松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★協働のまちづくり(野々市市)

2015-02-19 | 2.講演会・研修会

  野々市(ののいち)市は、金沢の南、車で金沢市内まで15分くらいのところにある人口5万人強の町である。しゃれた街並みが続くことから、金沢のベットタウンとして人気があり、石川県で唯一人口が増えている町でもある。この野々市市で協働のまちづくりの話をした。 

  野々市市では、昨年の12月議会でまちづくり基本条例を制定して、この4月からの施行になる。協働のまちづくりを中心とした条例で、それを浸透させるために職員の研修会を計画したものである。

 実は、昨年の今ごろ、まちづくり基本条例のイベントがあり、今井邦人さんと一緒に参加したのがご縁である。その時、部長さんがあいさつの中で、制定のあかつきには、松下さんに来てもらって、職員研修を徹底すると言っていたことから、今回のこととあいなった次第である。

  協働のまちづくりは、簡単にいうと、市民の活動をどうバックアップするかであるが、それを講義だけ理解するのは十分でないと考え、演習を取り入れている。全課全係、全職員が、何ができるかを考えてもらうためでもある。

  講義をやって感じるのは、野々市市の職員は、「まじめ」である。たしかに私ののんきな話も真面目に聞いている。宿題もちゃんとやってくる。その分、私の冗談も滑ることが大半である(後から聞くと、面白かったが、声に出さず、おなかの中で笑ったとのこと)。たしかに市役所受験者の倍率も高く、相当難しいようだ。

  私が、協働推進担当の方々にアドバイスしたのは、この真面目さをベースに、さらに市民とフランクな関係ができる訓練をしたらどうかというものである。個別に話せば、みんなよい笑顔をし、普段の生活ではもっとフランクにやっているのが窺えるからである。潜在力を活かさないのはもったいない。

  その方法は、何んらかの制度づくりを目標に、若手職員と市民が一緒に考え、提案することがよいだろう。その際、職員は後ろに控えていてはダメである。同じテーブルで和気あいあいと議論することである。多少の失敗があっても、なんということはないので、まずやってみることである。

  これをしばらくやってみると、あっという間に、職員が変わってくる。もともと素地はあるので、ちょっと後押しすればすぐに大きく変わる。その輪を広げていけば、職員数300くらいの自治体では、あっという間に伝播し、変わっていくだろう。その際、大事なのは、成功体験である。小さな成功を繰り返しながら、少しずつ歩を進めるのがよいであろう。

  今回の宿は、金沢市内にとった。私のホテルの好みは、何と言っても、大きなお風呂があることである。この時期、北陸は、雪か雨である。どこにも出かけず、ホテルで夕食を食べて、ゆっくりとお風呂に入り、ゆっくりと原稿を書くのが、一番の贅沢である。そんな時を過ごすことができた。

  野々市市では、市長さんはじめ、協働推進課の皆さんには、何かとお世話になった。感謝申し上げたい。ただ、野々市市における経済効果であるが、ホテルは金沢市に泊まり、お土産は小松空港で買ったので、ほとんど寄与できなかったことを告白せざるをえない。

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