーターたちは、ハニスが投獄されているはずだったイフニアについた。
ハニスは無事だった。その時点までにアンセルムが、イフニア政府をコントロールして、政府トップと内務省にまで浸透工作に成功させていたからであった。
ただターミナス政府は、その偽装イフニア政府の実態にはまだ気がついていなかった。
ファウンデーション連合では、既にサイレント革命(ペイリー・リャンがヤマブキ色のハンカチをミーターに捧げたのをきっかけとして、『ヤマブキ革命と言われる』)が徐々に進んでいった。
それでも一つの危機的状況は依然として残った。
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ミーター またなんで、ハニスさんはいつでも一人で頑張ろうとするのですか?誰かいい相棒が側にいるのを忘れてやしませんか?ハニスさん一人にそんな危険な任務をやってもらうわけにはいきませんよ。僕も同行します。二人だったら阿吽の呼吸もピッタリですから。
ハニス いいや、ここは俺の出番だよ。その「時間霊廟」のコントローラーと図書館のコントローラーとの連結場所を俺は十分心得てる。
アンセルム ハニス殿、ではその連結場所がわかっておられるのでしたら、その移行操作の術(すべ)もご存知ですかな?
ハニス 移行操作の術(すべ)ですって?
アンセルム ハニス殿、よくお考えください。アルカディア記念図書館(帝国辞典編纂図書館)の建築構造はどなたが構想設計されたのでしょうか?
ハニス それは!オリンサスさんでしょう。
アンセルム いいえ、違います。オリンサスさんが改造に当たった時、彼はあらかじめ差し出されてあった設計図通りにつくられた。彼はその連結場所と移行操作装置のことは全く知らなかった。
そうではないでしょうか、ミーターさん?
ミーター たしかに、おっしゃられてる通りのようです。なるほどアルカディアはそこまで用意周到に準備していたんですね。
アンセルムさんに言われて初めてわかりました。
アルカディアは、この時期が来ることもちゃんと、見込んでいたんです。
アンセルム 左様。
もう一度、整理してみよう!
ブラノらが、バーチャル図書館の機能を停止させるのには、もう1つのパスワードが必要だ。そのパスワードはコンピューターの演算機能で継続中だ。
コンパー殿が、そう報告してくれている。
彼ら政府は、それを見つけるかも知れない。
見つけないかも知れない。
それでも、残念だが、第1ファウンデーションの要としてのターミナスの時代は終焉を迎えている、と言うべきだ。
旧ターミナスの帝国辞典編纂図書館は、この際、ブラノらの図書館破壊計画を加速させるためにもファー・スター2世号への移行措置を進めたらどうであろうか?
ペイリー アンセルム・ロドリックさん、二三お聞きしてもよろしいでしょうか?
まず、ブラノ首相はなぜ、改造されたバーチャル帝国辞典編纂図書館を破壊したいのでしょうか?
アンセルム それは、彼らの権力維持を固執しようとする本能的恐怖心からでしょう。
とくに彼らが怖がっているのは、本当は第2ファウンデーションではなく、アルカディアの亡霊ですよ。
ハニス なんとまあ!
アンセルム そして、なんとなく彼ら、とくにコデルは感じてきてるらしいのです。
ペイリー 何をですか?
アンセルム アルカディアの側にいたロボットですよ。
ミーター 俺のことですか?
アンセルム 左様。ミーターさんの今回の地球探索のことは直接知らないはずであるが、権力志向のものにありがちな本能による予知のような。
ハニス アンセルム卿、この点についてはコンパーから漏れているということはないのですね?
アンセルム コンパー殿もそこまではしないはず。
ハニス そうであってもらいたい。
ところで、ペイリーさん、もう少しロドリック卿にお聞きしたいと言うことは?
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