短歌は五・七・五・七・七の31音からなる短い歌、あるいは詩ともいえるかもしれません。
万葉集にもありますが、その際は和歌と呼ばれています。
およそ明治時代を境にして、それ以前を和歌、以後は短歌となります。
俳句には季語がありますが、短歌は季語を必要とはしません。
五・七・五・七・七の形式の中で、自由に作られます。
藤原敏行(古今和歌集)
『 秋来ぬと 目にはさやかに 見えぬとも 風の音にぞ おどろかれぬる 』
意味:秋が来たのだと目にははっきりと見えないけれども、風の音で秋が来たことに気づいて驚いてしまった。
(音で季節を感じるのも情緒があります)
小野老(万葉集)
『 あをによし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今さかりなり 』
意味:奈良の都は、咲いた花の色が鮮やかに映えるかのように、今が繁栄の盛りである。
(思い浮かべて懐かしみ、また惜しむような感じがします)
⇒短歌の教科書
与謝野晶子 短歌
⇒善通寺市
やは肌のあつき血潮にふれも見でさびしからずや道を説く君
「この私の柔らかい肌の熱い血のたぎりに触れてもみないで、さびしくはないのですか?人の道を説いているあなた。」
(はっとしますね。この短歌は明治時代。当時としてはかなり刺激的で物おじしない新しい女性像ではなかったでしょうか)
⇒短歌の教科書
現在の歌壇で注目されているひとりに俵万智さんがいます。
1987年に歌集『サラダ記念日』を刊行して現代歌人協会賞を受賞しています。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
ここで歌われたサラダ記念日は一般社会に広く流行しました。
今年、俵万智さんの歌集「未来のサイズ」が迢空賞と詩歌文学館賞を受賞し再び衆目されています。
⇒JIJIcom
この歌集では子供の成長とコロナ禍の中社会のあり様を中心に418首が納められています。
制服は未来のサイズ入学のどの子もどの子も未来着ている
「子どもたちがのびのびと生きられる社会であってほしいという願いを込めた歌だ。」
(いい歌です。大人はどんな服を着るのでしょうか)
「前向きな疎開」を検討するという人よ田舎は心が密だよ
「〈疎〉だけでない、お裾分けのタッパーが各家庭をぐるぐるまわる、密な田舎の魅力を伝えたかった」
(3密避けても、心は密でありたいです)
手伝ってくれる息子がいることの幸せ包む餃子の時間
「友だちと会って話すことがどれだけ幸せなことか、あたり前の日常がどれだけ貴重なものかということに気づかされた。日常を再点検する時間をもらえたと感じています」
⇒好書好日
今回のW受賞を記念して、「俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」が角川武蔵野ミュージアムて開かれています。
⇒Kadokawa Culture Museum
⇒PRTIMES
本を手に取り一人静かに読むのもいいですが、こうした展覧会の空間で短歌の世界を味わうのも別な発見や刺激があっていいかもしれません。
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