ある青年の国際連合訪問

ある青年の国連訪問

　茨城県青年の船の成功ののち、私はユニセフの広報普及員のボランティア活動をしていた縁で、ニューヨークの国連本部に行く機会が得られました。

　かねてよりお知り合いの水戸のカネボウの支店長の弟さんが、たまたま国連の事務局で働いているということで、前もって連絡しておいて下さっていましたので、本部の入り口で待って出迎えて頂いたのです。

　折角ですから、全館に案内して頂いたばかりでなく、なんと国連安全保障理事会が今、開いているからと言って、遠慮している私を無視して、ドアを開けてスタスタと入って行くではありませんか　!　事態がわからないまま外に出た時には汗だくでした。

　後でお聞きしましたら、事務次長かそのくらいのポストの立場だったということでした。ちらっと見回した、各国の代表者の中で、以前テレビで見覚えのある人がいたようでしたが、今では、よく覚えていません。

　ユニセフの本部ではオランダ人の部長と親しくお話しさせて頂いたのですが、尊敬している昔、牧師でありながら総理大臣でしたアブラハム・キュペル(Abraham Kuyper)ついて話したら、後になって彼の生涯についての本を贈って下さったのにはびっくりしました。

　

　彼は生涯、愛の政治が現実に行える、と信じていた稀にみる政治家だったのです。