14第4話Y市の謎、おそらく蝶番の謎
ファウンデーションの夢
第三部 ウォンダとガールの地球探訪
第4話
Y市の謎、おそらく蝶番の謎
あらすじ
セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年(西暦に換算すると24566年)、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。
漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。
ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。
ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。
ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。ハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!
ガールは、ダニールの指示通り、ダニールの多額のクレジット・バッグを抱えて、トランターに着いた。まではよかったが、ハリ・セルダンに会うやいなや、当のハリ共々裁判のために留置所に入れられてしまった。
ハリの未来予測は、将来500年以内に92・5パーセントの確率でトランター銀河帝国が滅亡するというものだった。
そこへ、弁護人としてハリ・セルダンから遣わされたロース・アヴァキャムが、ハリ・セルダンの代わりにガールにこの件に至った経緯を語る。
ガールはしばらくして釈放され、ハリ・セルダンからあらためて心理歴史学とファウンデーションについての計画を打ち明けられる。
それからもう一つの任務についても。
ハリが、ガールにモーヴ建設の要件を語り、宰相デマーゼルの秘密を漏らそうとした瞬間、背後からヒューミン(デマーゼル)が突如現れ、ハリを制した。
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「全ての謎の根源はどうやらハリが家族と逃避行を続けていたときのワイ市での反乱未遂事件にあるらしい。ワイは元々伝説ではふるさとの星の国エウロパのYの字の形の港が起源と言われている。
その時の事件に居合わせた養子レイチに関係があるらしい、まではわかるのだが...」(『ハリ・セルダンの生涯』ガール・ドーニック著)
(ハリがガールに話しかけているとき、二人の背後からにわかにチェッター・ヒューミンが現れた。)
ハリ そう、君はこの計画の重要な責任者になる。ターミナスの首都モーヴ建設には君の技能を十分活かさせてもらう。
モーヴの原型はワイ市だ。以前、私がドースとレイチを連れて最後の場所として隠れたのが、ワイ市であった。このワイ市での事件がすべての心理歴史学の最終的完成のヒントを与えたくれた。
その事件というのは、トランターの政権を軍事力で転覆しようとしたワイの首領の計画をそれとなく誘導して、事前に防ぎ、宰相の引責ということで彼自ら引退し、後継者としてそこに居合わせた私を持ち上げることにした。
そのワイの目論見から、不成功の要因を私に分析させ、ファウンデーション設立のヒントを与えた。そして五番目には...デマーゼルは、
ヒューミン ハリそこまでだ。それ以上はいい。
ガール ヒューミンさんじゃありませんか!ヒューミンさん、どうしてここに?!?
yatcha john s.
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