204第22話ヤマブキ革命
ミーターの大冒険
第九部
第22話
ヤマブキ革命
あらすじ
ミーターたちはハニスとの再会を期待してイフニアに向かうべく、ファー・スター2世号のあるダリバウのイケアに戻った。
その時、イルミナからハニスの拘束の事実を知らされる。
あとから駆けつけて来たアンセルム・ロドリックとともにイフニアに行くこととなり、アンセルムから意外な展望を聞かされる。
ダリバウからイフニアに行く途中、ファー・スター2世号の前に、12000年に一回というダリバウの太陽とダリバウの衛星ルエリスとの皆既日食が現れる。この現象は、ミーター一行に何の暗示になるだろうか?
アンセルムは、アルカディア・ダレルの小説を読んでいるペイリー・リャンにペイリーの父ダニールの歴史を、厳かに、そして優しく語る。ルエリスの名前の由来を。
漂泊のシンナックス人は今や地球から見た場合の星座レチクル座付近の奥の大マゼラン銀河にさらなる次のターゲットを決めて、このダリバウやイフニアから出て行ったことをペイリーとアンセルムは同時に了解した。
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アンセルム ミーターさん、実を申しますと、ハニスさんの拘束の道筋は、わたしが考えたことです。今になってお話ししなければならなかったことをお詫びいたします。これは極めて極秘に進めておりました戦略でして。
ミーター わたしもそうではないかと内心考えておりました。申し訳ありません。わたしの方こそ。
アンセルム ほ~、さもありなん。
今になって、極秘の段階が過ぎましたので申し上げることができました。
これはファウンデーション連合全体に秘密裏に進めるというターミナスだけを除くファウンデーション連合全体の密約を構築してあったのです。
各惑星政府に、二重の政府をつくってもらいました。一つは、正式ではあっても表面上のターミナスに恭順を示しているただの飾りの政府。もう一つは裏ではありますが、その惑星の実質の政治を執り行う列記とした行政と、いう風にです。
ミーター そうでしょう。「敵を欺くには味方から」を実践されておられますね。
アンセルム卿、あなたにご質問があります。
あなたは、そういうしっかりとした戦略を立てられておられるのに、なぜまた私たちと同行されようとされておられるのですか?
アンセルム 左様、ごもっともな質問です。
イフニアで、ハニスさんと会ってから、イオス星にドースさんにお願いしたいと思いましてね。
ミーター なんでしょう?
アンセルム もちろん、現状のターミナスのファウンデーション政府を転覆する最終作戦の了解と今後の方向についてのご相談です。
ミーター もうその段階に達しておられるのですか?
ターミナス転覆計画でも、驚きですのに、またさらにその先まで!
アンセルム 驚くことではありません。あなた様の地球再発見と銀河歴史消滅の回復に比べてみれば、容易いことです。
実際、この策戦は、どなたが最初に立てられたか、ミーターさん、あなたはご存知のはず。
ミーター さあ、誰でしたっけ?
アンセルム ターミナスのモーヴ首都移転の策をあなた様がお忘れとは!それを聞いたらハニスさんは泣きますよ。
ミーター あ~、そうでした! あ~、俺か!
いや、わたしだった。
アンセルム ミーターさん、実は今のターミナス政府はあと5年で終息してもらいます。
それには、すでにドースさんと打ち合わせがちゃんと出来ております。
それには、旨く、ブラノらを銀河に誘導してターミナスから追い出させます。
ミーター どのように仕組まれるのですか?
アンセルム もう申してもよいでしょう。
第2ファウンデーションとガイアに協力してもらいます。
それにターミナスの転覆には、長い間、苦労されてきたハニスさんに完璧に満足していただく秘法を用意しております。すでに、ターミナスのヘンダーにその件は申し付けております。
ミーター アンセルムさん、あなたっていう方は、なんと素晴らしい!
ペイリー ミーターさん、そんなに泣かなくても。
ミーター ペイリーさん、いつからイルミナのお株をとるようになったのですか?
ペイリー さあ、どうぞ、ヤマブキ色のハンカチですよ!
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