松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★「公民館のつどい」で若者参画の話をした

2025-02-02 | 2.講演会・研修会

市制施行70周年記念第49回相模原市公民館のつどいがあった。公民館関係者が一堂に会し、公民館での実践活動について研究・協議を行い、
公民館活動の一層の充実と活性化を図るものである。

今回のテーマは、「地域の拠点としての公民館 ~次世代へつなぐ公民館~」で、若者参画の考え方やその実践について話をした。

問題意識は、次の通りである。
アンケートによると、
(1)公民館利用者の3分の2は60歳以上である。高齢化社会において、高齢者の居場所やつながりに場になっている。
(2)利用者の満足度は、「満足」は9割以上になっている。
(3)活動内容は、健康増進と文化教養で、これは社会教育法第20条の公民館の目的に合致している。
いいではないか。何の文句があるのだろう。なぜ「次世代へつなぐ公民館」を考えるのか。

社会教育法ができたのが、昭和24年である。相模原市が市になったのが、昭和29年なので、その前の時代にできた法律である。昭和24年と言えば、まだ、多くの国民は、食べることに精一杯の時代である。健康増進まで手が回らず、ましては文化教養は手が届かない。そんな時代に公民館が、文化教養や健康増進に担い手として公民館が位置付けられたことは意味があった。

しかし、今は、令和の時代である。健康増進の情報や機会は溢れ、文化教養は公民館に頼らずともい暮でも機会はある。要するに、今の公民館の活動は、法律には合致しているが、そもそもの法律が、時代とずれてしまっている。だから時代にあわせるべく、公民館はもがき、奮闘しているのではないか。その一つの方向性として、若者参画を考えるということである。

講演ののち、パネルディスカッションがあり、大沢公民館と大野南公民館の事例発表があり、最後のコメントでは、私は次のような話をした。

公民館は、どう進むべきか。

1つは、これまでの高齢者の寄りどころという強みは、大いに活かしてほしい。ただ、気をつけなければいけないのは、バカップル化である。限られた、一部の人で固まって、新たな人が参加しにくくならないように。バカップル化してしまっては、リーダーや担い手はどんどん高齢化し、参加者も先細る。

2つ目は、公民館の新たな役割の模索と創出である。キーワードはシビックプライドである。もう税収があがる時代ではない。残された私たちの強みは、人である。その人が、前向きになるか後ろ向きでいるかによって、まちの元気は違ってくる。だから、市民ひとり一人のまちへの愛着、誇り、共感、そして当事者性を高めることが、公共を担う施設や組織の役割である。公民館もその一翼を担っていくことではないか。

そのために何をするか。事例発表にあったような、まちを知るというのも一つの試みである。シビックプライドの諸施策の内容のなかにヒントがあると思う。そのなかから、自分たちがピンとした活動をやってみたらいいのではないか。そして、これらのひとつ一つの試みを束ねて、大きな力にするのが市長の役割ではないか。

大要そんな話をした。

今回も、事務局はじめ、公民館関係者の方々には、いろいろとお世話になった。感謝したい。

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