1月10日にテレビ朝日系で放送された「情報整理バラエティ ウソバスター!」のコーナーの中で,ネット上のウソを暴く等というコーナーで使用されたブログが,スタッフが作成したものであることが明らかになりました。
テレビ朝日は,視聴者に誤解を招くとして陳謝しました。
テレ朝、番組で紹介のブログ自作 誤解与えると陳謝(共同通信) - goo ニュース
これ,全国ニュースになる話??
この番組,私も見ていました。番組の内容は,「今まで常識だと思っていたことが,実は誤りだった」などということで,結構おもしろ楽しく見させてもらいました。
もっとも,この番組が問題になるとしたら,「常識のウソ」と言われた部分については,一部学者の見解にすぎない部分もあったため,その点がウソと言いきってよいかなどというレベルの話が出てくるのかな,と思ったくらいです。
さて,問題の場面ですが,簡単に言うと,「ブログで常識として書かれている内容が,実はウソがある」ということで,NEWSの語源は「東西南北の頭文字」などと書かれているブログを紹介し,それが本当かウソかみんなで考えるというものでした。そして,そこで紹介されたブログが,実は番組スタッフが作成した,ということだったのです。
今回,この番組製作会社の失敗点は次の2点でした。
1 ブログが再現であることをテロップ表示しなかったこと
2 視聴者がブログ探しをすることを想定していなかったこと
まず,1についてですが,この問題は,単に「番組作りの詰めが甘い」だけの問題であり,かつての「あるある」のような内容偽装とは次元が違います。あるある事件の場合は,そもそも「納豆の効用」について,教授が全く話していないことをあたかも話したかのように内容を偽装し(英語での会話と字幕が全くあっていない),結果納豆パニックを産むという社会問題にまで発展したものですが,今回の問題は,内容それ自体は実際にあるものだが,その裏付け資料を作り替えたにすぎないからです。
もし,このような資料を裁判資料として使うとすれば,もちろん大問題となりますが,今回のようなバラエティ番組では,権利関係の都合から結構こういう手法は普通に使っています。ただ,多くの場合は,「再現」などとちゃんと触れていますが,たまには「これは,どう見ても本物ではないよ」っていうものが含まれています。ただ,バラエティ番組なんだ,っていうノリでこちらも見ていますので,「まあ,内容自体胡散臭いよねえ」って思う程度にしています。
むしろ,逆に「無断でブログの画面を紹介した」方が,むしろ大きな問題になったのではないでしょうか。ブログの著作権に関しては,実は,結構法律的に宙ぶらりんな部分が多いのですが,少なくとも,メイン執筆者(例えばこのブログなら私)が,当該ブログの内容についてどうするかの権利は有しています。あとは,ブログ運営会社との契約により,運営会社の判断で報道などに提供してよい場合などが定められている場合があるくらいです。
したがって,「なぜここまで大きなニュースになるのか」という疑問を覚えるくらいです。
まあ,善意に解釈すれば「我が放送局では,これまではもちろんのこと,今後,たとえバラエティ番組であったとしても,このようなスタッフが再現を作ってそれを本物のごとくしようすることは一切しません。まして,ニュース番組ではなおさらのことです。」という決意表明の現れなのでしょうね。
そうなると,若手芸人がよく使っている「ファンレターネタ」とか,「ブログコメントネタ」なんていうのも,「それ,本物じゃないからダメ!」ってことになるのでしょうか(笑)。
2点目ですが,やはり製作会社が手抜きをしたのは事実です。しかも,視聴者をなめていた部分があります。それは,「作った物を本物のように見せる」という点だけでなく,「ブログを検索する」という行動に走ることを想定していなかったか,または甘く見ていたという点です。
もっというと,「ブログは間違いだらけ。正しいのはテレビだけ。」と思われる節が番組でも見受けられました。これは,ネット人口をなめていたとしか思えません。
そして,このニュースの発端も,こうしたネットから広まったものだったわけですから,製作会社,そしてテレビ局の「ネット軽視の姿勢」で墓穴を掘ったものと言えます。
今回のニュースを通じて,改めて「テレビは気軽に見ようね」と言いたいものです。
一方で,去年あたりから変なブームになっている「あら探し,重箱の隅つつき」という発想も,少しだけ改めた方がよいと思います。もちろん,今回の問題を無視しろ,という意味ではありませんが,あまりあら探しにかかると,ご本尊を見失う可能性があります。例えば,「番組の中身それ自体の検証」などです。
あまり,あら探しに夢中になると,選挙直前に,政党や候補者が真意を隠すため,または問題点をすり替えるためにフェイクとして出す「小さな問題公約」や「ちいさな不祥事」に目がいってしまい,その政党の真意である公約や,背後に潜んでいる大きな問題点に目がいかなくなる可能性があります。
今回の問題は,テレビ局や製作会社が反省するべき点は当然ありますが,ただあくまでも枝葉の問題にすぎません。ただ,この枝葉だけにとらわれて大騒ぎしない方がいいです。それだけのことです。
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テレビ朝日は,視聴者に誤解を招くとして陳謝しました。
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これ,全国ニュースになる話??
