先日、少額訴訟判決を元に、個人の銀行口座への強制執行を申し立てました。
少額訴訟判決のため少額訴訟債権執行(民執167条2)とすべきかとも思いましたが、
簡裁書記官に笑顔で嫌がられたため(?)、原則にかえって、
相手方住所地の地方裁判所に申し立てることにしました。
相手方住所地というのが、これまた、東京からずいぶん離れた遠い場所で、
差し押さえる預金口座の銀行支店も、これまた、東京からずいぶん離れた遠い場所です。
基本的に、相手方に代理人が付いた場合、和解で終わるのが大半なので、強制執行まで行くことは少ないですが、
相手方に代理人が付かない場合は、欠席判決やら、勝訴判決が出てしまうことがあります。
そういうケースの場合、判決が出ても相手からの任意の支払は期待できません。
強制執行しても強制執行できる財産(不動産、預貯金、給料、動産)がない、というタチの悪いケースがほとんどです。
今回のケースも、相手方からの任意の支払は期待できないし、資産もないという状況。
依頼者には、まず、
① 差押えの対象とする銀行支店に相手方の預金がない可能性が強い、
② たとえその支店に相手方の預金があったとしても、残金がほとんどない可能性が強い。
という説明をし、了解を得た上で、相手方の住所地などの近くの銀行支店を片っ端から調べ上げました。
そして、めぼしい銀行支店に絞り、いざ強制執行申立。
申立日の翌日に発令され、第三債務者である銀行支店から陳述書が送達されてきました。
「なし」という回答ではなく、請求額の約8割が預金として存在するという回答でした。
良かった!と喜ぶのもつかの間、さて、どうやって取り立てしよう??
近場の銀行支店であれば、差押命令が債務者に送達されてから1週間経てば、支店窓口で、払い戻してくれるのが通常。
しかし、東京からずいぶん離れた遠い銀行支店です。わざわざ出向くのは得策じゃありません。
まずは、銀行支店に電話。
①事務所近くに他の支店があるので、その支店で払い戻しできないか?
②それがダメなら、送達通知書の写しを付けて郵送で請求するので、本人口座に振り込んでもらえないか?
担当者の回答は、「初めてのケースなので分からない。」
差押えなんて、通常口座名義人は法人だし、その場合弁護士が直接窓口に来て払い戻しているから、そのようなケースは今までない、とのこと。検討して折り返す、とのこと。
2日後、担当者から電話がかかる。
本部に問い合わせてみたが、そのような取扱はできない、原則どおり、窓口に来て貰うほかない、とのこと。
要は、郵便じゃ本人確認ができない。当事者の一方に便宜を図ることはできない、云々。
本人確認なら、別の支店窓口でも十分目的を達せられるんじゃなくって!?
便宜じゃなく、法律に基づいた取立じゃなくって!?
押し問答の末、もう一度検討してみるとのこと。
翌日、担当者から電話がかかるが、やはり回答は同じ。
ああそうですか。ここまで言ってダメというならしょうがありませんね。
例外的なケースだとは思いますが、どうにかならないものですか!!
○○○銀行!!