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この春東京国立近代美術館で開催されていた「あやしい絵展」が大阪歴史博物館にやってきました。(⇒あやしい絵展)
その中の一枚
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ( Dante Gabriel Rossetti )
マドンナ・ピエトラ( Madonna Pietra )
⇒あやしい絵展
注釈の中に「運命の女」という言葉があります。
フランス語でFemme fatale フェム・ファタール
文学や美術で使われる言葉です。
19世紀になってそれまで男性社会に支配されてきた女性は、良き妻、よき母として求められてきましたが、社会進出や参政権の獲得の流れの中、新しい女性像が生まれてきます。
「運命の女」は、赤い糸で結ばれ生涯を共にする運命的な出会いの意味もありますが、文学や美術の世界では、男を虜にし堕落させる魔性の女としての意味合いが強いものです。
新しい女性像とは、それまでの道徳的な支配から抜け出し、女性としてのアイデンティティをもつ者として認められていきます。
官能的で魅力的であるため、時には不道徳な女性としてもみなされます。
ロセッティは、ロンドンうまれのイタリア人で詩人・画家
⇒Petry Foundation
マドンナ・ピエトロの腕は筋肉質でがっちしりした男性のようです。
本来の目の前にいる女性の姿を彼は描いたのです。
その力強い腕に抱えられている石質の球は、注釈によれば「彼女に恋する男性は石に閉じ込められてしまいます」とあります。
恐いですね。
女性本来の姿が魔性であるというのは、言い過ぎで正しくはないと思いますが、魔性という言葉は男性より女性のほ方が合う言葉です。
男性の方が惑わされやすいということでしょうか・・・・・
上半身だけのこの絵
退廃的な視線で何を見ているのか
男性的な首から肩、腕に対する整った胸
そして石質の球
やはり、あやしい絵です・・・・
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