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根拠のない自信はどこからくるのか №255

2017-06-19 16:53:20 | 日記
 何事にもネガティブに考えるマイナス思考の人がいる一方、何事にもポジティブでプラス思考の人がいます。それは、失敗して傷つくことを恐れる気持ちが強いか、成功体験による満足を得たい気持ちが強いか、という生き方のポジションの違いでもあります。ただ、一般的には、能力の高い人ほど自信がなく、能力の低い人ほど根拠のない自信を持つ傾向があるといわれています。
 アメリカのコーネル大学のデビッド・ダニングとジャスティン・クルーガーの研究によると、
①能力が低い人は、能力が低いために、自分がいかに能力が低いかを理解できない。
②したがって、能力の低い人は他人のスキルも正しく理解できない。
③そのため、能力の低い人は自分を過大評価する傾向にある。
ということです。このように、能力の低い個人が、自らの発言・行動などを実際よりも高く評価してしまう認知バイアスを、二人の名前を取って「ダニング・クルーガー効果」といいます。
 能力の高い人は、自分の能力を正しく認識しているが故に、謙虚で自信がない傾向が強いということになります。しかし、自信がないゆえに、さらに研鑽するためにより成長してゆきます。逆に、能力が低く自分を客観視できない人は、自分を実力以上に評価するため、学習や研鑽を怠り、現状にあぐらをかくため、能力がさらに劣化していくリスクがあります。
 さて、皆さんはいかがでしょうか。ただし、気を付けなくてはいけないのは、この「ダニング・クルーガー効果」について初めて聞いた人の多くが、「自分が該当する」かもしれないということを棚に上げて、「確かに勘違いしている人がいますね。」というのだそうです。しかし、これは「ダニング・クルーガー効果」の一種で「バイアスの盲点」と呼ばれるのだそうです。ご注意あれ、御同輩の方々。
イギリスの哲学者でノーベル文学賞を受賞したバートランド・ラッセルは、「ダニング・クルーガー効果」がイグノーベル賞を貰うずっと前に、「こんにち世界の問題の根本原因となっているのは、愚か者が自信満々である一方、識者は疑念しか持てなくなっていることだ。」と憂えていたということです。

男の子はなぜ乱暴なのか №254

2017-06-18 09:33:51 | 日記
 男の子を育てたことのある多くの母親が一度は感じるのが「なぜ、男の子はこんなに乱暴で、落ち着きがなく、言うことを聞いてくれないのだろうか。自分の子育てが間違っているのか、それとも自分の子はどこかおかしいのではないか。」という疑問だそうです。そんな疑問に応えるのが、PHP研究所から出版されている「男脳がつくるオトコの行動54の秘密」という本です。著者はカリフォルニア大学のローアン・ブリゼンディーン教授で、女性の精神神経医学者です。彼女の研究は、自身が男の子を育てながら感じたことがはじまりのようです。
 研究によると、男の子は生後7ヶ月になる頃には、母親の怒りや恐れの表情を読み取れるようですが、生後12ヶ月になると、母親のそうした表情に「免疫」ができてしまいあっさり無視するようになるという。女の子の場合は逆に母親の怒りに敏感になるということです。実験によると、玩具にさわってはいけないと父親が叱っても、女の子の倍の警告が必要だということです。生後2歳7ヶ月頃になる頃には、親に隠れて禁断のものを追いかけたり、手に入れたりすることを平気でするようになる。玩具の取り合いや取っ組み合いのけんかの回数は、女の子の6倍になるということです。
 なぜ、男の子は競争的な遊びを好み、女の子は協調的な遊びを好むのか。それはホルモンの関係であるということです。テステステロン(支配欲と攻撃性が強く、力強い。これと決めた目標に向かって邁進し、他の男を出し抜こうとする)やMISホルモン(屈強で探索的な行動の回路を形成し、女性的な行動回路を抑制する)が男の子に、動きのある玩具や競技スポーツ、戦争ごっこに誘うという。
 では、いつになったら男脳といわれるホルモンをコントロールすることができるようになるのでしょうか。男性ホルモンの抑制システムが完全に成熟するのは20代前半であるということです。16歳から24歳までの交通事故発生件数が群を抜いて多く、自動車保険の保険料が高くなっているのは理にかなっているといえます。