病気になった人の社会的役割について論じたのは、アメリカの社会学者タルコット・パーソンズ(Talcott Parsons、1902年-1979年)です。パーソンズの理論によると、病気になった人にも二つの権利と二つの義務があるということです。この社会的役割理論は、回復可能な疾患に当てはまりますが、回復が望めない病気には当てはまりません。また終末期を迎えた人にも生活者としての権利や義務があることが考慮されていないという批判もあります。医師と患者の関係についても批判があります。様々な批判がある理論ですが、私たちが病気になるということはどういうことか考えるきっかけになるのではないでしょうか。
1 二つの権利
①「社会的役割の責任から免除される権利」
父親であれば家族や社会のために働くこと。学生なら勉強をすること。会社員ならフルタイムで働くこと。母親なら子どもの面倒を見ること。などなど。私たちには社会や人間関係から、自然に役割を期待されています。病気になった場合には、その役割を果たさないことについて責められたり、自責の念を感じたりすることから解放されなければならないという考え方です。
②「看護されることや援助を受け入れる権利」
他の人からの助けを受け入れることは、病気になった人の権利の一つです。以前ようには仕事に取り組めない分、同僚に仕事を振ることかもしれません。あるいは、不安から家庭生活まで手が回らないため、実家に手伝ってもらうことかもしれません。健康なときは自立が求められますが、病気になった人は、他の人の助けを受け入れる権利を持ちます。
2 二つの義務
③「回復に向けて努力するする義務」
今までの役割は果たせなくなったけれども、新しい役割が見つからなければ、回復に向かって進んでいくことは難しいことです。しかし病気になった人にとっては、回復に向かって努めることそのものが、新しい役割となります。そして、私たちは義務を負うことによって、新しい責任を果たすことができます。
④「医師などの等専門家の援助を求め、協力する義務」
医師やカウンセラーに限らず、助けを求めてみると、意外にたくさんの専門家がいます。自分たちだけで対処しようとすることは、大変なことですし、病気をこじらせることになりかねません。専門家の援助を受けることを権利であるだけでなく義務でもある言っています。
1 二つの権利
①「社会的役割の責任から免除される権利」
父親であれば家族や社会のために働くこと。学生なら勉強をすること。会社員ならフルタイムで働くこと。母親なら子どもの面倒を見ること。などなど。私たちには社会や人間関係から、自然に役割を期待されています。病気になった場合には、その役割を果たさないことについて責められたり、自責の念を感じたりすることから解放されなければならないという考え方です。
②「看護されることや援助を受け入れる権利」
他の人からの助けを受け入れることは、病気になった人の権利の一つです。以前ようには仕事に取り組めない分、同僚に仕事を振ることかもしれません。あるいは、不安から家庭生活まで手が回らないため、実家に手伝ってもらうことかもしれません。健康なときは自立が求められますが、病気になった人は、他の人の助けを受け入れる権利を持ちます。
2 二つの義務
③「回復に向けて努力するする義務」
今までの役割は果たせなくなったけれども、新しい役割が見つからなければ、回復に向かって進んでいくことは難しいことです。しかし病気になった人にとっては、回復に向かって努めることそのものが、新しい役割となります。そして、私たちは義務を負うことによって、新しい責任を果たすことができます。
④「医師などの等専門家の援助を求め、協力する義務」
医師やカウンセラーに限らず、助けを求めてみると、意外にたくさんの専門家がいます。自分たちだけで対処しようとすることは、大変なことですし、病気をこじらせることになりかねません。専門家の援助を受けることを権利であるだけでなく義務でもある言っています。