この番組,私も見ていました。番組の内容は,「今まで常識だと思っていたことが,実は誤りだった」などということで,結構おもしろ楽しく見させてもらいました。
もっとも,この番組が問題になるとしたら,「常識のウソ」と言われた部分については,一部学者の見解にすぎない部分もあったため,その点がウソと言いきってよいかなどというレベルの話が出てくるのかな,と思ったくらいです。
さて,問題の場面ですが,簡単に言うと,「ブログで常識として書かれている内容が,実はウソがある」ということで,NEWSの語源は「東西南北の頭文字」などと書かれているブログを紹介し,それが本当かウソかみんなで考えるというものでした。そして,そこで紹介されたブログが,実は番組スタッフが作成した,ということだったのです。
今回,この番組製作会社の失敗点は次の2点でした。
1 ブログが再現であることをテロップ表示しなかったこと
2 視聴者がブログ探しをすることを想定していなかったこと
まず,1についてですが,この問題は,単に「番組作りの詰めが甘い」だけの問題であり,かつての「あるある」のような内容偽装とは次元が違います。あるある事件の場合は,そもそも「納豆の効用」について,教授が全く話していないことをあたかも話したかのように内容を偽装し(英語での会話と字幕が全くあっていない),結果納豆パニックを産むという社会問題にまで発展したものですが,今回の問題は,内容それ自体は実際にあるものだが,その裏付け資料を作り替えたにすぎないからです。
もし,このような資料を裁判資料として使うとすれば,もちろん大問題となりますが,今回のようなバラエティ番組では,権利関係の都合から結構こういう手法は普通に使っています。ただ,多くの場合は,「再現」などとちゃんと触れていますが,たまには「これは,どう見ても本物ではないよ」っていうものが含まれています。ただ,バラエティ番組なんだ,っていうノリでこちらも見ていますので,「まあ,内容自体胡散臭いよねえ」って思う程度にしています。
むしろ,逆に「無断でブログの画面を紹介した」方が,むしろ大きな問題になったのではないでしょうか。ブログの著作権に関しては,実は,結構法律的に宙ぶらりんな部分が多いのですが,少なくとも,メイン執筆者(例えばこのブログなら私)が,当該ブログの内容についてどうするかの権利は有しています。あとは,ブログ運営会社との契約により,運営会社の判断で報道などに提供してよい場合などが定められている場合があるくらいです。
したがって,「なぜここまで大きなニュースになるのか」という疑問を覚えるくらいです。
まあ,善意に解釈すれば「我が放送局では,これまではもちろんのこと,今後,たとえバラエティ番組であったとしても,このようなスタッフが再現を作ってそれを本物のごとくしようすることは一切しません。まして,ニュース番組ではなおさらのことです。」という決意表明の現れなのでしょうね。
そうなると,若手芸人がよく使っている「ファンレターネタ」とか,「ブログコメントネタ」なんていうのも,「それ,本物じゃないからダメ!」ってことになるのでしょうか(笑)。
2点目ですが,やはり製作会社が手抜きをしたのは事実です。しかも,視聴者をなめていた部分があります。それは,「作った物を本物のように見せる」という点だけでなく,「ブログを検索する」という行動に走ることを想定していなかったか,または甘く見ていたという点です。
もっというと,「ブログは間違いだらけ。正しいのはテレビだけ。」と思われる節が番組でも見受けられました。これは,ネット人口をなめていたとしか思えません。
そして,このニュースの発端も,こうしたネットから広まったものだったわけですから,製作会社,そしてテレビ局の「ネット軽視の姿勢」で墓穴を掘ったものと言えます。
今回のニュースを通じて,改めて「テレビは気軽に見ようね」と言いたいものです。
一方で,去年あたりから変なブームになっている「あら探し,重箱の隅つつき」という発想も,少しだけ改めた方がよいと思います。もちろん,今回の問題を無視しろ,という意味ではありませんが,あまりあら探しにかかると,ご本尊を見失う可能性があります。例えば,「番組の中身それ自体の検証」などです。
あまり,あら探しに夢中になると,選挙直前に,政党や候補者が真意を隠すため,または問題点をすり替えるためにフェイクとして出す「小さな問題公約」や「ちいさな不祥事」に目がいってしまい,その政党の真意である公約や,背後に潜んでいる大きな問題点に目がいかなくなる可能性があります。
今回の問題は,テレビ局や製作会社が反省するべき点は当然ありますが,ただあくまでも枝葉の問題にすぎません。ただ,この枝葉だけにとらわれて大騒ぎしない方がいいです。それだけのことです。
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