「柳緑花紅」
前大徳柳生紹尚師
悟らない以前は
柳は緑にしか見えず
赤い花は赤い色にしか見えない
修行を重ねて
少し深くわかってくると
柳は必ずしも緑というわけではなく
夕日に映えて金色に輝いて見えることもあれば
闇の中で黒くなることもある
花もまた同じ
しかし
悟りおわってみると
やはり
柳は緑 花は紅
あるがままの色に
はっきりと気づく・・・
というような意味でしょうか
十牛図では九番目の
返本還源(へんぽんげんげん)の境地です
それは
いつもと変わらぬ
当たり前の日常に
ふと幸せを感ずる一瞬
あの心境に
ひょっとしたら似ているかもしれません
旅箪笥 芝点て
主菓子 花筏 鼓月製