「す」 好きこそものの上手なれ

「す」　好きこそものの上手なれ
・セールス力の向上は先ずセールスを好きになることである


　かつて神戸製鋼のスター・プレーヤー、ラグビー全日本代表監督であった平尾　誠二氏はあるテレビのインタビューに答えて、強いチーム作りのために「鍛錬」という言葉を前面に出す考えには否定的であり「好きこそ、ものの上手なれ」を発想の原点におき、「向上心」の重要性を思考の根本におくと語っていました。

　昔から「好きこそものの上手なれ」と言われています。好きな作業・仕事・趣味などは本人が上手くなりたい、上達したいと考えている―向上心―からこそ、真剣に努力・研究に励み自然に上手になるということです。何かを成し遂げようとするとき、自分から「やりたい」と思わなければ成功は、できません

　やや乱暴にいうと、好きなことは熱心に努力もするし、勉強して工夫も凝らすので、進歩が早く自然と上手になる。つまり、嫌々ながらやるのでは、伸びも悪い。だからこそ、好きになることは大切なのだ、ということです。

　「なぜエベレスト（山）に登るのか」と問われ、「そこに山があるから」と答えたという英国の登山家 ジョージ・マロリーの逸話は有名ですが、登山は「山がそこにある」だけではできません。山登りが好きで、「あの山に登りたい」と強く願うことが必要です。登りたいと思っているから、大きな荷物も苦になりません。登りたいと思わない人にとっては苛酷な環境下に大きな重装備や荷物が苦痛であり、あんなに重い物を背負って何が楽しいのかと考えるのが関の山です。そんな艱難辛苦を越えて登頂に成功してこそ登山家として評価されます。

　ゴルフで評価される人はコンペで強い人。野球の監督ならばチームを勝利に導く人です。決して試合運びが「（ただ）上手な人」ではありません。

　目的は「勝利」。その為には「采配」「指導」「統率」が上手であると考えられますが、要は勝つこと＝「強さ」です。逆境にあっても勝てる人。その実績こそが評価です。

　継続的に評価される「強いセールスマン」を目指しましょう。